Children's Fantasy ...
- カテゴリ:自作小説
- 2011/04/21 22:53:59
第一章 其の十
「おめでと、サヤ」
サヤはと言うと、呆然としていた。勿論カズヤのせいである。
カズヤは本人は気付いていないが、HPが半分を切ったというのに回復もせず戦っていた。それだけでなく、カズヤの戦い方はかなりえげつなかった。
まさに狂戦士(バーサーカー)。いや馬鹿戦士(バカサーカー)だろうか?
「カズヤくん……恐かったです……」
少し泣きそうな声で言う。いや、実際に少し泣きかけている。目尻には、少しだけ涙が浮かんでいた。
もしも妹がこの場にいたら、カズヤの命は無いかもしれない。
「ん? 戦闘は全部俺がやったぞ?」
サヤは首を横に振り、否定する。
「いや、モンスターじゃなくてカズヤくんが……」
「んー? ああ、戦い方が少し悪かったか。頭斬り落としたりしたからなー。悪かったな、今度から気をつける」
少しは自覚があったのか、謝る。
「……本当ですか?」
「……努力はする。直せなかったらゴメン」
割と弱気だ。これだから妹から『ダメ人間』と言われてしまうのだろう。
「えっと……頑張ってください! ……でいいのかな?」
「別にいいんじゃないのか?」
投げやりだ。カズヤらしいと言えばカズヤらしいが。
しかしサヤはそれで納得したようで、少し頷きながら「これでいいんだ……」と呟いている。
カズヤはというと、モンスターが落としたアイテムを拾っている。見たところ武器等の高く売れそうなアイテムは無いようだ。落ちているのは『ポコポコの葉っぱ』や『クマッチョの鉄アレイ』等の店に売って換金したり、クエストで必要になってくる『その他』のアイテムや回復薬ばかりだった。
アイテムを拾い終えると、カズヤはもう一度剣を抜き戦闘の準備をする。
ごめんなさい。文字数の制限のせいで3回に分けないと投稿できないんです。今回は異常に短いです。本当にスイマセン <(_ _)>