Nicotto Town


夢と空と雲


心の思い出 ~サカノボレ20年~ パート2

「何でよ?」

秀の前に回り込み、上目遣いで少し目を潤ませ頼んでみる。

たぶん、「無理だ」という返事が待っているだろうけど、

遣らないよりかはマシよ!!!

「無理だ。」

予想通り過ぎたわね…

「無理なものは無理だ。」

スタスタと進んで行く…

うぅぅぅ!!!もう良いわよ!!!

でもせめて…

パシャッ

後姿でも良いか。

カメラの画面をみる。

パスッ

「ちょ」

カメラを誰かに奪われ、

反射的に後ろへ振り返った。

そこには___
「何だ?俺の背なんて撮って…
 いつもなら『待ちなさーい!!』とか行って追っかけ回すくせに…」

秀の驚きの表情を見て、つい戸惑った。

「なーんてな。」

「へ?」

ピ…ピ

「ほら」

カメラをホイッと返された。

画面を見ると、≪消去しました≫と表示されていた。

「嘘!?」

さっき撮った写真が消されていた…

なっ…なにすんのよ…!!!

あんたが『無理』って言ったのが悪いのに…

「なにすんのよ!!」

そう私が叫ぶと、くるっと秀が振り返った。

その瞬間、驚いた表情の秀が居た。

「お前…」

その時気付いた…

目から涙が出ていたのだ。

「えっ?嘘!」

つい、両手を猫の手にして頬に当てた。

顔が赤い…よね…

「何で泣いて…」

「あんたのせいだから…もう良いわよ!!!」

「おい、mバシッ

私の肩に置こおとしていた秀の手を叩いた。

「あっ…あぁぁ、もう良いわよ!!!秀なんて嫌いよ!!」

怒鳴り付けてやった。

もう良い、私あんな人知らない。

今日で卒業なんだし、忘れてしまえば良いじゃない。

あんな…奴…

・・・・・・・・・・・・。

「ヒクッ…ヒクッ…うぅ…」


分かってる。分かってる。

今自分が泣いてることぐらい。

フラれてなんかないのに…

私をあんたが本気にさせたんじゃない。

「あっ、公園…」

誰も居ない公園のブランコに腰を下ろした。

制服の袖で涙を軽く拭いた。

そして、空を見上げ秀に今まで言われたことを考えた。

「うるさい女だ。」「変な趣味だな…変態だぞ?」

「馬鹿なこと言うな…」「その笑い方止めたらどうだ?」

「…変なこと頼むな…」「フッ、変わった奴だな。」

「おい、こっちだ!逃げるぞ!」「大丈夫か…?」

「震えてるぞ?お前、怖いのか…」「泣きたいなら泣けば良いだろ?」

「いつもと違うな。そういうのも似合うんだな。」

「お前って、案外可愛いとこあるんだな。」

・・・・・・・。

あぁぁぁぁ!!!!顔が熱い!!

何で最後の方無駄に恥ずかしい事ばかり…

誰もいないけど、赤い顔が見られたくなくて、

地面をずっと観ることにしようとしたその時だった。

「七美!!!!!」

この声…!!

勢いよく前を向くと、そこには秀が息を切らし、

ヘトヘトになっている秀が居た。

私は卒業証書と記念品が入ったスクールバッグを投げ捨て、

ギュッ

秀に抱きついた。

「えっ」

安心したのか、涙が溢れてきた。

「どうしたんだ…急に抱き付いて、泣いて…」

「何でも良いじゃない…今はこうさせて…」

「あぁ…分かった。」

そしてどんどん時は流れてく…

そして不意に呟いた。

「秀…私はあんたが大好き…」

・・・・・えっ?

あっ、言っちゃた…

いつも学校で「付き合って!」とか普通に言ってるのに…

どうして!?どうして今のは恥ずかしいの!?

「知ってるお前が今まで何回言ってきた。」

そしてハァと溜息をついた。

あぁ、フラれた…ね…

だって溜息付かれた。

今まで言われてきた言葉って嘘…だったのかな…?

そんなことば信じてた私って馬k「お前は馬鹿じゃない。」

「えっ?」

今なんて…!!!

ギュッ

今度は秀に抱き付かれた…?に属するの?

何か丸め込まれてるって言うか…

「これで…返事分かるよな…?」

ボソリと言われた…

えぇぇぇぇぇぇぇ!!!!

今秀に抱き付かれてるからばれてないだろうけど、

今めっちゃ目見開いて、顔赤いんだよね…

あぁ、もう駄目…

「あり…がとうぅ…あぁぁぁ、もう帰る!!!」

秀を振り払いスクールバッグを拾い、

急ぎ足で帰ろうとしたけど…

「一緒に帰るぞ」と手を握られました。

なんか慣れないけど…まあいっか…

「どうかしたのか?」

気のせいよね、何かにヤついてるような…

「なっ、何でも無いわよ!!」

「本当か?」

「うっ、嘘じゃないわよ!!」

「フッ、ホントお前って思ってる事顔に出るタイプだな。」

笑ってる…

笑ってる方が似合うじゃない。

「煩いわね!」

「はいはい」




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