ぶっちゃけエヴァって何なの? その5
- カテゴリ:アニメ
- 2011/02/05 01:21:10
今回の「その5」は説明上、便宜的にまとめてる部分が多いので、旧劇場版の展開を順序通りになぞったものではありません。でも非ヲタ向けの解説なんだからいいよね。
ネタバレにご注意!
最後の使徒を倒した後、物語はクライマックスへと向かう。ゼーレとネルフ(ゲンドウ)の協力関係は、生命の樹の第一条件「すべての使徒の撃破」までであって、生命の樹をどう使うかで対立。後手にまわってしまったゼーレは、エヴァ量産機(後述)の量産を急ぎつつ、軍隊をネルフ本部に送り込む。
贖罪の儀式を実現させないため、ゲンドウはロンギヌスの槍を廃棄しただけでなく、ゼーレが生贄にすると決めていたアダムを、自分の右手に秘密裏に移植していた。しかし、ゼーレが最終的にターゲットとした「神の子」は、知恵の実(リリスのDNA)と生命の実(使徒を食べて取り込んだ)を併せ持つ初号機だった。
贖罪の儀式のためには、12人の使徒を揃えなければならない。……しかし当然、これまでの使徒はすでに倒してしまったし、そもそもヒトと敵対する彼らがゼーレの言うことを聞くはずがない。そこでゼーレは、南極で回収したアダムのDNAから、意のままに操ることができる「ゼーレ版の使徒=エヴァンゲリオン」を作り出していた。
つまりゼーレにとって、リリスのDNAから作った零号機と初号機は、あくまで試作機に過ぎない。弐号機からが本来の目的に即したエヴァンゲリオンだったのである。
※ 弐号機はS2機関を搭載していない。弐号機の時点ではまだエヴァンゲリオンは完成していなかった。
ゼーレ版の使徒「エヴァ量産型」は、アダムのDNAから引き継いだS2機関(生命の実)を搭載していた。アダムを無力化させつつ、アダム製の使徒により近いクローンを作る=エヴァ量産型にS2機関を搭載させるためにも、ゼーレはアダムの、卵の段階のDNAに固執したのだ。
エヴァ量産型にはパイロットが乗っておらず、すべてダミープラグで動いている。また、S2機関を搭載しているので電力ケーブルが不要だ。
結局12体の数は揃えられなかったが、ゼーレは9体のエヴァ量産型で贖罪の儀式を敢行した。生命の樹が現出し、初号機は中央に磔にされてしまう。
「神の子」に搭乗するシンジの追い詰められた心(デストルドー)は、宇宙空間にあったロンギヌスの槍を呼び寄せ、初号機を串刺しにする。こうして贖罪の儀式は完成した。セカンドインパクトの時と同じエネルギーが、エヴァ量産型のサポートによって膨張し、地球の全人類を原始の姿へと戻すのである(サードインパクト)。
ヒトはリリスの体液まで戻って、ひとつになっていく(各々のATフィールドが消滅し、自他の境界線がなくなっていく)。
そして今回は、原罪を贖ったため、ヒトはリリスの胎内に還る(生まれる前に還る)ことを許されていた。現行人類は完全なる単体のヒトとして、リリスの胎内から新生し始める。数々の弊害や誤算はあったものの、ゼーレはどうにか人類補完計画の達成にこぎつけたのである。
一方、ゲンドウの目的も達せられようとしていた。あとは人類がリリスを媒介にして、生命の実を獲得し、完全なる神へと新生するのみだ。
何故リリスを媒介にする必要があったのか? 禁断の実を食べることができるのは、リリスやアダムといった「生命の源」だけ、だからである。
仮に使徒がヒトの遺伝子を得たとしても、知恵の実を食べたことにはならない(渚カヲルは神ではない)。同じく、ヒトが使徒の遺伝子を得たとしても、生命の実を食べたことにはならない(ゲンドウの右手にはアダムが移植されたが、ゲンドウは神になっていない)。
まずヒトはリリスの体液まで戻って、リリスとひとつになる(リリスを地球にやってきた時の姿に戻す)。そしてリリスに生命の実を食べてもらうことで、リリスとともにヒトは単体の神として新生する、はずだった。
ところがリリスはゲンドウによる支配を拒絶し、シンジと同化する。
ヒトが贖罪するか、神となるかは、碇シンジの心に委ねられた。
贖罪し、楽園で庇護されていた頃(知恵の実を食べる前)の姿に戻るのか? それとも生命の実を食べ、神と同等の存在へと進化するのか? どちらにせよ、群体であるヒトが単体となるプロセスは欠かせない。あの「巨大な女性」は新生するヒトの姿なのだ。
(ゼーレとゲンドウの計画はプロセスが似ているが、リリス「から」生まれなおす/リリスと「ともに」生まれ変わる、という点が違っている)
ただひとり生命の樹へと辿り着いたシンジの答えは――
(結末は内緒ね)
おしまい。えーと、60%くらいは合ってると思うよ?d( ̄∀ ̄;)
「初見で理解できないアニメってどうなの?」という意見もわからなくはないんですけど。
その点では評価がばっっっさり分かれるかもしれませんね。
>ラストシーンの考察も見てみたかったところですが、
結末は「解説」というよりも、主観的な「解釈」になっちゃいそうなので、伏せておきました。
結末が気になる方は旧劇場版を探してね!(それも酷な話ですが)
……あれ? 私、エヴァのファンとみなされてる???
「甘き死よ来たれ」までの解説お疲れ様でした。
ゼーレ、ゲンドウとかの目的と手段がよくわかった気がします!
ラストシーンの考察も見てみたかったところですが、自分なりの結論をもっておくのもファンの有り様ですよね。
新劇場版はいうまでもなく漫画版もアニメとは違った展開になってきたので、どちらも結末が楽しみです!
それにしても漫画版いつ終わるんだ・・・
次にエヴァを見る時には、以前よりかなり理解できそうですよ^^
リィさんありがとう〜
近年のアニメは劇場版と連動してマーケティングしていくってのがデフォみたいですねー。
旧劇場版は見たんだけど、全体的に抽象的で、7割意味合いがよくわからんかったってのがw