はやぶさ君。
- カテゴリ:日記
- 2010/06/14 17:52:07
実は私は宇宙工学が好きです。
はやぶさリエントリ動画(2:59頃から再突入が目視できます)
http://www.ustream.tv/recorded/7634995
突入時の朝日新聞の写真
http://www.asahi.com/photonews/TKY201006130193.html
はやぶさが最後に撮影した写真
http://twitpic.com/1wh78q
「はやぶさが燃え尽きた後になって、観測室にデータが届いた。 撮影の段階ではやぶさは燃え始めていたはずで、なぜこのような画像を送れたのか信じられません(関係者)」
以下、長いよ注意!
どうして知らないものを知りたいと思うのだろう。
どうして行ったことのない場所へ行きたいと思うのだろう。
まだこの地球にも、日本にも行ったことのない場所や知らないことは溢れているのに、それでも宇宙にひきつけられてしまう。
アポロ計画。ペンシルロケット。H-IIA。M-V。
はやぶさは、7年前、当時の日本の技術の粋を詰め込んで宇宙へ飛び立った。
目的は、小惑星イトカワの砂を採取すること。
地球などの惑星は、惑星として形作られた時に変性してしまって起源を知ることはできない。
地球やこの銀河系の起源を知る為に、変性しないでその当時のまま残っている小惑星のサンプルを解析することが必要で、その対象が小惑星イトカワだった。
(*小惑星イトカワ 火星と木星の間にある小惑星帯に存在する小惑星の一つ。
イトカワの公転軌道がずれている為、地球からどれだけ離れているかは言いづらいです…)
他にも、イオンエンジンの実証、月より遠い天体を往復すること、地球スイングバイの実証など
実験機として様々なデータを得ることも目的であった。
(*地球スイングバイ…地球の重力を利用し、燃料をほとんど使わずに加速や減速、軌道の変更をする技術)
もし人類が将来宇宙へ行きたいと願うなら、はやぶさの実証はなくてはならない一歩だった。
結果として、はやぶさは当初の予定より3年遅れて地球へ帰還し、大気に散った。
はやぶさが守ったデータとカプセルは、無事オーストラリアの予定地誤差1km圏内に着地。
この中にイトカワのサンプルが含まれていなくても、はやぶさ打ち上げから再突入までには膨大な量の工学的データ、宝物がある。
決して無駄ではなく、次につなげなければならない。
実験実証機であるはやぶさを受けて、はやぶさ2で更なる一歩を踏み出さなければならない。
宇宙科学への予算は削られる一方で、はやぶさ2への助成は3000万円しか出ないと聞く。
http://www.yomiuri.co.jp/space/news2/20100614-OYT1T00192.htm
確かに現在の状況は厳しい。しかし、目先へパッチを当てるばかりで数年先の未来を作れないなら、宇宙分野は数十年遅れてしまうことになるのではないか。
はやぶさの経緯や数々のトラブル、それを一つひとつ乗り越えて行ったはやぶさの自律系とJAXAの技術者たちのことを語りたいなぁと思いながら
やっぱりまだまとめることは難しい。
なんだか、涙が止まらないのです。
はやぶさを擬人化してもしなくても、感情移入はしてしまうし、技術者たちの高い技術、思いに感動しないわけがない。
私も宇宙へ行きたかったな。
最後に、twitterで公開されていた漫画を。
(注意:はやぶさ君が擬人化されています)
http://livedoor.2.blogimg.jp/hamusoku/imgs/3/5/35934c40.png
オ カ エ リ ナ サ ト
カプセルからなんかすごいもの(生物の元とか寄生体とか)が出てきたりとか、悪い予想もしちゃったりしますが、スペースシャトル世代からは、次代へ励ましを贈りたいものです。
はやぶさの開発費が幾らだったかご存知でしょうか。それでも少なく技術者は大変苦労しました。
はやぶさの開発費とはやぶさ2への国からの予算(予定)という別次元の金額で比べてしまうならば、
はやぶさ2の金額ははやぶさの400分の1しかありません。
確かに工夫で良いものは生まれるでしょうが、限度はあります。浪漫さえ生めないのではないでしょうか。
>>れおポンさん
父とは長いこと会っていないのですが、突然連絡が来てそう聞かされ、とても驚きました。
帆船って風上へ進むものだと思っていましたが、調べてみたら船によって違うのですね。
私は未だに、目に見えない小さなイオンを使ってその反作用で推進力を得るというのが信じがたいです。
真空中だから可能なことなのですね。
私は現在大学で宇宙研の方の講義を受講していて、ロケットの歴史やはやぶさのことなどを教えて戴き、
貴重な映像を観たりお話しを伺ったりしています。とても興味深く、楽しいです。
海の帆船は、海の応力があるから、向かい風でも帆の角度を適切につければ船は動きますが、宇宙では、全体としての粒子の流れに乗ってゆくだけなので、帆が主動力になるとは思えません。
やっぱり、帆も太陽電池としての利用が主体なのだろうか。
動きとしては熱気球と同じようなものだから、飛行船みたいなことになるのかな。
地球の基本的な気流の向きにあわせて航路を考えれば、世界一周も楽にできる。みたいなことか。
ちなみに、「光子帆船」って、僕が言いたいだけです。
イオンエンジンの燃料系コンセプトモデル図面
ぬぬぬぬぬ!!!
あちこちいらしてるのですね。
内之浦などでの打ち上げも観てみたいです。
>>イカロスさん
その自律、自己修復は難しいところですねー。
イカロス君はご存知ですか? 彼が自分撮りをした写真が公開されています。
http://bit.ly/duwBTh
>>ガレッキーさん
どうしても莫大なお金がかかりますし、宇宙計画と兵器利用って紙一重なところもありますし…。
ハッブルの番組、2~3ヶ月ほど前にNHKで観たのですが、やっぱり泣いてしまいました。
ハッブル計画は新しい鏡を得て存続するようで嬉しく思っています。
浪漫ですよね! なんだかどきどきしますよね!!
全然違うけどハッブルの時も相当もめたし^^;
宇宙は浪漫やから、そこにお金かけるのは大事な事やと思うけどなーw^^
バーナード星ではなくケンタウルスα星の周回軌道に乗せて
太陽電池で観測させたらすごいなぁ
完全自律型で自己修復もできないと無理だろうけど
宇宙関連・・・今の政権はあまり重要視していないようですが・・・
きっとこうした技術の発展は・・・
応用が利くであろうし。。。
もっと国民に関心持たれるようになるといいっすね。。。
その中に「はやぶさ君に搭載されたイオンエンジンの燃料系コンセプトモデル図面を
初めて引いたのは15年以上前の私です」という一文があり、
尊敬していた父に更に特別な思いを抱きました。
>>晴紀さん
そうですね、はやぶさはトラブルさえなければ別の任務に就く予定でしたが、
今回自分も大気圏に突入することで最後の仕事をやり遂げ、
結果としてたくさんの人の記憶に残ることができました。
麻生政権では17億円あった概算要求が、民主党政権で3000万円まで削られました。
厳しい現状ですが、未来へ投資することをやめてはいけないと考えています。
>>カインさん
理由は解らないですが、ちっちゃい頃から宇宙好きです。
"せちやん"という本、読みたい本リストに入れました。今度探してみます。
JAXA関連のお仕事!
とってもシビアだと思いますが、未来につながる素敵なお仕事だと思います。
私も楽しみにしていますので、その際には教えて下さい。
ちょうど今”せちやん”-星を聴く人-という本を読んでいるので、
「はやぶさ」の話題には興味があります。
仕事でもJAXA関連の仕事が入りそうで、楽しみにしているんです。
また、使命を全う出来る様に造りこんだ当時の技術者諸氏の努力に、感動を覚えます。予定通りとは云えないまでも、帰還出来た事に感激しました。
(燃え尽きて、守る物を守った姿に、太平洋戦争の"特攻隊"を重ねている自分は、一寸変かも知れません。)
今、此の国を動かそうとしている、国会議員の中にどれ程、此の様な姿勢の人物が居るかは判りませんが、未知の物を探求する為には、地球規模の思考では恐らく答えは見つからないでしょう。技術開発費を惜しむ様な国では、絶対成しえない事とも思います。近い将来に向けて、努力されて居る、学生諸君には厳しい時期だはありますが、自分たちの手で未来を掴むよう、日々精進して下さい。
最後に、「はやぶさ君」に、御疲れ様と声を掛けて、終わります。
はやぶさが撮影した最期の写真、素敵ですね。
途切れているところも含めて(というよりそこが大きな意味の一つ)1枚の写真だと思います。
イオンエンジンが非常に有用であり、少ないキセノンガスで大きな推力を得られた。
4基のうち1基は予備で、1基は打ち上げ直後に不良となり、2基で十分に稼動できた。
確かに、残る2基も不良となった時に3基の使える部分を組み替えて…というのは、はやぶさ自身が物理的にすることは不可能で、回路の問題なのだと思います。
(話はずれますがR2-D2はうんとうんと未来の話ですね。彼には感情もありそうですし)
姿勢制御のリアクションホイール3基のうちX軸とY軸の2基が故障した際に、Z軸と化学エンジンの噴射で制御したというのも回路の部分で、高度な自律系があったからなのでしょう。
部品の一つひとつが、何重にも有事の際を考えて作られているのでしょう。
打ち上げには莫大なお金がかかります。
何回も飛ばして何回もデータを取れたら、そんなことはあまり考えなくても…少なくとも、7年稼動できる機体を想定しなくても済むはずです。
はやぶさは当初の予定を超えて7年の間宇宙空間の過酷な環境にさらされた為、別のミッションに赴くことはできませんでしたが、再突入のデータを残すことができました。
そして、「はやぶさっていうのがいるらしい」「きれいだった」というところから、人々の関心を得ることができました。
例えばF1のレースから得られるデータが一般人の乗る自動車に役立てられるように、
はやぶさの工学的なデータが私たちの暮らしに役立てられる、と言っても、ぴんとこないかも知れません。
しかしこれが宇宙旅行の一歩と言うなら、解りやすく一般に受け容れられるかも知れません。
何より、宇宙はこんなにどきどきする。
未来の技術。過去を知ること。知らない場所。誰も行ったことのない遠く。
宇宙研の科学者も、図面を引いた人、ロケットを組み立てた人も、いずれは代替わりします。
子供たちに是非知ってもらいたい話だと思いました。
はやぶさは、打ち上げてすぐ後から、何度も何度も「もう無理だ」と感じたのに、結局、ちゃんと帰って来た。
7年間も動作した。
ものすごく感動するのだけれども、あえて冷静に考えると、設計の基本的な思想が優れているのだはないかと思う。
でも、残念ながら、あまり技術解説を見かけることがないので、何とも言えないけど。
僕は簡単なことしか想像できないけれど、はやぶさが帰って来れた要点は二つあると思う。
一つには、イオンエンジンだったこと。
化学燃料では、多くの燃料を持たなければならないが、イオンエンジンは、運動エネルギーを電力から得られる。
ポテンシャルエネルギーとして液化ガスかなにか用意しなければならないが、化学燃料と比べれば、少量だ。
そのおかげで、長期運用に必要な物資が少なくて済んだし、スケジュールの長期化にも対応できた。
もう一つも、イオンエンジンがかなめなのだが、イオンエンジンが電力主体の機械だと言うことが重要だと思う。
なんども故障しているのに、可動し続けたという奇跡のような出来事も、イオンエンジンが「電気回路」が主体の構造だからだと思う。
「歯車」のような機械では、壊れたら、自立的な修理できない。機械は機械自身を修理できない。
ところが、ニュースなどを読むと、はやぶさは「壊れていない部品を組み替えて」動かしたことになっている。
そんなことができるとしたら、電気回路の部分だ。
イオンを噴出する機械構造が壊れていたら、修理できるはずが無い。
複数の回路を、相互に接続が切り替えられる設計になっていた。
そういうことだと思う。
要所要所でポートのようなものが用意してあって、接続が切り替えられる。
コントロール系のコンピュータから、多くの機材の接続が制御できるようになっていた。
基本設計の初期から、修理できない宇宙空間での自立的運用を想定していた。
その設計思想が偉かったと思う。
機械も、物体としての構造ではなくて、それを作った思想こそが命だと思う。
いろんな思いを込めて、いろんな困難を乗り越えて、諦めずに全うする姿には涙が出ます。
はやぶさだけで終わらせてはいけないと強く感じています。
第二、第三のはやぶさを、そしてもっと遠くへ行けるように。
>>微笑街8号さん
つくばには足を踏み入れたこともないのですが、相模原には行ったことがあります。
子供たちに行ってほしい場所だと思います。
つくばにも行ってみたいです。
私は楽しめました。
正しい手順を積めばどんな困難も乗り越えられる
そして信じて諦めないこと
はやぶさは努力と夢と希望をくれた
私たちは後世に語り継がなければいけない