ニュース:ミカン130本を小学校に植え所有権主張
- カテゴリ:ニュース
- 2010/03/26 00:26:12
※ 今回は米兵問題の時みたいな、小難しいお話です。
ニュース、というか報道の責任って大きいなと改めて感じさせられます。
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ミカン130本を小学校に植え「所有権」主張
宮崎県日向市の同市立幸脇小学校(島田尚人校長、22人)の運動場に、
無断でミカンの苗木約130本が植えられていることがわかった。
市教委によると、植えたのは運動場内の土地の所有権を主張する近所の男性。
25日に卒業式を行うが、運動場が使えない事態となっており、
市教委は「早急に元に戻してほしい」と憤慨している。
市教委や学校によると、20日午前10時頃、教頭が登校したところ、
男性ら4人が運動場に重機で穴を掘り、苗を植えていた。
注意する一方、男性らが作業を続けたため、教頭が市教委や県警へ連絡。
しかし、男性らは署員の説得も聞かず、約120本を植えた。
22日にも約10本を植え、植えられた範囲は運動場の約半分に及んでいる。
男性は1987年頃から、父親名義の土地が運動場内にあると主張し、
市教委に買い取りを求めていたという。
運動場の土地の一部は所有権が登記されていないが、河埜和夫・市教委教育部長は
「土地買収に関する記録が見つかり、買収は確認できた」と説明。
「男性がなぜこんなことをしたのか、分からない」と話している。
(2010年3月24日21時49分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100324-OYT1T00999.htm
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このニュース、一見すると、所有権主張の男性が異常で横暴、
学校(市教委)側が被害者のように読み取れます。
ですが、事実はどうも違う…というか、正確ではないようです。
(以降はTV「報道ステーション」のニュースが正しいことを前提に書きます。)
どうやら元々、男性の「父親名義の土地」が買収前にそこに有ったのは事実のようで。
また、買収が事実であったとしても、所有権の登記移行(個人→市教委)が
公式書類上では反映されていなかったそうな。
しかも男性側は、この「土地所有」について現在もお役所から税金を請求されており、
未払いの場合は財産差し押さえをするとまで宣告されていたそうです。
土地が自分のものじゃない(市教委のものである)ならば、
なんで税金を請求されるんでしょうね?
更にその上、民法にはこの男性にとって非常に不利な条文があります。
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第162条(所有権の取得時効)
20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、
その所有権を取得する。
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10年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、
その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、
その所有権を取得する。
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つまり、例えば「ミカンを植える」等の明確な占有地主張をしなかったら、
それは相手側が「平穏に占有」していたとみなされ、曖昧だった土地所有権まで
市教委(学校)に完全に取られちゃうことになります。
下手をすればこの男性は子々孫々、文字通り永久に、
「所有地でない土地」の税金を払わされ続けることになります。
「男性がなぜこんなことをしたのか、分からない」どころの話じゃありません。
充分、理解可能な範囲です。平穏じゃダメだったんですから。
ある種の正当防衛といっていいでしょう。
私は、所有地として税金を請求されていることこそ
その土地が男性の所有地であることの公式証明であるような気がしますけどね。
少なくとも、「学校/教育だから」とか、「通ってる子供が可哀相だから」とかで
簡単に済まされる問題じゃありません。
そんなのは、言い方は悪いですが、子供を盾にして人質取りつつ
同情票を狙ってるだけです。いわゆる「思うツボ」ってやつで。
報道の印象で受け止め方は変わるもの。
まずは正確に、そして何より公平に、伝えて欲しいものです。
よそさまの足跡からきました。
なるほど、そんな裏事情があったんですか~。
だから、真実は一つではないというんですね・・・。
私は夕方のニュースでさらっと聞き流していただけなんで
男性側に一方的な非があるのかと思っていました。
報道にかぎらず、両者の言い分をきちんと聞くことが大切ですよね