Nicotto Town


噛みました。……うれしくて。


俺小説 瀬木根ビオの憂鬱 プロローグの2

 高校入学後、一か月も経てばもはや新鮮味は無くなるもので、五月病とは言えないまでもそれなりの倦怠感というものを徐々に感じるようになった頃だった。
 それは不意な出来事だった。
 ガラリ、とドアを開け、担任教師が入ってきて、
「おはよう!昨日オーバーワールドのライブ見に行った人いないか?実は先生は大のオーバーファンでな……」
 誰も聞いてねー昼番組程度のアホらしい担任トークを始めたが、そんなことはどうでもいい!
 問題はその後だ。後背だ。
 髪の長い女子が後をついてきていた。
「そうそう、今日は転校生を紹介……」
「「「そっちの話が先だろうがっ!」」」
 生徒バッシング。
 こういうときの団結力って素晴らしい。
「……じゃあ、自己紹介して」
 ありきたりな方向にもっていくらしい。わかりやすくていい。
 そう言われてその女子は顔を上げ、黒板の前で胸を張り、こう言った。
「瀬木根ビオです。自己紹介をしろと言われたので自己紹介をします。自己紹介は苦手です。以上、自己紹介でした」
「ありきたりじゃない!」
 つっこんでしまった。

 瀬木根ビオは僕の後ろの席だった。
 何か陰謀めいたものを感じるぞ。もしくは作為だ。
 僕は振りかえって、瀬木根ビオを観察した。
 深い闇みたいな髪、深い闇みたいな目、深い闇みたいな心……おっと、偏見でものを言った悪い悪い。
 しかし美人である。転校生が美人というのはラブコメでは定番だが、しかしまぁここまでよく出来てる話ってのはそれこそ作為しか感じないぞ。これで性格が悪かったら完璧だ。
 と、考えていると、
「何見てんのよ」
「何だよその不機嫌そうな態度は」
「そんなにガン見されたら普通こんな態度になるでしょ!?」
 あーそうかそうか。
 僕はたまに美人が人間に見えないことがあるんだ。
 なんか美人って石像っぽくね?無機物っぽくね?
「ごめん、お前のこと無機物だと思ってた」
「は?喧嘩売ってんの?」
 あ、間違って口に出しちゃった。
「しかし気の強い女だなお前。よく出来てるよ」
「あんたこそ馴れ馴れしいわ。気持ち悪い。変態なの?」
 転校生はツンデレ。
 楽しくなってきた。
「毎日髪形が変わるのは宇宙人対策か?」
「まだ一日しか登校してないし!」
「中学校のグランドに真っ白な絵を描いたってのは本当か?」
「真っ赤な嘘!」
「全部の部活に仮入部するのか?」
「あたしはハルヒじゃない!」
 見ていたらしい。ストレートなつっこみで結構。
 でも惜しいなぁ……。似てるけどなぁ……。
「何か、あたしのキャラ無理やり固定させようとしてない?」
「効果は裏目に出たけどな」
 あんまりツンツンされても困るし。
 あ。
「さっきの自己紹介はどこまで本気なんだ?」
「ハルヒネタを引っ張るわね……」
「たまたまだ」
「まあいいわ。ええと、何だっけ?」
 記憶力悪いな。
「さっきの自己紹介はどこまで本気なのかと聞いたんだ」
「何よ、あんた宇宙人?」
「そんな自己紹介はしてなかっただろうが!」
 ハルヒネタを引っ張ってるのはお前だよ!
 ひと息。
「って言うか、あんたさ」
「ん?」
「名前」
「ああ、俺はジョン・スミs…」
「くどいわ」
「ごめん」
 名乗って無かったか。
「波坂だ」
「波坂くんね」
「社長と呼んでくれ」
「嫌」
 と、こんなふうに。
 僕と瀬木根は知りあったわけだが……。

「ギャルゲですか?」
「坂口。だからそういう発言は慎めと言っているんだ」
 設定をバラすな。いろんな意味で。
「しかし、面白い話で無いと言った割にはユニークではありませんか。その瀬木根さんという方も然り」
「ん、まあ初対面で結構仲良くはなったかな」
「え?よく聞こえませんでした。好感度がアップした、と言いました?」
「だからギャルゲじゃねーよ」
 あんまり同じネタばかり使うな。
「だからお前は甘いんだよ」
「反省します」
 もののわかる子でよろしい。
「ところで、波坂さん。その瀬木根さんという人のプロフィールについて、何か他に得た情報は無いのですか?」
「情報ー?」
 何かあったかな?
「休み時間にも少し話したんだが、大した話じゃなかったぞ」
「それでもいいです。聞かせてくださいっ!」
「何か、やけに気になってるな。そんなに興味があるのか?」
「ありますっ!この時期に転校生なんて絶対に怪しいわ!こんな変な時期に転校してくるヤツがいればそれはもう謎の転校生なのよ!なのですっ!」
「お前はどういうものの見方でどう瀬木根を見ているんだ!」
 キャラが混ざり過ぎて分からない!
「今は序盤だから、わたしのキャラなどどうなっても構いませんっ」
「潔い!」
「とにかく、話の続きをお願いしますっ!もう字数が足りませんよっ!」
 坂口は色々気の配れる良い奴だった。
 お陰で本文崩壊も甚だしい。
 わかったよ。
 あー、次は、休み時間の話か?

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退屈が俺を駆り立てる!
何してるんだろう俺!
(とりあえず続きました)

アバター
2010/03/20 13:41
スゴイッッッ!!!!

才能あるなぁ~

アバター
2010/03/20 13:28
デュラララ風に本のタイトル出してるな(´・ω・`)←
なおかつキョン目線的なハルヒという…って何が言いたいのか良く分からんようになってきt(ry
アバター
2010/03/20 10:25
小説、気に入りました!!!
続きが、すごく気になります。
これからも、読んでもいいですか?
アバター
2010/03/19 19:53
書くのお上手なのです~^^
思わず2回読んじゃったよ?うんwww
ボク、このみちゃん好みだぁbw

次回も書いてくれたら嬉しいなぁ・・・です!
アバター
2010/03/19 17:56
ぱちぱち~!!
おもしろぉいwすごいすご~いw

続きが気になるねっ★



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