魔王→勇者
- カテゴリ:自作小説
- 2011/02/04 19:44:00
プロローグ 其の終 ※これは『Children's Fantasy』ではありません。別の話です。
魔王が止めに入り、勇者は九死に一生を得た。
魔王がやめるように言っているのに勇者に制裁を加えるわけにもいかなく、勇者の仲間達は武器を降ろす。
魔王はいつの間にか空間移動の魔法を完成させ、出現させた扉を潜ろうとしている。その背はよく見れば、何かを堪えるように小刻みに震えている。
それを見て勇者は、ようやく「あれは本気だったのではないか?」と思い始めた。
だが魔王は好きではない。魔物には両親を殺された恨みがある。たとえこの魔王本人が手を下したのではないのだとしても、憎しみが全くないと言えば嘘になる。
しかしそれでも、今は何か言葉をかけなければならないと思う。そうしなければ後悔するだろうと思う。
だが魔王の恋人になるというのは嫌だ。いきなりそんな関係になろうとは思わない。そうなるとしてもまずは友達からだと勇者は思う。
ならばどうすればよいか、もう時間は無い。あと一秒もしない内に魔王は扉の向こうへ消えてしまうだろう。
そしてようやく思いつく。それは焦っていたせいもあって、そして勇者が馬鹿なせいもあって、もっと良い方法もあっただろうと言われても仕方のないものだった。
「恋人は無理だが――同居ならば構わないぞ」
こうして、この国での人間と魔物の戦いは終わり、勇者と魔王の共同生活が始まるのだった。
十数日後、魔物を人間と同等の存在と認める法律が認められ、正式に戦いは終わった。
魔王討伐に参加していた四人には何でも欲しいものが与えられることになった。
そして勇者が望んだもの、それは――
「同居人ができたので、新しくベッドが必要になりました。それなりに寝心地の良いものが、それでいて私の家に似合うようなものがもらえると嬉しいです」
――彼女のためのベッドであった。
…もしかして狙ってます?w
何、勇者アホなんですかw
勇者「いきなり恋人というのは早すぎだが……このまま放っておくのも後味悪い……。なら同居にするか」
みたいな感じですw
恋人はダメなのに同居はおkなんて、意味がわからんwww