さて、勝手になりきりシリーズ『陰陽師』と言えば、誰でも知っているのがこの人ではないでしょうか？
　

安倍 晴明（あべ の せいめい）は、平安時代の最も有名な陰陽師の1人であり、鎌倉時代から明治時代初めまで陰陽寮を統括した安倍氏（土御門家）の祖となる人物です
　小説やマンガ、映画やテレビドラマにもなった人物で式神(注2)の十二神将（十二天将）を使役して大活躍するのですが、それは『物語』の中だけのお話（*≧m≦*）ププッ
　実際の清明は

　921年（延喜21年）に摂津国阿倍野（現・大阪市阿倍野区）に生まれ(奈良県桜井市安倍とする説もある)幼少の頃については確かな記録はありませんが、陰陽師、賀茂忠行・保憲父子に陰陽道(注1)を学び、天文道を伝授されたといいます

　960年（天徳4年）当時天文得業生（陰陽寮に所属し天文博士から天文道を学ぶ学生）であった晴明は村上天皇に占いを命ぜられており、出世は遅れていましたが占いの才能は既に貴族社会で認められていたことが伺えます
　その後、天文博士に任ぜられています

　979年（天元2年）晴明は当時の皇太子　師貞親王（後の花山天皇）の命で那智山の天狗を封ずる儀式を行い、このころから花山天皇の信頼を受けるようになったらしく、記録にしばしば晴明が占いや陰陽道の儀式を行った様子が見られるようになります

　花山天皇の退位後は、一条天皇や藤原道長の信頼を集めるようになりました
　
　その事は道長の日記『御堂関白記』などの当時の貴族の日記からも覗えます

　陰陽師として名声を極めた晴明は、天文道で培った計算能力をかわれて主計寮に異動し主計権助を務め、その後、官職を歴任し、位階は従四位下に昇ります
　さらに晴明の2人の息子安倍吉昌と安倍吉平が天文博士や陰陽助に任ぜられるなど、安倍氏は晴明一代の間に師である忠行の賀茂氏と並ぶ陰陽道の家としての地位を確立しました

　平安時代では、最先端の学問（呪術・科学）であった「天文道」や占いなどを、体系としてまとめた思想としての陰陽道に関して、卓越した知識を持った陰陽師ともいわれ、当時の朝廷や貴族たちの信頼を受け、その事跡は神秘化されて数多くの伝説的逸話を生んでいきます(小説やマンガ、映画などはこちらを基に作られている)
　
　平将門の子の平将国が安倍晴明ではないかという説や、あまりにも卓越した能力から　人と妖狐の混血である　という逸話も残されています