名前を消した男 8
- カテゴリ:自作小説
- 2011/04/16 17:22:44
僕は今日の偽装自殺計画を断念することにした
誰にも見つからずに荷物だけを残して足取りを消すには準備不足だと思ったからだ
僕は地理の下見をかねて宿に徒歩で帰ることにした
宿に帰るには三陸鉄道北リアス線を利用するしかない
近くの駅は島越(しまのこし)駅
駅に行くには海沿いの陸中海岸自然遊歩道を利用するか山沿いの道をぐるっと回って遠回りするしかなかった
僕にはもうひとつの道が頭の中にあった
展望台近くにあった案内の看板の地図を見て思いついた道だ
『三陸鉄道のトンネルを利用すればいい』
その道は真っ直ぐに駅へと向かっていた
三陸鉄道北リアス線は単線でほとんがトンネルである
上り下りの列車は、この区間では約10分の間に行き合いその後一時間程列車が来ない
その列車が通過しない時間を利用してトンネルを移動し誰にも見つからずに足取りを消すのだ
僕は鵜の巣断崖の展望台から駐車場に戻った
展望台から駐車場までは約500m程でその道はよく整備されとても歩きやすかった
腕時計を見た僕はもう2時半であることに気がついた
『日が暮れないうちにトンネルの入り口を確認しとかなければな』
そう思った僕は駐車場から海岸に降りる道に入った
駐車場に止めてある車は一台だけになっていた
例の京都ナンバーの車だけだ
あの車のせいで今日の計画を中止したようなものだ
車には人影がなかった
海沿いの遊歩道は真木沢海岸から始まっていた
海岸へ降りる道は展望台への道とは比べ物にならないほど荒れていた
大地が揺れる10分前のことだ

























推理小説って実際に合わして書くから難しいですね
地図を調べたり時刻表を見たり
鵜の巣断崖は観光地なので資料がいっぱいで助かりました
でも予想は上手で行く所をうまく当てます
さすがにプロです
同じ行動を毎日してると先回りされちゃいます
まさか、揺れを予知して逃げた……と言う事はないですね ^^;
流石の組織も、災害10分前予想は無理でしょうから。