女性下着売り場に現れたヨシオは、カラフルなショーツが並んでいるコーナーを物色し始めた。

「いらっしゃいませ、何かお探しですか？」と店員のオネイさんが近づいてくると、ヨシオは「可愛い感じの３枚欲しいんですが。」と言ってそのあたりを見回しているが、種類が多いので、当然決めあぐねるわけだ。（シカモ、浅履き、Tバックはダメと打ち合わせているから）

オネイさんが「こんなのどうでしょうか？」と差し出したのをチラリと見たヨシオは「もう少し深めのが欲しいんです。」すでに洗脳されたオネイさんはピンと来ました。「やっぱりこの男が履くんだ。」（心の声です）。

「お客様、この辺りはＭサイズですがよろしいでしょうか？」「大丈夫です、確認済みですから。」

おおう。まさに思い通りの展開になっているよ。それに、無神経なヨシオは、こういう所でも動じることが無いのか、傍目にはこういう所が慣れてるようにも見える。

あまりおどおどしていないから、店員のオネイサンは、自分で履くために買いに来たとの思い込みを信じて疑わないのだろう。（本当は単に無神経なだけなんだけど）。

「お客様、これがいいですよ。こちらはガードル効果もありますから、前のところが2重になってますので、具合が良いと思いますが。」「ホントだ、じゃ、これを色違いで3枚下さい。」
その店員さんはヨシオのちょうど履くべき所にそれらのショーツをあてがう仕草で色、デザインを3枚選び出したが、見ている私達はおかしくて、脇腹を押えながら売り場を離れようとした時、店員さんがヨシオに、「こちらのブラジャーは如何でしょうか。メガ盛りパットでバストが形出来ますし、アンダーの大きいのもございますから。」

おおう、プロだね、このオネイさん。するとヨシオは「あの、今日はいいです。また今度。」

こ、これはおかしい、ヨシオの言動は何時もアト・サキも考えず、その場逃れが多いから、今回は誰が聞いても自分がほしくて買いに来たと信じて疑わないよ。

という既成事実をそれとなくふれ回って、するとキョウコさんが私のところに確かめに来た。

「あれはヨシオが欲しがっていたからあげたものよ。暗がりで間違えるなんてあるわけないじゃないの。」なるほど確かにそうだ。話しているうちにキョウコさんが納得したので、「最近パ○コの下着売り場に自分で買いに行ったらしいよ。」と教えてやると、早速確認に行って、例の店員のオネイさんとお話ししたらしい。

ヨシオは男前なので、オネイさんもよく覚えていて、「ボクに合うのを選んでくださいと言われて、今度ブラもお買い上げくださるとか言ってました。」と、こういうストーリーになっていくのだ。

キョウコさんは唖然として、「この、変態男」と思いきや、ヨシオのところに行くと、「ヨシオ、誰にでも人には知られたくない事もあるのよね。」と言うなり袋を渡した。

その中には京子さんが買ってきたパンティが入っていたのだが、「なにも言わなくっていいよ。今後私の前では隠さなくっていいからね」と言い残して帰っていった。意味の良く分からないヨシオは、この出来事も皆にしゃべってしまった。

すると、私達のたてた噂とが一緒になり、今度は数人の女性が「可愛いヨシオちゃんのため。」とかでパンティをプレゼントしたということだ。

で、自分の立場を分かってないヨシオはその事もしゃべったから、「ヨシオのところには、彼女らのパンティがいっぱいある」と男共に知れることとなった。

本当はプレゼントされたのは全て未使用品（私のもダヨ。）なのだが、男共は勝手に『使用済み』と思い込んで、胸をときめかしてヨシオのところに拝見に行ったものだ。

そこでノーテンキなヨシオは、これは誰の、こちらは○ミのとか、（ちゃんと覚えてる）説明したらしい。シカモ「欲しいんだったら持って行っていいよ。」とか言ったもんだから、奪い合うように皆が持って行ったということだ。

当然私のも誰かが持って行ったわけナノダ。

予想とは別の展開になってしまった。

あいつらの誰かが、私の香りがすると思って、ホントはヨシオの匂いのしみついたピンクのパンティちゃんを愛でてると思うとなんか複雑ジャ。

と言う事で、この話は次の展開までネタ切れとなったので、

オシマイ。