【小説】連なる鎖04(end)
- カテゴリ:自作小説
- 2010/03/24 19:53:34
非行少女がいなくなり、檻で一人きりになった少女は、日記を閉じて考えていた。
実の父親である男を殺すときや、心配して家に来てくれた女子生徒を刺したときはあれほどまでに無情になれた少女は、今になって自分のしたことを理解し始めていた。
(私、は、父さんを、殺した・・・。暴力。外出を許さず。学校だって、行けなかった。宵、宵、って。部屋にずっと。ずっと、ずっと。辛くて。だから、殺そう、って。髪を切られた包丁。隠して、来るのを待って。ざくって、何度も。何度も。それから、自由になった。どこに行ったらいいか分からなくて、結局同じように、部屋にいて。音がして。出て。見たことある。でも、分からない人。友達、って。分からない。うるさい。だから、父を殺した、包丁で、同じように。・・・私は、人を二人、殺した・・・)
部屋に閉じ込められ、長いこと何も考えていなかったからか。
思考は途切れ途切れに、けれど自らの犯した罪ははっきりと。
少女は、自らが何をしたのかを、はっきりと自覚した。
「ぁ・・・ぁあ・・・うぁぁあぁああぁぁぁあぁあああああ!!!」
過ち。犯した罪。拭えない。消せない。自分は、取り返しのつかないことを、してしまったのだと。
罪が、過去が、襲ってくる。時を経て、真実を、父の思いを知った少女に、現実は非情なものだった。
苦しんでいた父。苦しみながら、それでも、育ててくれていた。妻と娘の区別ができなくなっても。その思いは、忘れずに。
「私、は・・・父さん、を・・・。ぁぁ・・・」
少女は周囲を気にすることなく、大声を上げて泣いた。
もう、流れ落ちる雫を拭おうとはしなかった。
涙が涸れ、声も掠れた頃。
少女はよろよろと、立ち上がって。
見張りにぼそぼそと告げ、トイレへ向かい。
そして。
その後、少女が自らの力でそこから出てくることは、なかった。
中々戻ってこない少女を見に来た見張りが目にしたのは、顔を青くし、倒れている少女の姿だった。
息は、していなかった。既に手遅れになっていた。
死因は、舌を噛み切ろうとしたことによる、窒息死だった。
取り調べから戻ってきた非行少女は、数刻前まで会話をしていたはずの少女の静かな姿に驚愕し、そして、瞳に大粒の涙を流した。
ばかやろう、何で自殺なんてしたんだ、と、出会ったばかりの少女の死を悲しんだ。
一方、少女の死を聞いた叔母は、そうですか、分かりました、と電話を切り。
そうして、静かに。嗤った。
end.
***
ここまでお付き合いいただいた方、感謝ですー
これはリアルの文芸部の方で書いていたものでして、
昨日死ぬ気で書き上げたものです←
切羽詰まりすぎて自分でもちょっとなーとか思ってるんですが←←
何か感想&品評あればどうぞー!
グロくないのは同意ですが
これ暗さ以外ないと思われ^p^
普段どんな小説読んでんだよwwww
感想あざます!
文芸部の先輩には暗いけどそこまでグロでもないよねって言われたww
あれか、きっと先輩はもっとグロいものをたくさん読んでるのか!←
文芸部は間に合ったさー
死ぬかと思った!^p^たひ
夕を宵と でも 夕と宵と でもなく
夕を宵を になってたっていう←たひ
誤字のまま部誌作っちゃったけどいいよね!←よくない
ばかやろうは俺の口癖です←
なんとか文芸部間に合ったのか・・・よかったよかった。
あ、一箇所。3話か2話で「夕と宵と書くようになっていた」じゃなくて「夕を宵と書くようになっていた」だと思うです。
非行少女の最後の「ばかやろう」が心に染みました。
うーむ・・・遠子先輩風に言うと、絞りたてのブラックコーヒーを飲んでいるような感じですかね?苦い、でも自然のまんまだ、みたいな感じです。(参考にしないでくださいスルーすることを推奨します)
これからもこんな小説期待しています!