新幹線に乗った時の事である。

名古屋の海外教育支援事業部会に出席する為、
ＪＲ掛川駅から新幹線に乗った。

出来れば一回くらい「のぞみ」に乗りたかったのだが、
掛川駅には「ひかり」も止まらないので仕方がない。
つまり「のぞみは無い」という事だ。

・・・すまん、つまらん駄洒落だ。


新幹線の座席を少しリクライニングした時だった、

「バニラアイスは如何ですかぁ～」と、
アイスクリーム売りのお姉さんがやってきた。

「バニラアイス」と明言していのだから、バニラしか無いのだろうなと思いながら、
今年は天候不順で肌寒い日が多いのでアイスなど売れるのか？と
見るとビジネスマンばかり。

さすがにこんな客層ではアイスは売れず、案の定、
バニラを売るお姉さんは、誰にも呼び止められる事無く、
それでも律儀に振り返って一礼をして、次の車両に去っていった。


「温かいコーヒーは如何ですかぁ～」

その後「すかさず登場」したのがコーヒー売りのお姉さんである。
このお姉さんは殆どの人が呼びとめてコーヒーを買っていた、
私の所へ来る前にコーヒーが無くなってしまうのでは？と、
心配になるくらい売れていた。

考えてみると、さっきのアイス売りのお姉さんは、このコーヒーを
売るための「布石」？と思えて来たくらいである。

アイスの時は「そんなもの食べるかい」と思わせて、
つづいて真打ちコーヒー売りのお姉さんの登場。
コーヒー好きの私で無くとも注文してしまうという寸法である。

するってーと１つも売れなかったバニラアイス売りのお姉さんは、
振り返って一礼をした時に、本当は

「おまいら、このあとコーヒーを買いやがれ、けけけ」

とか思っていたに違いないのである。

そう考えるとちょっと悔しいが、コーヒー売りのお姉さんが来たので
「すいません、コーヒーください」と言って、
お釣りの無いように３００円を渡すのであった。


前置きが長くなってしまったが、事件はそのあとすぐに起こった。



というか私が起こした。　(〃▽〃)ゞ



コーヒーで温められたので、腸の蠕動運動(ぜんどう・うんどう)が
活発になったせいで、無性にオナラがしたくなったのだ。

我慢しようとも思ったが、以前何かの本で「オナラは我慢すると
ガスが腸に吸収されて出なくなるが、身体には良くない」
と書いてあったのを思いだした。

客車を出てすれば良いものを、
面倒なのでその場で片尻上げてスカシてしまった。スマン。


「オナラには、ブゥー・スゥー・ピィーの三種有り、
ブゥーは音有り匂い無し、スゥーは音無し臭い有り、
ピィーは実（み）の出るおそれ有り」

という名言があるが（あるのか？）、
時間にして２秒足らずのスカシたオナラは、
スゥーっと出たにも関わらず自分でも驚くほどの臭いであった。

私の前の席の人は、何気なく窓際に掛けてあった背広を持って、
そそくさと車両を出ていった。

いかん！反対側の席の人も、ｷｮﾛｷｮﾛ辺りを見回している。

こりゃ後ろの席の人などは完全に気がついているだろうと、
外の景色を見るフリをして、窓ガラスに写る後ろの席の様子を伺った。

サラリーマンであろう彼は、不幸にも弁当を食べている最中で、
幕の内に入っているシュウマイの匂いが変なのかと、
執ようにシュウマイをクンクンしている。


私は挙動不審にならない様に荷物を持って、車両を移動した。


自動ドアが閉まる際に振り返ると、後ろの席の人は幕の内の
シュウマイの匂いを、まだ嗅いでいた。


すまん、悪いのはそのシュウマイでは無く、私だ。ゆるしてくれ。


しかし車両が満員で無かったのが、せめてもの救いであった。
（おいおい誰にとっての救いなんだ）


しかし人のオナラでもこんなに臭いのに、
オナラ世界一と言われるスカンクはどうなんだろう。

先日もカナダの知人から、家の近所にスカンクがいて猫が
追い回す為に毎晩の様に臭いが風に乗って窓から入って来るという話
だったがスカンク自身は臭くないのだろうか。
　
隣の車両に移動してノートＰＣで調べてみたら、
なんと、スカンク自身も臭いそうだ。

気を失う程では無いらしいが、「かなり我慢している」らしい。
だからちゃんと尻を風下へ向けて肛門線から分泌するそうだ、
自分の武器にやられてヘロヘロしてたのでは洒落にならんからな。


自分の武器でやられてしまうといえば、毒蛇はどうなのだろうか？


毒蛇の毒は人間の命を奪う程の武器である。
毒蛇が自分を噛んで自殺したという話しは聞いた事は無いが、
調べたら自殺できるヘビがいた。それは毒蛇の王者コブラさんだ。

毒が強すぎる為に同じコブラ同士でも、その毒に耐えきれないという。
つまり自分の毒で自殺出来る可能性があるという事だ。


ちなみにハブやマムシはというと、ハブ同士、マムシ同士では
同種の免疫を持っているので致命的では無いということである。

もちろんマムシがハブに噛まれたら、死んでしまうそうだ。


そんなこんなで名古屋駅に着いた私は、

お昼には「味噌カツ定食」にしよう、と決めたのであった。

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