Nicotto Town



ポルシェ使いになる


新聞でポルシェの宣伝を見た。

「…休日になると父が走らせた青いポルシェ。その助手席が、幼い私の指定席だった。満面の笑みを浮かべてハンドルを握る父の車に乗ることが、何よりうれしかった。…やがて車に興味を持つ年頃になって、父のポルシェが1973年生まれの911だと知った。…」

 

「これは私。」本当にそう思える。

私がポルシェに憧れたのは、幼い頃の体験。

父の車は、伝説の73カレラRSだったら宣伝と同じだけれども、今の知識で記憶を辿れば、私が乗ったのは964型、その後の993型ははっきりと覚えている。

カレラRS300PSは当時最強と良く言っていた。

私が乗る時は、助手席にクッションを両脇と背中に置いてシートベルトをしっかりと締めないと走りださなかった。

でも、そうしないと体がどこに行くか分からないから、そうするのが当然と思っていた。

 

だから、ジェットコースターで悲鳴を上げる中で、私は笑っていられた。

そう、父が時々魅せる走りはジェットコースター以上だった。

 

ある時、父のポルシェ仲間から凄い話を聞かされた。

それは

走り屋の中では当時有名だった黒いGTR、レースでは最強と言われたR32GTR

スーパーカーキラーといわれたのは、首都高で、フェラーリ、ランボなどのスポーツカーをあざ笑うように抜き去っていく黒いR32GTR

ポルシェも例外ではなく、父の仲間のポルシェ乗り達が軒並み餌食になっているというある時、走行会の帰り、首都高を連なって走る4台の911

全て当時新型だった993型のポルシェ。その後ろから黒い影が迫ってくる。

ペースを上げる911軍団にパッシングを浴びせると911軍団は次々と走行車線に。

先頭のターボモデルは最後まで頑張ったが、カーブの続く首都高ではパワーだけではどうにもならない。

やむなく走行車線に。その横をあざ笑うかのように黒いR32GTRがすり抜けていく。

悔しさ一杯のポルシェ乗りは見た。もう1台の黒い影が少し間をおいてすり抜けていく。

それは、軍団の最後尾を走っていた私の父の993カレラRS

次のカーブで2台は短いブレーキの後、ドリフトして横向きに見えるGTR。その後ろの993はそれ程の姿勢変化は見せないものの確実に差を詰めていく。

やがて、2台は軍団の視界から消えた。

 

それから何分か後、待機場で止まっている2台を3台の軍団が見つけ後ろに着くと、GTRの男と私の父が話し合っていた。

「ポルシェがこんなに速く走れるとは思わなかった。ストックのままなんですよね。」「GTRも凄いね。これはかなり手を入れたとしても、乗り手だろうな。凄いドリフトだった。」など互いを讃えあっていたという。

別れ際に父が手を振ると、GTRの男は私の父に深く頭を下げたという。

 

その話を私にしてくれた父の仲間のポルシェ乗りの人は「私らはポルシェ乗りだが、君のパパは本当のポルシェ使いだよ。」

当時小学生だった私は、目を輝かせて話を聞いていた。

「れいも大きくなったらパパのようなポルシェ使いになるんだ。」

そう言う私を嬉しそうに見つめていた父。

今でも昨日のことのように覚えている。

 

あれから

18歳になると殆ど同時に免許を取り、まだ3年未満。

私の『愛車』はポルシェとは全く違う。

でも、私の運転を見て、この前父から「パパのポルシェにに乗ってもいい」との許可をもらったので、少しは近付いたかもしれない。

今の父のポルシェは997型GTS

乗りやすくなったと言われるけど。400馬力を超えるマシンを自在にこなす道は遠い。

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2010/10/05 00:05
男爵さま
私の車のブログの原点がこの事なんです。
いい機会だったので、
書いてしまいました。
この宣伝文を見た時「私だ」と
本当に思いました。
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2010/10/04 23:21

 目を輝かせて
 記憶をよみがえらせて、このブログを書いていたんだろうなって想像^^

 楽しみを思い出すのは、わくわくするね
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2010/10/04 22:26
てんむすさん
ポルシェは何度か走らせた事がありましたが、
最近父から許しが出たのは「いつでも好きな時に乗って良いぞ。」
と言う事でした。
この辺りは、車関係のブログに書きました。

暴走とよく言われますけど、
暴走を楽しもうとは思っていません。
他の人に迷惑をかける事だけはしないつもりですが。
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2010/10/04 22:12
その時代は私が免許取りたての頃だなぁ~
ポルシェに乗る許しをもらえるほどとは!!!

暴走だけは注意してねw
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2010/10/04 22:00
マンダムさん
本当はこの話はもっとリアリティな内容なんですが、
文字制限で書けませんでした。

バックミラーから相手が遠ざかっていく。
前の車に追いついていく。
こういうシーンってワクワクしますね。
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2010/10/04 21:11
えっと・・・湾岸ミッドナイト状態ですね(~_~;)
とんでもない話ですよw
確かに車のバトルは乗り手の戦いって感じがありますね~ ドライバーの殺気が伝わってきますから(*'▽'*)♪

私も若い時はレースのパドックサービスの仕事をしていたので話を読んでいて楽しくなりましたよ!
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2010/10/04 19:17
流れ星さん
そうなんですよね。
ポルシェの前に、『愛車』と会話が出来て
人車一体になれる事が先決なんですね。
ポルシェにも機械があれば乗りますけど。
当面は
「愛車使い」を目指します。
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2010/10/04 11:13
車と一体になること。路面の状態さえも感じられるくらいに
車と一体になれば、通常で感じる『限界』を超えた『奇跡』が
起きると思います。
れいさんのお父様は、まさにその『奇跡』を体現した方だと
思います。鍛えられた技術に裏打ちされた自信があったからこそ
GTRとタメを張ることができたのでしょうね。
そのお父様の熱い血が、れいさんの中にも流れています。
ポルシェ使いになる前に『愛車使い』を目指して頑張ってください。
そうすれば、ポルシェ使いの道が開けてくると思います。
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2010/10/04 07:45
ビストさん
真夜中のコメントありがとうございます。
首都高でのドリフトは2車線フルに使わないと
出来ないと思います。
怖いですね。

でも、これが私の車の話の原点です。
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2010/10/04 00:01
なんか、凄い話ですな、(^^;;;;

昔、早朝の首都高速をバイクで走りに行ったけど、エスケープゾーンが無いので
オーバースピードでカーブに入ろうもんなら、みるみる高速の壁が迫って
アブね~と思ったもんです、

スピーコントロールできる人じゃないと首都高速は危険っす。
昔、GTRを題材とした「首都高速トライアル」なんて映画もあったね。

しかし、幼少のその体験が今に至っていた訳ね、納得
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2010/10/03 23:42
ぶーしんさん
ポルシェのコクピットに坐ると
スゴイ戦闘的になるんです。
相手は他の車では無くて、この車に乗っている
自分との闘いのような気がします。
格闘技も、相手がおりますが、
最後は自分との戦いになることってありませんか。
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2010/10/03 23:31
すごいマシンを使いこなすことと…

自分を鍛えあげて、技や武器(キックやらパンチ等)…体を使いこなすこと…

案外格闘技と、似てるのかもしれないね。

俺は自分の体を、使いこなすことに四苦八苦してるんだけどねー^^;



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