夕焼けこやけの・・・2(全5回くらいで何とか)
- カテゴリ:日記
- 2010/11/25 10:31:01
「蒼雪ってのはアンタかぃ?」
それは、蒼雪たちが校庭で体育の授業を受けていた時だった。
担任の恭子先生の指示でみんなでマラソン大会の練習をしていると、いきなり50台あまりのバイクの集団が校庭に乗りこんできたのだ。
不審者が入らないように閉ざされていたはずの門は、強引に鍵を壊されていた。
暴走集団は見せつけるかのように校庭の外周を爆音をあげて走り回り、慌てて玄関から出てきた校長先生や教頭先生を青ざめさせていた。
やがて暴走族のパレードは、蒼雪の前で儀仗兵のごとくずらりと整列して終わった。
同級生は、「こえ~」だの、「かっけ~」だのと好き勝手言いながらも彼女らに目が離せないでいる。
こえ~と言う生徒ですら目がきらきらしている。まるでテレビドラマのような事態に、興奮しているのだろう。この場であわわわわ、とびくびくしているのは恭子先生だけだ。
「なななな、なんですか、あなたたちは! けっ、警察を呼びますよ!」
「うるせえ! ババアはひっこんでろ!」
「ひ~!」
バイク集団の中央に陣取った女の一喝で、今年35歳を迎える恭子先生は震え上がった。
いつも優しくて良い先生なのだが、なぜか彼氏ができない。傷つく一言を言われ、先生はよよよとその場にへたりこんだ。
「あんたが蒼雪だろ。…ふん、ガキにしちゃあなかなかの面構えだね」
そんな先生には構わず、くっちゃくっちゃとガムを噛みながら、紫の髪を頭頂部でアップにした女は蒼雪を見て言った。
純白の特攻服にはシミ一つなく、大胆に開いた胸元からは豊満な胸を縛りつけたサラシがのぞいている。
間違いなくこれはレディースだ。背後に控えるサングラスやマスクをした怖いお姉さんたちが、なんか文句あんのかこらァ? とばかりに辺りを睥睨している。
チョッパーハンドル猛々しい、ショッキングピンクの単車…かと思いきや、彼女のまたがるバイクは、よく見ると他とはちょっと違う。
(あ、なんだよ、これ原付じゃねーか)
しかも、スクーターだ。どうりで、彼女のだけ音がヴァ―ンババババ、というハエが怒ったような唸り声だったわけだ。
「せめてスーパーカブだったらよかったのに…」
蒼雪は相手に聞こえないようにつぶやいたつもりだったが、相手にはしっかり聞こえていた。ああ!? とやくざ顔負けのメンチを切ってくる。
「聞こえてんよ、てめー! xxx切ってその口に突っ込んでやるぉかあ?! ああ!」
並みの男なら泣いてしまいかねない恫喝だ。しかし、蒼雪は毛ほども動じなかった。
こんなもの、家のお母さんに比べたら蚊が止まったほどにも感じない。
お母さんはもっともっとすごかった。小さい頃は怒鳴り声でショックをおこし、ひきつけを起こしたこともある。
大きくなった今だって、もし本気で怒鳴られたら小便ちびりかねない。
笑いもせず仁王立ちになって、淡々と総長の剣呑な気配を受け流す蒼雪に、総長は、ふっと不敵なほほえみを見せた。
「あんた、肝が据わっているじゃないか。さすがは町子姐さんの息子だよ」
「え、――お母さんを知ってるの?」
驚く蒼雪に、総長は懐かしむようにうなずいてみせた。
「ああ。(ひがししもきたちくさんれんごうかい)東下北畜産連合会初代総長、上城町子と言ったら、日本のレディースで女王と呼ばれた存在だったからね」
「な、なぜそれを…。あんたいったい誰だよ?」
蒼雪は度肝を抜かれていた。
蒼雪が生まれる10年前、青森県下北半島で伝説の走り屋をしていた母、町子。
当初はソロでの活動だったが、次第に彼女の走りへの心意気や義侠心に触れ、大勢の仲間が集うようになった。
しかし、彼女はある日突然走り屋界を去ることになる。
つづく…のか?^^;
今度はそうきましたね。じゃあ俺も気合い入れて無理やり5話で終わらせてやるww!
礼子 「町子姐さん、ケジメは付けて貰うヨ!ヾ(*`ω´メ) 」
町子 「あぁ。後悔は、ねぇーさ!(。・`ω・) キッ 」
母・町子は、南房総水産連合会初代総長である吉田雪斎との間に、子供が出来てしまい…
レディース総長の座を降りた。その後、2代目に就任したのが~ 目の前に居る礼子である!
礼子 「あたしが何者かって? ( ̄ー ̄) フッ、鈍い男だね。乗りな! 」
蒼雪を乗せたバイクは、爆音とともに~ 第3倉庫に向けて、走り出した。 …つづく
これ続けるつもりなかったんですが…なんか流れでこうなってしまいました。(^∇^;)
文章は筋書きどまりで、プロットも何も考えておらず…小説と呼ぶにはお恥ずかしい限りです。
ほんとにこの先どうなるの?w
ですが、こうなった以上は5回で終わります!終わりますとも!
そもそも息抜きでブログ書いているのに、連載なんかしたらもはや仕事同然じゃないっすか~。
それに、「お茶でもどうぞ」のタイトルは、知らない人でもちょっと見たときに楽しんでもらえるようにという意味も込められておりまして。
すぐ読める短文なら立ち寄る人もいるでしょうが、連載長文だと「長ッ、じゃあいいや」と、引いてしまうかもしれませんし。
そんなわけで全5回。なんとかまとめてみます。
次が楽しみです^^
な、なんか話がどんどん大きくなってきますが……五話完結、大丈夫?