Nicotto Town


人間の生と死に関する○○日の動向


レトロゲーム感想録:「夕闇通り探検隊」

「夕闇通り探検隊」 1999/PS/スパイク/アドベンチャー


キャラクターを操作してのマップ間の移動や探索があるアドベンチャーです。
ジャンルはホラーです。前回の記事で取り上げた「最終電車」とは
恐怖度・ストーリーの重さ共に比較にならない、壮絶なインパクトがありました。
(「最終電車」はライトに楽しめて、「夕闇~」とは違う意味で好きです)

「夕闇~」は話がヘビーすぎ、深く考えさせられすぎて精神的にダメージを負う作品なので、
自分の中ですごく高く評価していて面白いと感じたにも関わらず
あまりプレイしたくないゲームだったりします。初めてですよこんなの。
そういう意味では「最終電車」の方が好きかもしれない。気分がすかっとするから。


物語の主人公は、中学二年生の男女三人。
彼らは学校で耳に挟んだ「噂」の真偽を検証するため、放課後に集まって街中を探索します。
その百日間にわたる冒険を描いた作品です。


温厚で人当たりがよく、悪く言えば気が弱く流されやすい「ナオ」
天真爛漫で純心な美少女だが、年齢相応の知性を持たず奇行の目立つ「クルミ」
歯に衣着せぬ物言いで周囲の反感を買いまくるオタク少女「サンゴ」

ナオはクルミに気があり、告白しようとしたものの思うようにいかず
「一緒に犬の散歩に行きませんか」と誘ってしまいます。
その二人に強引にくっついてきたのが、ナオの幼馴染み・サンゴ。
サンゴは意地っ張りな性格ゆえ決して態度に出しませんが、ナオに恋心を抱いています。
(クルミは…彼女の中にはおそらく、恋愛という概念がありません)

そんな三人(+「メロス」、雑種犬、♂)が訪れたのは、
人の顔をしたカラスが現れるという噂のある怪奇スポット。
噂の通りに人面カラスを目撃したナオは、その口から呪いの言葉を聞いてしまいます。
「あと百日で、誰か死ぬ」と…。
ここまでが序章で、人面カラスを目撃した夜から百日の間、
ナオたち三人(+一匹)は、彼らの住む陽見(ひるみ)市で語られる
怖い噂の真偽を突き止めるために冒険をすることになります。


ゲームは一日単位で話が進み、
その中で大きく分けると「学校パート」→「散歩パート」という流れです。
二つのパートそれぞれでキャラを選択することができ、
一日が始まったらまず学校パートのキャラを選んで、校内での情報収集。
キャラによって行ける場所や、情報をくれる相手に違いがあります。
うまくすれば「噂(攻略するシナリオ)」が入手できます。
制限時間が過ぎると放課後の散歩パートへ移行、再びキャラ選択です。

この散歩パートでは怪奇スポットに潜入したり、通りかかったりしますが
その時主人公となっているキャラによって見える光景が違うことがあります。
霊感のないナオ、霊を信じないサンゴで行くと何も見えなかった場所に
霊感を持つクルミの視点で訪れると…。
また、メロスが怖がって絶対に近寄らない心霊スポットがあったりもします。

霊や怪異との直接対決・交渉にあたるのがクルミ。
街の人々から情報を引き出したり、情報から次の行動を導き出すのがナオ・サンゴ。
(ナオの良識的な行動が物事をスムーズに運ぶこともあれば、
サンゴの過激な行動が状況を打破することも)
だいたいこんな感じで、状況に合わせて主人公を切り替えて進めます。

基本的には、噂の入手→解決の繰り返し。
それと、決まった日付に発生する固定イベントによってストーリーが進んでいきます。
多くの噂を解決するほど、陽見市に伝わる伝承が明らかになっていき、
そして固定イベントでは三人を取り巻く環境に変化が訪れます。

伝承(呪い)と現実(三人の関係の変化、家庭問題など)の両方が絡み合って
終盤は加速度的に破綻へと転がり落ちていくのですが、
そんな中でついに訪れた百日目に、三人が迎える結末は…。
このゲームのエンディングはファンの間でもかなり賛否分かれてますね。
気分的に受け入れられるか否か…
私にとっては、「悲しいし、ああはなって欲しくなかったのだけど、
あの話に他の結末は有り得なかったんだろう」と納得できるものでした。

とても重い話題を扱っていて、色々と考えさせられます。
頻繁に出てくるいじめの描写もきついのですが、
知能の遅れているクルミの先行きを巡る両親の葛藤・意見の対立が…。
誰も悪くない・責められない、どうしようもないことなだけに、見ていて本当に辛かったです。

あと動物の命を粗末にする系の話が多いのも心が痛いです、痛すぎます。
動物を大切に!(涙)
心が痛む話だけど、「黒い犬の噂」は多くの人に見て欲しい話です。

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2009/04/01 00:46
>梅。さん
宮部みゆきは、あまり読後感の重くない爽やかめの作品(ステップファザー・ステップとか)を
少し読んだ程度なのですが、「模倣犯」はかなりきついのですね。
名前だけは一応知っていたのですが、心に留めておきます。
読む時は覚悟を決めてから読みます!

個人的に、出会えてよかったのか、知らない方が幸せだったのかわからない気分にさせられた
好きだけど読めない小説は、大槻ケンヂの「新興宗教オモイデ教」です。

私も家に一人の時にホラーゲームはやらないです。家族がいれば、とりあえず平気です。
部屋に信頼できるペルソナ使いがいる状況でプレイできたら一番理想的ですね。
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2009/03/30 22:29
「面白いけどあまりプレイしたくない」
という感想で、小説にはなりますが『模倣犯』を思い出しました。
「面白いけどあまり読み返したくない」
そんな小説、『模倣犯』。

「夕闇通り探検隊」、面白そうですねえ!
ゲームの進め方は「ペルソナ」みたいですねー。
でも、ホラー、なんですよね……チクショウ!!
いつか「部屋に信頼できる怖がりでなく霊感も無い人が一人以上いる」状況でプレイしたいです。
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2009/03/30 21:21
>sekieiさん
「黒の十三」はネットでレビューを読んで、
特に評価の高かった「羽音」のプレイ動画を見ました。
「夕闇~」にもああいう胸の悪くなるような話はありますね…。
動物ものの話は、和むものも一応あるにはあります。
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2009/03/29 23:44
「夕闇~」名前は知ってるけれど、そんなに重い内容とは…。動物ものは本当に駄目なので(きっと泣けて進めなくなる)プレイできないだろうけど、私もアドベンチャーが大好きです。個人的には「黒ノ十三」が少しお気に入り。
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2009/03/29 21:12
>mironさん
私は「かまいたち」よりも「最終電車」よりも「夕闇~」が一番嫌です。
一番怖い、というよりは、嫌とか気が重いとかいうのが正直な感想…。
でも「夕闇~」は恐怖度も高いです。話の方もビジュアル面もかなり。

「悪魔の招待状」は知らない作品だったので調べてみました。
ファミコンのアドベンチャーなのですね。
私はアクション要素のあるゲームはほとんどやらないのですが
(マジで半端じゃなくアクションゲームの才能がないため)
アドベンチャーは大好きです。ブックオフ等の中古コーナーを探してみます♪

似たようなアドベンチャー作品で「シャドウゲイト」というふざけたゲームがあって
それを思い出してしまいました…。
建物の中をアイテムを取りながら探索する、というのと
グラフィックの感じが似ているのですが
「シャドウゲイト」の方は本当にバカゲーとしかいいようのない作品です。
あまりにもバカすぎて、ある意味いい味を出しているゲームなので
いつかブログに感想を上げるかもしれません。
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2009/03/29 21:12
>かむいさん
基本はオカルトゲームのはずなんですが、リアル感のある重い描写が巧みすぎて、
元気のない時にはプレイできません(汗)

マイナーな作品だけれど
プレイした人の評価は総じて高いという感触があります。(ネットのレビューなどで)
私も人に「面白いよ」と貸してもらったのがきっかけで、後で自分で買いました。



>あおさん
制限時間ギリギリまで行動していて
メロスを回収しないまま散歩パートが終わってしまうことがありますよね…。
ゲームに出てこないとこでナオが迎えに行っているんだろうけど、
私も結構動物にかわいそうなことをしていたかも…w



>もなかさん
ありがとうございます…!
こんな、いきなり「東方見文録」の話がトップバッターで始まったようなシリーズに
お褒めの言葉をもらえるなんて…。
筆力もないのに、ゲームへの愛情だけでなんとか書いているといった感じの駄文ですが
感想を書いたゲームに少しでも興味を持っていただければ
それだけでもう、何も思い残すことはありません。

「東方~」はバカゲーですが好きな作品なので、関心を持ってもらえて嬉しいですw
「夕闇~」は知って損しない作品だと思います!
このブログではゲームのシナリオ内容をあまり深いところまで紹介しないようにしているので、
詳しく紹介してあるレビューやサイトさんなども、ぜひ覗いてみてくださいませv
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2009/03/28 15:52
うわああ・・・すごいゲームがあるんですね、知らなかった~。
りこさんの説明を読んで興味わいたけど・・・怖そうですよねええええ・・・。
私には怖すぎるかもなあ。
かまいたちの夜 がギリギリなわたしには無理かも。でも興味ありあり~。

むかしのゲームって、何とも言えぬ独特のおもしろさがありますよね♪
私が最初に出逢ったホラーゲームは、『悪魔の招待状』(?)ってゲームだったかな。

主人公が姉とドライブ中に事故にあって、気付いた時には姉が消えていて
ふと外を見ると、目の前に気味悪い洋館が建っていて、姉はそこに入っていったんじゃないかと
弟が洋館の中に捜索に向かう・・・って感じの話。
ファミコン時代のゲームなので、グラフィックが非常にシュールで
なんか・・・ハマりました(^^)
いろんなアイテムを使って、行く手を阻むものをやり過ごして先へ進むんです。
アイテムを上手いこと使わないとゲームオーバーになってしまう上に
持ってちゃいけないアイテムもあって、それを持ってると主人公が定期的に死んでしまって
何度もゲームオーバーしちゃったり・・・。
でも なかなかやりがいはありましたよ~。(^^)
りこさんご存知かな~
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2009/03/28 01:39
ヘビーな話しですか。
エンディングの内容がものすごく気になります・・・w

皆さんの評価も高いみたいだし、これもやってみたいな~
物欲リストに加えておくか・・・w
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2009/03/27 21:49
夕闇通り探検隊は、名作だねぇ~(*´д`*)
メロスは、なんで、建物中に入ろうとすると、留守番をさせられるんだろう・・・(・´ω`・)
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2009/03/27 21:04
このゲームは名前だけ聞いたことがあります!
ホラーゲーム通の知人がやっていました。

今回初めてコメさせてもらいましたが、凛子さんのレビューを読むと毎回、どんなゲームなんだろ~と興味をそそられます。
ネット上ではありますが調べたり他の人のレビューを読んだり・・・^^
「東方見分録」のオチは笑いましたw
夕闇~もなにやら気になるお話です・・・!!

ひそかにレトロゲーム感想録ファンのもなかでした^^
アバター
2009/03/27 18:41
>ミツコさん
いらっしゃいませ!
「夕闇」の記事を目に留めていただけて、嬉しい限りです。
拙い長文を読んでくださってありがとうございますv

ペットを飼っていなかった頃でも充分切ない話でしたが
犬も猫も飼った経験のある今見ると、「黒い犬の噂」はより泣けてしまいます。

陽見市の風景もマップも、未だに頭に残っていて、
自分の足であの街を走り回ったような気すらしています。
夕暮れの迫る街並みの雰囲気、よかったですよね…。
アバター
2009/03/27 18:12
初めまして!突然すみません。
大好きなゲームのレビューだったので、コメントしてしまいました。
「黒い犬の噂」、私も心に残っています。
夕闇通り探検隊は、町の雰囲気が何ともいえず好きでした。



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