３話目ですｗｗ


























わんわんと泣いた翔は泣きつかれてそのまま寝てしまった。
俺の膝で眠る翔のサラサラの髪をなでると少し身をよじった。

Ｎ：「・・・かわいいなぁ。」

大人相手(本当は子供なのだが)にこんなことを言ってしまった自分に驚いた。しかも相手は男。だがその外見は女よりも可愛いのである。
長い睫毛が頬に影をつくっている。ふっくらとした唇は半開きで規則正しい寝息が聞こえてくる。無防備なその姿に俺は思わず胸が高鳴った。

Ｎ：「・・・キスしてぇ。・・・って、なにいってんだ俺！」

少し大きな声をだしてしまったが翔は一向に起きる気配がない。

Ｎ：「少しだけなら・・・気づかないかな。」

いやいや、落ち着け。と、自分の考えを打ち消した。相手は男。翔だっていきなり俺にキスされたと分かったらきっと俺を嫌うに決まっている。
しかしちらっと翔の姿をみると欲が押さえられなくてたまらなくなる。

なんだ、これ。俺・・・惚れたのか？男に。

俺は自分が自分じゃないみたいになっていた。翔にゆっくりと顔を近づけて頬に軽くキスをした。翔はんっ、と少しだけ甘い声をもらした。
その声を聞いて唇にキスをしたら翔はどんな声をだすんだろう、と好奇心や欲の心が俺の中をぐるぐるとまわった。

Ｎ：「少しだけなら・・・いいよね。」

俺は翔の唇に指を当てた。起きる気配はまったくない。
俺は翔の頬を両手で持って唇を重ねようとした。

そのとき、寸前でぴんぽーんとチャイムの無機質な音がした。
しかも何回も何回もしつこく鳴らしてくる。
俺は勢いよく翔からサっと離れ、玄関に向かった。

Ｎ：「・・・はい。」
Ａ：「あ、にのちゃん！もう、おそいｙ「さようなら～。」ちょちょちょ、にのちゃーん！」

俺が玄関のドアをしめようとすると玄関にスライディングしてきやがった。ちくしょう、このＫＹあいばか。

Ｓ：「おにいちゃん？どうしたの・・・？」

翔が不安そうに玄関にでてきた。え、てかおにいちゃんのままの呼び方だったらなんか相葉さんに変な勘違いされちゃうじゃん。そう、思った俺は翔を少し連れ出した。

Ｓ：「どうしたの？」
Ｎ：「ん？お客さん。それから、今度からは和、って呼ぶ事！」
Ｓ：「うん。わかった！」
Ｎ：「あれ？ってか普通に話せてない？」
Ｓ：「あ、たまに副作用が出ないときがあるからねぇ。」

普通にしゃべる翔は誇らしげに見えた。
翔を違う部屋において俺は相葉さんが待つリビングに向かった。
相葉さんはソファーで雑誌を読んでいた。って、誰の家だここは。
なんで翔を連れてこなかったのか、だって？相葉さんが絶対惚れちゃうから。だって翔、相葉さんの好みの顔なんですもん。

Ａ：「あ、にの。遅いよっ！」
Ｎ：「パンかなんかもって来たんでしょーね。うちなんも無いですけど。」
Ａ：「あひゃひゃ！もちろん持ってきたよ！ねぇね、ところでさ・・・」

にのって家に子供住んでる？

Ｎ：「は・・・？」

一瞬相葉さんがエスパーに見えた。なんで相葉さんが翔を知ってんだ？疑問ばっかが頭の中にあった。

Ａ：「いや、さっき玄関に子供靴があったからさー。」

う・・・そういうことか。一瞬でも相葉さんをエスパーと疑った俺がバカだった。
俺がなんとかいいわけをしようとするとトタトタと階段を下りる音が聞こえてきた。
嫌な予感がする。
少し席を外そうとするともう遅かった。
リビングに翔が入ってきたのだ。

Ｓ：「おにい・・・あ、かず？トイレってどこ・・・？」
上目遣いで聞いてくる翔はもう鼻血物だった。
案の定、相葉さんは翔をみて目がハートになっていた。

Ａ：「わーっ！キミ超可愛い～！」

相葉さんは猛スピードで翔に近づいてじろじろと翔の顔を見つめた。
翔はビクビクとなって涙目だった。

Ｎ：「オイこら。ばか。怖がってんだろ。」
Ａ：「え、だってさ、だってさ、超可愛いんだもん！ニノって妹いたっけ？」
Ｓ：「あ、あの・・・男です・・・。」

相葉さんは口をあんぐり開けて、男という事実にびっくりしている。しばらくすると相葉さんの目はキラキラと輝いていて翔にまた話しかけた。

Ａ：「男でも全然いいくらいめちゃくちゃ可愛い！ねぇねぇ、ニノとどんな関係！？」

翔は目をおろおろと泳がせて俺の服のすそをぎゅっと握った。無意識にやっているんだろうけど相葉さんから見たらまるで、

Ａ：「まさか・・・恋人！？」

そう、恋人と思っちゃうよね。翔の顔はぼんっと真っ赤になってふるふると首を振った。

Ａ：「えー！ニノいいなぁ。こんな可愛い恋人。」

ってオイオイ、否定してんだろ。

Ａ：「あぁ！そろそろ帰らなきゃっ！翔・・・だっけ。んじゃ翔ちゃん、ニノ！ばいばーいっ！」

そう言うとぴゅーっと新幹線のように走ってでていった。ほんっと、騒がしいヤツだな。
翔をみると嬉しそうに笑っていた。どうしたの、と聞くと俺があせってしまうような答えが返ってきた。

Ｓ：「相葉さんって、かっこいいね。優しいし。」


ＫＹライバル、誕生？




ああ・・・肩こったｗｗ