名前を消した男 20
- カテゴリ:自作小説
- 2011/05/02 17:38:55
僕は嘘の世界だと思った
鉄道の高架橋は少しを残し後はすべて消えていた
その闇に突き出した道は、途中で暗闇に落ちる死への飛び込み口に変わっていたのだ
先には黒く向こうのトンネルの入り口がその口を開けている
僕は体の力がしだいに抜けていくのを感じ、立っているのが辛くなりその場に座り込んでしまった
『どうすればいいのだ』
答えはなかった
これからどうすればいいのか僕には考えも浮かんでこない
僕は寒さの中、ずっと座ったまま動くことができなかった
どれほどの時間が過ぎたのか、時間の感覚もすべての感覚が麻痺していた
『とりあえず先に進んでみよう』
僕は重い腰を上げお尻の泥を払った
ズボンの後ろが冷たく濡れている
僕は腕時計を見た
日の出までにはまだ3時間ぐらいある
『誰にも見つからないようこの場を去らなければ』
僕は暗闇の中、先に進む道を探すため辺りを見回した
どこも高架下の地上は茶色い泥の沼が一面に広がって、その中にいろんな残骸が散らばいる
トンネルを抜けてすぐは山を削った形になっていて、土でできたのり面が地上まで続いている
その土の斜面が無くなった先にコンクリートの高架の残骸が桟橋のように突き出しているのだ
僕は斜面を滑りながら降りた
降りた所にはまだ海の水が残っていて、大きな水溜りをなしていた
それは茶色く濁り青い海の水には程遠い
一面に散乱したゴミのような建物や家具の残骸そして日々の生活用品の山が僕の行く手を塞いで邪魔をしていた
僕はゴミの迷路なった水溜りを海岸を目指して歩いた
一歩ずつ体のバランスを保ちながら、散乱物の中をある時は乗り越えまたある時は避けながらゆっくりと進んだ
振り返ると突き出た高架下の残った数本の柱が斜めになっていて、今にも崩れそうな感じだった

























30年ですか
10年がひと昔だからさん昔
そのころには乗り物も変わってるかも
30年前は電気自動車なんてなかったような気がします
捨てるものが無い人間はこんなとき強いでしょうね
何も持ってないけど今パソコン無くなると辛いです
全体にじゃなくて自分だけがこんな目になったら生きる目的を失います
そこから先、仙台まで、30年はとまっているかな
まだ電車が走っていた時の映像が、すごく昔の事のように思えてなりません。
僕は、あの瓦礫の中で どうするのでしょう。
あの中に立ったら、人生観が変わりそうです。