日本的想像力の未来
- カテゴリ:小説/詩
- 2010/11/11 23:01:54
「日本的想像力の未来 クール・ジャパノロジーの可能性」
東浩紀編 NHKブックス
2010年3月に行われたシンポジウムを本に起こしたもの。
昨今のジャパンブームを海外ではどう捉えているのか。
非常におもしろく読めました。
「未成熟」ともとれる「かわいい」の氾濫は様々なものを記号化し
社会的な文脈の無関連化が進んでいく。
宮台真司の論説にある
『善悪二元論から距離をとることは日本的なサブカルチャーの伝統であるとし、
アニメ、映画、漫画などでは善と悪の対立というという世界観から一度退却する構えが示されます。ここに古来の伝統を見る。
ジェノサイド(全殺戮)を嫌いシンクレティズム(習合)をする構えです。民俗学者や歴史学者の一部は、その由来を、縄文文化における強い祟り信仰にまで遡ります。こうした歴史学的仮設の是非はともかく、善悪二元論から距離をとって共存可能性を志向する「オフビート感覚」が日本の映画にも長い間とても強く刻印されてきたと感じます。』
この感覚は非常に分かり易かった。
そして、こうした社会文脈の無関連化機能が今後、様々な国でますます受容されるだろうと結ぶ。それは日本産のみならず各々の国でつくられていくものもあるだろう。
ジャパノロジー:総合的に日本を研究する学問
日本研究は戦前戦後行われていたが、ここ最近の動きは日本のサブカルチャーを研究する動きが大きくなっている。