～これまでのあらすじ～

　仲良く初詣を済ませた後、紺野先輩ったら「君も一流大学においでよ」だなんて……カノジョの進学先を縛るカレって、どうよ？　ミヨとカレンの意見が聞きたいワ。

　ミヨ「どうせバンビの進路も一流大学」
　カレン「キャンパスライフを一緒にエンジョイしちゃうわけね」

　ちょっとぉ、私が欲しかったのは同意なんだけどさ？

　※　「一流大学」は「いちながれ　だいがく」と読みます。

　紺野先輩は受験生です。だからね、「あんまデート誘ったら迷惑よね」と思って、こっちからは誘わなかったの。たまに紺野先輩から（たぶん息抜きとして）誘われるくらい。

　３月に紺野先輩は卒業し、次は私が受験生に。よーし、勉強がんばるゾ！

　と思ったら電話が毎週のように鳴りまくって、

　電話「次の日曜って空いてるかな？」

　電話「次の日曜って空いてるかな？」

　電話「次の日曜って空いてるかな？」

　こっちは受験生っちゅーてるの知ってるでしょ！　誰のために一流大学目指してると思ってるの？　とにかくガンガン電話でデートを申し込まれます。

　きっと「ガンガンいこうぜ」の作戦で戦ってるのでしょう。もしくはライアンだから「たたかう」以外にすることがない、とか？

　デートを申し込まれる場合、場所の指定まではできないのよね。も～、お花見とか計画してたのに、ちょっとはカノジョの意見も参考にしなさい！　参考書の紹介はもういいから。

　とはいえ紺野先輩の焦りっつーか、余裕のなさも、わからなくはないのよ。紺野先輩と私は別々の学校にいるわけで、これまでのように簡単には会えない。それに「はばたき高校」には美男子がたっくさんいるのです。

　しかも私の周りに集中して存在しているのです、何故か。

　ただでさえ私ってばルカ＆コウの幼馴染ってポジションだし。『宝皇学園ＭｉＳＯＲＡ組』で言うなら「夜陣と諸星従えて最強の啓ちゃん」くらい？　それが私の基本ステータスなの。

　そのくせ紺野先輩は同期の女子大生と仲良くしちゃってて、見せ付けたりするのよ。

　私「帰ります」　　　　イラッ☆
　紺野「え？　そう？」

　本気でとぼけていらっしゃるの、先輩？

　まあ紺野先輩が卒業してるおかげで、私は悠々とルカくんやコウくんと下校できるんだけどね。なんだかコウくんの好感度が下がってるみたい……キュートやナチュラルのファッションが嫌いなのかしら。

　そうそう、紺野先輩からのデートコールの話よ。

　さすがに日曜日のたび呼び出されては、たまりません。次の日曜日こそカレンにファッションチェックしてもらおう、って時に「次の日曜空いてるかな？」。空いてません！

　お忙しいカレン様を捕まえるのは難しいのよ。第３日曜は部活でしょ、それ以外の休日に出かけても、他のイベントが発生したりするし。

　そこで閃いたわ。こっちから紺野先輩をデートに誘って、ず～っと先の日程を指定するワケ。そうすれば、その日まで紺野先輩からデートのお誘いは来ないって寸法よ。あったまいー！

　（みんな割と思いつくだろーけど）

　これで落ち着いて受験勉強ができるわね。生徒会活動で「学力」がガンガン上がってくあたり、きっと主人公、生徒会室を私物化して集中してるんだろーなー。学年トップの生徒のやることだから、ゼクスもムウもボーボボもクルルも文句言えないんです。

　反面、運動と魅力はガタガタ落ちていくわ……時々フォロー入れてるんだけど、生徒会でローズクイーンは難しいみたい。

　次回「先輩の次は誰を攻略しようカナ？」につづく。