透明な彼女 3
- カテゴリ:自作小説
- 2010/03/30 14:37:38
目を伏せて、恐る恐るそう告白。
「なにしたの?」
亮太は少し低い声で言った。やっぱり約束破ったから怒っちゃったか。お母さんのことで大ダメージを受けていたのに、更に傷が増える。罪悪感で胸が痛んだ。
「外に出たくて部屋から出ちゃった。そしたら亮太のお母さんとすれ違って、挨拶したんだけど無視されたの。それでショックで、すぐに部屋に戻ったよ」
包み隠さず全てを伝える。怒っていると思うと怖くて仕方なかった。けれどそんな私の予想は外れ、亮太は小さく「そっか」と呟いた。
「ごめんね」
怒らないことで逆に不安が増殖してしまい、再度謝ると笑われた。屈託のない彼の笑顔に傷が癒えたのは言うまでもない。
「もう、限界だな」
亮太が言った。私がどういう意味かを尋ねる前に、遮ぎるように亮太が言った。
「そうだ結衣、明日デートしよう」「デート?」
本当にいきなりの提案だった。今まで部屋から出ることさえ許してくれなかったのに、デートに連れていってもらえるの? 疑問には思ったけど、嬉しさの方が勝っていて、それを尋ねることはしなかった。
「うん。行きたいところがあるから一緒に行こうか」「やったぁ!」
私は少々大袈裟に喜んだ。亮太も笑っていた。だけど、やっぱり悲しい顔だった。それは私が今まで見てきた亮太の顔で、一番切ない顔だったと思う。
どうしていつもそんな顔をするんだろう。私は亮太が好きだから心配だよ。
「え?」
いつの間にか私は、そんな思いを言葉にしてしまっていたようだ。亮太は驚いた後、俯いてしまった。そんな、困らせるつもりはなかったのに。
「あ、ごめ」
「違う。謝らないでいいから。そうだよ俺、悲しいんだよ」
とても弱い声。ふと亮太を見ると、その頬には涙がつたっていた。どうして泣いてるの。心配で心配で、私まで悲しくなってきた。
「どうしたの亮太。大丈夫?」
「結衣っ」
亮太は泣きながらそっと私を抱きしめた。私は泣いている訳を聞きたかったけど、あえて黙って抱きしめた。そうしているうちに、二人はいつの間にか眠りにつき、朝を迎える。
太陽の日差しがカーテンの隙間から射しこみ、私は目を瞬かせた。朝がやってきたんだ。今日は亮太がデートに連れていってくれる。それを考えただけど胸の高鳴りが止まらなくなった。
「亮太、起きて! もう朝だよ!」
楽しみすぎて、まだ寝ていた亮太を無理やり起こす。「うーん」と唸りながら寝返りをうつ彼の背中を強く揺さぶった。
「結衣、そんなにはしゃぐなって」
私の激しいモーニングコールに負け、ゆっくりと起き上がった亮太はそう言って笑った。その顔にはいつもの笑顔が戻っていた。どうやら吹っ切れた様子。良かった。亮太が笑ってくれて。
「支度しようか」
「うん!」
私たちはそれぞれ支度をして、出かける準備は万端だった。どこに行くかは亮太が教えてくれず、聞いたら「内緒」と笑みで返された。内緒は内緒で楽しみだな。
「母さん、出かけてくる」
「いってらっしゃい」
亮太はリビングにいたお母さんに声をかけ、玄関に向かった。私も一応会釈をしたんだけど、やっぱり無視されてしまった。無視って辛い。何だか自分が透明になってしまった気分。
「気にしなくていいから。行こう」
そんな私の気持ちを悟ってくれたのか、亮太は手を握って強引に外へ連れ出してくれた。そして私は久しぶりに外の空気を吸う。やっぱり気持ちが良い。今までこんな風に感じたことなんてなかったな。
「ねぇ、どこに行くの?」
「黙ってついてこいって」
亮太は相変わらずそう言った。でもね、私は歩いている景色に見覚えがあって、向かっている場所が思い当たってしまっているんだ。もし本当にそこに行くのだとしたら、亮太は一体何を考えているんだろう。
「ここだよ」
亮太は立ち止った。そこはやっぱり思っていた通り、私の家だった。
「どうして?」
そう尋ねてみても、亮太は答えてはくれなかった。黙ってインターホンを鳴らす。家の中から足音が聞こえてきて、母さんが顔をだした。
「亮太君……」
「おはようございます。結衣に、会いにきました」
私に会いにきたってどういうこと? 首を傾げて亮太の服の裾を掴む。だけど振り向いてはくれない。
.
会いにきたって!?ここに結衣いんのに・・・
結衣cって、2人いるのー!?
なんだ、なんだ!?気になるー
でも、もう落ちるから、
ここでとめてー))黙
いあ、続けてーゥチゎもう
見れなくなるけど、ラン様が
楽しみにしてるー
それと今夜から東京いくからINできない..