好きな詩 Ⅱ
- カテゴリ:日記
- 2010/04/09 00:41:32
大阪の亀 やなせ たかし
大阪生まれの亀が
長い旅をしていたん
ある日嵐に吹き飛ばされて
亀は川におしながされたん
大阪生まれの亀は
木ぎれにつかまって つぶやいてたん
カメへん カメへん
そのうち嵐かておわるやろ
あわててもしかたがないやんか
大阪生まれの亀が
長い旅をしていたん
赤い乾いた砂漠の中で
亀はのどがからからだったん
大阪生まれの亀は
それでもまけずに つぶやいてたん
カメへん カメへん
そのうち砂漠かて雨がふる
あわててもしかたがないやんか
大阪生まれの亀が
長い旅をしていたん
ひどい病気で熱がたこうて
亀のこうらはひびわれてしもた
大阪生まれの亀は
かすれたこごえで つぶやいてたん
カメへん カメへん
そのうち病気かてなおるやろ
あわててもしかたがないやんか
悩んでも仕方なとき
悔やんでも仕方ないとき
自分を取り戻し冷静になりたいとき
自分を支えてくれて
ユーモアとともに心の時間を取り戻してくれる
大好きな詩です。
気に入っていただけてうれしいです。
亀になりきれませんが、
カメへん、カメへん、とつぶやくだけでも気が楽になります。