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僕に おへそがない 26

生命が不可逆的に止まる。
肉体がもとの状態に戻れずに生命活動が止まってしまうこと、それは人間の死を意味します。
故意に他人をこの状態にもっていくことは、もっとも重い犯罪とされています。
しかし戦争という大義名分の元に、人間は簡単に消されていきます。
ある組織が自分達の社会を守るという理由で、誰にも分からないように他の社会の重要人物を秘密に抹殺することを国レベルで行い合っている時代が来ているのでした。

リサ先生は、僕のお父さんが遺伝子操作によって僕を優秀な秘密諜報員にするために、おかあさんの卵子に操作を行ったことを僕に伝えました。
僕はお父さんに裏切られたような気がして、気持ちがバラバラになってしまいました。

「ゴミト君、落ち込んだ? それはそうだわね。お父さんにそんなことされて、それも失敗でお腹のオエソが消えてしまったのだもの」
リサ先生は、僕の顔を上目ずかいでチラッと見てからエアコンに顔を向け、その風を顔にあてていました。
リサ先生は僕の家庭教師を名乗って僕に接近し、僕をある組織の活動に参加させようとしていました。
「先生、僕はこれからどうすればいいのかわからないです」
「いい、これからは私の言うことを聞いて行動すればいいの」
僕は今リサ先生の言葉を信じるしかないなと、思い始めていました。
「ゴミト君に携帯を預けるわ」
リサ先生はショルダーバックから携帯電話を取り出すと、僕にそれを渡しました。
僕はそれを手にしてじっくりと眺めまわしました。
僕には、普通の携帯電話のように思へました。
「その携帯は普通のように見えるけど、機能が高い携帯なの。だから大事にしてね。絶対になくさないように」
「はい、わかりました」
「これからゴミト君への連絡はそれでするから。私に連絡をしたい時もそれを使うといいわ。二人を結ぶ大切なものだから、くれぐれも大切に。わかった」
リサ先生は何度も携帯を大切にするように僕に言いながら、その使い方を教えてくれました。
先生への連絡の方法は、あるボタンを押してリサ先生の名前を出し発信すればいいので簡単でしたが、その他の機能は少し難しくすぐに覚えられませんでした。
本当のスパイ映画にでてくるような携帯で、いろんな機能がこの小さな薄い携帯に装備されていました。
おかさんに見つかるとやばいので、リサ先生はおかあさんには家庭教師の派遣会社からの借り物だと説明するように教えてくれました。
僕はなんだかワクワクするのと同時に、最後の先生の真剣な言葉で大きな不安に包まれました。
「ゴミト君、このことは誰にも話したらだめよ。もしも誰かにばれたら、君の生命に危険がおよぶかも知れないから」
この先生の言葉がいつまでも僕の頭に残り、先生の真剣な顔といっしょに何度も思いだされることになるのでした。

「ゴミト君、今日はこれで帰るから」
「ええ、もう帰られるのですか」
「そう、君にもっと説明しなければならない事いっぱいあるけど。時間だから。誰かに怪しまれる行動が一番危ないの」
「誰かが、僕たちのこと見ているのですか?」
「それはまだ分からないけど。誰かにもう監視されているかも」
「僕はどうすればいいのかわかりません」
「今までと同じようにするのよ。いい、変な事は絶対にしないよう。普通にするのよ。普通に」
「でも、僕にできるかな」
「できるできないの問題じゃないの。絶対に普通にするの。命がかかってるかもしれないのよ」
リサ先生のするどい僕を見る視線に、思わず僕は先生の顔から視線をはずし下を見てしまいました。
僕は泣きだしそうになっていました。
楽しい遊園地で迷子になった気持ちでした。
周りは知らないヒトばかりで、何処へ行けばいいのかどうして帰ればいいのか分からない、孤独と不安に包まれた迷子のようでした。
「ああそれから、私の仲間がゴミト君を遠くから監視してくれているから安心しなさい。何かあった時は君を助けに来てくれるはずよ」
「ほんとうですか」
「ほんとうよ。何かあったら、携帯ででも私に必ず連絡するのよ」
「分かりました」
僕は大人の気休めかもしれないリサ先生の言葉に、少し安心感を覚えました。
『仲間が僕に何かが起こったら、僕より先に連絡するはずだから僕が連絡する必要がないはずなのに』
僕は心のなかでそう思いましたが、口に出しませんでした。
リサ先生は玄関で髪をかき上げ野球帽をかぶりました。
「じゃ、また」
先生は笑顔でそう言うと外に出て、ドアを閉めました。
一人になった僕は、玄関でひとり立ちすくんでいました。


#日記広場:自作小説

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2010/05/04 10:43
(。・・)ノ ヘェー
食べ物が女性なんだぁ
って事は紐ですかぁ?w
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2010/04/30 01:52
らてぃあさんありがとう
つぎの展開まだ考えてません
ゴミトとおかあさんの会話になると思います
お風呂にまたいしょに入るかも。です
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2010/04/29 23:53
リサ先生は一旦退場ですか。
ちょっと残念、でも主人公がどうなるのかも楽しみです。
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2010/04/29 21:19
藍姫さんコメントありがとう
ゴミトは遺伝子操作によって普通のヒトより
洞察力と認知力が高めになっているため簡単な未来を予測できます
本人はそのことにまだ気付いていません
リサ先生の組織はそのゴミトの超能力を必要としているのです
話の筋書きを考えるのに時間がかかっています
藍姫さんのように早く書けません
気長にお付き合いよろしく

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2010/04/29 20:58
先生もおへそがないって事は、ゴミトと同じ組織で作られたんですよねぇ~。
どちらにしても、大人達は中学生のゴミトに何をさせようとしているのでしょう。
どこかの国では この手の事を普通にしていそうで、リアルに怖くなりますね ^^;
続きが気になります ^^



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