ベネッセコーポレーション(ケーススタディ)
- カテゴリ:勉強
- 2009/03/11 12:32:48
一橋ビジネスレビュー2001年秋号に掲載のビジネスケース「ベネッセコーポ
レーション」です。
2001年時点での内容です。現在と状況が異なる部分がありますのでご注意
ください。
ベネッセ・コーポレーションは、1955年に福武書店として立ち上がり以降、
1980年、1990年、2000年と3度のCIを経て、Benesse(よく生きる)という企
業哲学を設定し、実現しようとしています。
CI(Corporate Identity)とは、企業の理念や存在価値を体系化して整理しな
おし、企業内部の行動に結びつけたり、外部(顧客・株主・社会など)に対して
発信していく一連の行動で、企業ロゴの変更などと連動して行われることが
よくあります。
進研模試や進研ゼミで中高生の教育産業大手となった1970年代を経て、
1980年に第1次のCIを行いました。ここでは、更なる展開として、「文化化」
「国際化」「情報化」をキーワードに、文芸誌「海燕」の刊行、海外支社の設
立、大型コンピュータの導入による顧客データベースの整備蓄積などを行い
ました。
企業が大きくなり、組織の疲弊が見えてきたところで、1988年に第2次のCIを
行いました。
ここでは、福武書店のあるべき姿を徹底的に問いかけることで、「benesse」と
いう企業哲学を生み出しました。bene(良く)+esse(生きる)という造語は、
「人」を軸とした経営を標榜し、「教育・文化・福祉の分野で、人々の向上意欲
と問題解決を生涯にわたって支援する」という事業領域を設定しました。
売り切り型のビジネスを縮小し、継続性とコミュニティを基盤としたビジネスに
特化することとなり、第1次CIで参入した書店売りの一般書籍や文芸誌の撤
退縮小を選択しました。
また、「たまごくらぶ」や保育事業、介護ビジネスへ参入することで、生涯にわ
たっての人への支援を行う企業を目指しました。
この時期に、国際的な語学教育企業である「ベルリッツ」を傘下に入れます。
「語学」もまた、人の生涯に避けることのできない分野であるという考えのもと
です。
さて、CIを経て事業領域を見つめなおして来ましたが、収益の柱は圧倒的に
進研ゼミをはじめとする通信教育事業です。
ベネッセの通信教育事業における強みは、学歴が高く、教育への関心の高い
「赤ペン先生」のネットワーク化のノウハウ、学年ごと個別ごとのニーズに対
応させることが出来る教材開発、個別のDMを自動的に発送することができる
顧客データベースと高度なDM発送システムです。
赤ペン先生と顧客の「顔の見える」個別化サービスを低コストで実現できるこ
とが、ベネッセの強みになっています。
2000年を迎えて、第3次のCIが行われました。
高齢化、インターネットの普及、官から民へ、公的教育の再構築という環境変
化の下、Benesseとい企業哲学をどう実践するのかということがテーマとなっ
ています。
ありがとうございます。
なるほど、確かに塾より安いと考えたら、不況に強いのかもしれませんね。
強力な顧客情報の蓄積と、顧客との継続関係を維持するノウハウの成果
なのでしょう。
少子化が進行しているとして、企業がとる行動としては、一つは、客単価を
上げる、もう一つは多角化または水平展開でしょう。
塾経営で培ったノウハウをうまく活用できる分野への多角化ができるかどう
かが、生き残りのカギのように思います。
>一定期間に成績上がらなかったら授業料4ヶ月無料
これ、家計が厳しくなったら、いい点数をとらせないインセンティブにならな
いか?(笑
丁度昨日の日経で”学習塾、収益に明暗”という記事が載っていました。
ベネッセは進研ゼミが好調で、今期は連結経常最高益の見通しだそうです。
不況は通信教育に追い風との見方もしています。(安いから)
まさにBINGO!ですね。
”教育”を商品としている塾ですが、記事を読むと同業へのM&Aやら、
一定期間に成績上がらなかったら授業料4ヶ月無料とか、(これモンスターの標的にならない?)
そして事業の多角化と、なかなか、商品と比べるときな臭いイメージが。。
もちろん塾も営利団体だから当たり前の事なんですが。。