Nicotto Town


永遠などない、それこそ永遠


Children's Fantasy ...

プロローグ 其の六

「そうだったんですか……」
「それでどうする。そのアイテム消して元に戻すか?」
 元々はアバターが外せなくなったのが原因で慌てていたのだからアバターを消してもとの服装に戻るのが普通だろう。
 しかし今回は今までになった人がいなかった狐の固定装備だ。消そうものならもう二度と現れないかもしれない。
 サヤは少し考えてからこう答えた。
「……やっぱり最初は好きでこのアバターをかったんだし、それに珍しいって言うのなら尚更消せないです」
 彼女はこう答えた。それが彼女の出した答えなのならば、カズヤはもう口出ししなくてもいいだろう。
「自分勝手ですよね……こんなに迷惑かけて色々教えてもらったのに、結局は前と何も変えないなんて……」
「いや、気にすんな。どうせ俺は暇人だし。むしろ久しぶりにゲーム内で人と話せて楽しかったよ」
「えっ? オンラインゲームってたくさんの人と知り合えるんじゃ――」
 彼女が何かを言いかけた瞬間、ドゴォン! と、周りの音が聞こえなくなるほど大きな音が聞こえた。
 二人が音の発生源の方を向くと、そこには巨大スライムがいた。モンスターの頭上には『Boss.ビッグスライム』と出ている。今まで忘れていたが、この迷路に出現するボスモンスターであった。
 どうやら壁を突き破って現れたらしく、辺りには瓦礫が散らばっている。
 スライムのそこまで怖いわけでもなく、むしろプルプルしていて可愛いとさえ思う人もいるであろうそのデザインは、異様な大きさによってむしろ恐怖を覚えてしまうほど恐ろしいものになってしまっていた。
 スライムはのしのしと、ゆっくりだがしかし確実に近づいてきた。この遅い移動速度こそが慣れた人間なら勝てる要因となるが、しかしその巨体によってその可能性も下がってしまう。
 ざっと勝率は六割ほどだろうか。しかしそれはカズヤ一人で挑んだ場合の話。彼女を守りながらでもその勝率を維持できるとは思えない。
 しかし逆に言えば彼女が強ければ、守る必要など無く一緒に戦えるのならば、勝率は上がるだろう。
「……おい。戦うのと逃げるの、どっちを選ぶ? どっちを選んだって構わない。好きなほうを選んでくれ」
 だが実際は、サヤが弱くて足手まといになってしまい負けようともそれはそれで良かった。
 誰かと共に戦うなんて事は長い間やってこなかった。そして誰かと共に戦いたいと思うこと事態がなかった。
 だから無駄かもしれないと思いつつも、カズヤはビッグスライムと距離をとりながらメニュー画面を開き、サヤに対して『グループの申し込み』をする。そしてサヤの前にグループの申し込みのメッセージと共に『Yes』と『No』の選択肢が現れる。
 初心者にいきなりボス戦に参加してもらうのは無理だと思いながらも、カズヤは彼女が『Yes』を選んでくれる事を望む。
 そして、サヤは答えを出す。
「私は……あなたと一緒に戦いたい。他の人とも少しは話したことがあるけれど、あなた比べるとあまり話さなかった。あなたが初めてグループに誘ってくれた。だから教えてください! どうやったらグループを組めるんですか!?」
 予想外に返事は快い物であったが、最後の言葉は予想できなかった。いや、どんな人間にも予想できるものではなかっただろう。
「普通に『Yes』押せよ! バカか!? 天然か!? 狙って言ってるのか!?」
「え? 普通に『Yes』でよかったんですか?」
「いいに決まってるだろうがっ!」
 予想外になのか予想通りになのかはよく分からないが、素で言っていたらしい。
 サヤが『Yes』を押し、視界の端に彼女のステータスが現れる。HPとMPと共に問題は無さそうだ。
 そしてその直後、ビッグスライムは五、六メートルほど跳躍した。足のないあの液体のような固体のようなよく分からない体でどのようにして跳躍したのかは分からないが、これはゲームだからと納得するしかない。
 こちらに向かって落ちてくるビッグスライムを避けるため、カズヤはサヤを掴みながら後方へと飛ぶ。
「ひゃっ」
 状況をよく理解できていないサヤが悲鳴を上げる。そして地面で何度か転がった後に体勢を立て直す。
「最初に聞いとく。武器はなんだ?」
「弓です。スキルは……」
「いや、聞くのは武器だけで十分だ。策戦を言う。とりあえず離れた所から矢を撃ちまくってくれ。以上だ」
 策戦はとても簡潔なものだった。それこそ、誰にでもこなせそうなほどに。
「ボス相手にそんな単純な策戦で大丈夫なんですか?」
「大丈夫だ、問題ない。このゲームではPK《プレイヤーキル》が無いからお前の攻撃が俺に当たる事は気にせずに撃ちまくってくれ。まあ、矢が俺に当たった時に俺の攻撃の軌道が逸れるかもしれないからなるべく当ててくれないほうが助かる」
 そして、一呼吸だけ空けてからこう告げる。
「さあ、戦闘開始だ!」

#日記広場:自作小説

アバター
2011/01/31 20:57
サヤはまあ、VR(ヴァーチャルリアリティ)系のゲーム&ネトゲが始めてだからよくわかってない……みたいな?w
アバター
2011/01/31 20:47
今のまま行けば…コイツは只のb(ry
なんだろ? 箱入り娘って感じでしょうかねぇ?
ただ単にゲームが苦手なだけだったらそれはそれで…w
アバター
2011/01/31 20:09
明日は戦闘シーンから始まりますよー。

サヤは天然。ウザくない天然として書けるように頑張りたいですw
アバター
2011/01/31 20:07
なんか、いいとこでおわるですね。

サヤかぁぃぃwww
アバター
2011/01/31 20:02
>>ネロ
当たり前だ!(調子に乗ってる)

>>戯言使いさん
しかし天然ではなくただ単にゲームが苦手なだけな気もするw
まあ天然なのも真実だけどねw

>>ゆんさん
サークルですか……。サークルに入っても掲示板に書き込んだりすることはほとんどないんですよね……。入っても名前だけ、みたいな感じにはなりたくないので入らないことにします。すみません<(_ _)>
アバター
2011/01/31 19:38
よくできてると思うよ^^
アバター
2011/01/31 19:29
良いとこで終わりましたね^^
きたwサヤの天然ww
アバター
2011/01/31 19:25
ブログ広場から来ました☆

ゆん♪は今、読書のサークルをやっています!!

良ければ入ってくださいね♡

「ゆん♪」で検索です     凸凹ポチッッ
アバター
2011/01/31 19:11
今日はここまでですー。

……なんというか2000文字までしか書けないというのがキツイですw
キリ良く終われる場所を探すのが大変で……w



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