Children's Fantasy ...
- カテゴリ:自作小説
- 2011/01/31 18:38:25
プロローグ其の三
時間は少し遡る。少女を追いかける男ことカズヤは焦っていた。少女が迷路マップに入ってしまったからだ。この迷路マップ、初心者には倒すことが難しく、ある程度なれた人間ならば倒せるボスモンスターがいるのだ。ボスモンスターと遭遇したら逃げるどころではなくなってしまう。だから少女はその事を知らない初心者なのだろう。
しっかりと武器屋と道具屋の間には『迷路:入り口』と書いた看板があるのだが、少女は気付かなかったようだ。
少し面倒だな、と思いながらカズヤは迷路へと入っていった。
もう少し違った方法で追いかけていたらこうならなかっただろうか? と、カズヤは少女を追いかけながら考える。
たとえば、『ちょっと待ってください』と言っていたらどうだっただろうか? しかしカズヤは同年代の人間に敬語を使うような人間ではない。そういったキャラではない、とでも言えばよいのだろうか。それに少女の焦り様からしてその程度で止まってくれるとは思えない。
ならば他の方法、何も言わずに追いかけて背後から無理やり止めていたら? 論外だ。そんな事をするのは明らかにおかしい人物であり、さらにゲームマスターに通報されたらプレイヤー人生は終了していただろう。
ならば一番正しい方法は何だったのかというと、『ぶつかった時にアンタに俺のアイテムがひっついたんだ!』だろう。こう言っていればちゃんと止まってくれて、迷路に入るという面倒な事態にはならなかったのかもしれない。 少女がこの迷路に入ってしまったのは少し自分のせいでもあるかもしれないと思い、カズヤはせめて少女がここから出られるまでは面倒をみようと心に決めた。
ちなみにどうやってカズヤが少女が通った道を理解していたかというと、バカのようにひたすら上げた素早さのステータスのおかげで少女が道を曲がる直前を見れる位置を維持することができていたからだ。
何度か道を曲がり、そろそろトラップの一つや二つくらいあるんじゃないのだろうかと思いながら道を曲がった時にそれは起こった。
少女の足元には一つの空きビンがあった。そして少女はそれに気付いた様子が無い。
そしてカズヤは、ここがゲームの中だから転んでも大して痛くないと言う事を忘れ、走る速度を一層速めながら加速スキルである『ヘイスト』を使用し、全力で少女の下へと向かった。
少女との距離は七、八メートルほどはあった。現実の世界でならば絶対に少女が転んでしまうのは止められなかっただろう。
しかしここはゲームの世界。カズヤは現実では再現できないような速度で地面を蹴り少女の下へと向かう。
一歩一歩と、地面を蹴り砕くような勢いで両足を動かすそして――
努力の甲斐もあって、カズヤは無事に少女を受け止めることが出来た。現在は少女の背中から両腕をまわし体を支えている状態だ。
ゲームの中であるというのに息切れをしながら、カズヤはこう言った。
「大丈夫だったか?」
もちろんこのトラップ――トラップと言うほどの物ではないかもしれないが――では何もなかったものの、自分の見えない場所で何かあったかもしれない。そう思ったために出た言葉だった。
しかし見たところ、特にトラップの被害を受けた様子はない。
少女はカズヤの腕をそっと体から離し、少しだけ距離をとった。
「……大丈夫です」
少女は緊張しながら、少し恥ずかしそうにそう答えた。
盛大に転んでしまいそうな所を見られたのが恥ずかしいのか、それとも歳の近い男性に触られて恥ずかしかったのか。それはカズヤには分からなかった。
「…………」
「…………」
少しの間沈黙が続く。壁の向こう側からはざわざわと、通りを行きかう人々の声が聞こえた。
先にこの沈黙を破ったのは少女の方だった。
「その……ぶつかってすみませんでした。私ちょっと焦ってて……それで周りが見えなくなって……。それに転びそうになった所を助けてくれて……あいがとうございました。私迷惑かけ過ぎですよね……」
カズヤはここまで礼儀正しく謝られたのに、そこから更に相手を非難するような人間ではなかった。
それにここまで礼儀正しい人ならば、焦っていたのにもそれなりの理由もあるのだろうとも思った。
見たところオンライゲームの初心者のようだ。経験のある人間ならば初対面でももう少し緊張せずに話すだろう。
ならば初心者を助けるのが経験者の役目。そう思い、カズヤはこの少女と少し話してみることにした。
そうする事で、自分が望んでいた『縁』が生まれるような気がしたから。今まで誰とも作る事の出来なかった『縁』が。






























まあスピード系の剣士なら二刀流をした方が強い(ry
なぜ盾も左手用の剣も装備せず片手剣だけ装備しているのかは後々説明しますw
防御が高いモンスターが出たらサヤに援護してもらわないとねw
『こうかはばつぐんだ!』ってポケモンかよw
防御力の高いボスモンスターの相手をする時は……「こうかはばつぐんだ!」となるスキルを連発するしかないなw
カズヤはただのb……ただのアホですねぇw
可愛いと思ってもらえて嬉しいですw
女の子が可愛いですねw