何だかんだと日記のネタが毎日あるもので、「その２」以降を公開するタイミングがないんですよね。でも強引にＧＯ！であります。てゆーか強行突破？

　今回の「その２」が一番難解だと思います。デストルドーの概念にはできるだけ触れずに説明……できたつもりになってみるワ。

　あ、興味ない方は「長文乙」でいいからｗ



　西暦２０００年、ゼーレは、使徒が目覚める前にアダムを回収しようとした。何しろ、使徒とアダムが接触したら即座にドッカーンである。また、アダムには重要な用途があった。

　ゼーレは「裏死海文書」を解読することで、贖罪の儀式を知った。まずは、襲ってくる使徒のすべてを撃破し、生命の樹への道を切り開くこと。次に、知恵の実も生命の実も得た罪深い「神の子」を、生命の樹に磔にして、処刑すること。自分たちより悪いヤツ（両方の実を食ったヤツ）を生命の樹で磔にし、「僕たちはこの樹の実を食べたりしません」と意思表示するわけです。

　ただし、処刑執行人として１２人のこれまた「使徒」が必要であり、無敵の「神の子」を殺すためには、神殺しの槍「ロンギヌスの槍」が不可欠である。

　ゼーレが必要としたのは、「神の子」、「１２人の使徒」、「ロンギヌスの槍」の３つ……。その中で最初に手に入れることができたのは、ロンギヌスの槍だった。この槍はＡＴフィールド（バリア）を貫通し、生命の流れを逆流させる効果がある。

　いかなる生命体も、生への欲望（リビドー）と、その逆の欲望（デストルドー）を併せ持っている。普段は生への欲望が優位にあるため、生命体は形を保っていられる。しかし、その逆の欲望が優位になると死んでしまう。

　ところが神だけは例外であり、デストルドーが優位になると、自身は原始の姿（卵）へと戻ることができる。またその際、周囲の生命体を原始の姿（リリスの体液）へと戻すこともできる。そして神のデストルドーを増大させるキーアイテムがロンギヌスの槍なのである。

　とりあえず「神がロンギヌスの槍で貫かれると、神自身は卵に戻り、巻き添えになった生命体はリリスの体液に戻る」点を押さえておけばＯＫ。

　さて、差し迫っているアダムと使徒の接触を食い止めるためにも、ゼーレはアダムの回収を急ぐ。その方法は後々の計画を踏まえたものでもあった。

　生命の実を持っているアダムに、ヒトの遺伝子を融合させる（知恵の実を食べさせる）ことで、アダムは一時的に「神」と同等となる。ところが、同時に神殺しのロンギヌスの槍で貫かれてもいた。ヒトの遺伝子を放り込むには、アダムのＡＴフィールド（バリア）をロンギヌスの槍で破るしかなかったし、ゼーレはその槍でアダムを卵へと戻したかった。その際、南極一帯のあらゆる生命体も巻き添えとなり、原始の姿＝リリスの体液へと戻されてしまう。

　神・アダムの影響力は南極どころか、あわや地球全体に広がり、人類が滅亡するところだった。ゼーレはアダムを爆破。その大爆発によって、地軸が傾くほど地球は揺らされ、未曾有の大災害となる（セカンドインパクト）。この事件は、公式には「巨大隕石の落下」と発表され、後の関係者でさえ「アダムを調べていたら謎の大爆発が起こった」程度にしか聞かされていなかった。

　大爆発の威力で南極大陸は吹っ飛び、海面の水位が上昇。大半が水没してしまった日本列島は、年中夏の気候になる。

　そしてアダムは卵の状態まで戻る。アダムを卵へと戻し、アダムの始祖ＤＮＡを採取することが、おそらくゼーレの目的だったと思われる。また、後々の贖罪の儀式でアダムを生贄に、つまり「神の子」に仕立て上げるべく、秘密裏に胎児まで再生させる。

　アダム本体が卵へと還元したことで、放り込んだヒト遺伝子との結合は切り捨てられた。とはいえ、贖罪の儀式でまた同じことをすれば、生命の実と知恵の実を併せ持った「神の子」を作りつつ、「生贄をロンギヌスの槍で処刑する」図式になるわけだ。

　※　セカンドインパクトの時、ヒトはまだ原罪を贖っていない（神の子を磔にする「生命の樹」を現出させていない）。そのため、ヒトはリリスの体液まで戻ることはできても、そこから新たな種としてのヒトに新生することはできないのだ。

　ところで、人類の危機が去ったわけではない。アダム製のヒト＝使徒が目覚め、現行人類を生命の樹から遠ざけるべく、「アダムのパワーを取り込んだ大爆発で滅ぼしちゃるワ」と攻めてくる。

　つづく～。