Children's Fantasy ...
- カテゴリ:自作小説
- 2011/02/02 19:56:08
第一章 其の五
店を出た二人は町を出るための門へと向かう。今日は西の森で狩りをする予定なので西側の門へと向かっている。
二人の周囲にはカズヤ達と同じ目的を持っているのか二、三人で固まって歩いている人間が多い。やはり休日は友達と仮に行きたいと思うのだろう。
「そういえばサヤは部活に入ってないのか?」
よく考えてみればここにいるという事は、今日は部活がなかったのか部活に入っていないかのどちらかだ。
「いえ、入ってないですよ。そう言うカズヤくんは?」
「そりゃあ春休みにこのゲーム買えたんだぞ? 『Children's Fantasy』を堪能するために入ってないに決まってるだろ」
「あはは、私と同じ理由で入ってなかったんですか。奇遇ですね」
今ここで男女二人で色々と楽しんでいるのは、なんだかんだで青春の一ページを刻んでいるとも言えなくもないので問題ない気もする。しかし高校生活で友達の輪を広げることもそれに繋がるであろうから、部活に入らないと言う事はどうなのであろう。
「……と言いたいんだが、ウチの学校は絶対に入部しなくちゃいけなくてね、活動の少ないパソコン部に入ってる」
「……共通点を見つけて嬉しくなってた私が馬鹿みたいじゃないですか……」
しかしカズヤは、サヤの信頼を一瞬で壊してしまった。もしもこの場に明日香がいたのならば後ろから飛び蹴りを食らっていても文句は言えない。
「だけどまあ、ホントに楽だぞ? 放課後は簡単なブロック崩しのゲームのプログラムを組んだり……ここだけの話、部室ではみんな携帯ゲームを持ってきて通信対戦をやってるんだ」
「……それはどこの学校でもあることじゃないですか?」
真面目な顔をして仲間内だけの秘密を話すカズヤに対し、真面目な顔をしてサヤはツッコミを入れた。
「いっ、一応言っとくけど俺はもって言ってないからな!」
「それじゃあ逆に『持って言ってる』って言ってるみたいなものだよ……」
「……と言うのは冗談で、本当に持って行ってないからな?」
「……どっちなんですか……」
どちらとも取れるカズヤの言葉に、サヤは困惑しつつも苦笑いを浮かべる。今抹茶でも飲んでいるのではないかと思うほどの苦笑いだ。
そんなやり取りをしている内に、もう前方には西側の門がある。
二人は門を通り抜け、NPCの存在する『タウンマップ』からモンスターの出現する『フィールドマップ』へと移動する。
「さて、サヤ。狩りは町に帰ってくるまでが狩りだぞ。死んで町からやり直しなんてことが無いように気をつけろよ」






























次回は……ちょっと先のことになりますね……。
ちょっと面白いかもww
次が気になるなぁ。
ストックが尽きたからしばらくは小説をUPできないです。