Nicotto Town ニコッとタウン

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名前を消した男 22


白色のライトの光が照らしだしていたものはすべて残骸だった
僕はあちらこちらとライトで照らす所を変えその後を視線で追った
その時一瞬目に止まったものがあった
『人間の形をした残骸』
僕はライトを動かすのを止めそこを照らし続けた
その光の中にあったものは波に浮かぶ人間だった
ぴくっとも動かずただ寄せては引く波に合わせて浮かんでいた
『もう死んでいるだろう』
僕はまた死体を見つけてしまった
すべてが破壊された町に動くことも考えることもできない人間の残骸
僕はそれらを目の前にして感覚が麻痺しまっているのを感じた
何の感情も湧いてこなくなっていた
死体を見ても恐怖さえ感じなかった
この人も地震の前、いや津波に巻き込まれる前まで生きて動いていた
津波から逃れるために必死に逃げたかもしれない
それなのにこの姿はなんだ
僕は一言、呟いてしまった
「なんだろう人間って」
僕は疲れ果てそれ以上考えることもできなかった
ただ呆然と波に合わせて動く、自らは決して動かなくなった人間をしばらく見ていた
いつの間にか目の前の死体に自分を重ねていた
僕の視界に暗い海の底が見えてきた
皮膚で感じる冷たい海の感覚
水中で耳に入る水の音
そして波に合わせて浮いて海岸に打ち上げられる感覚
生きている自分の感覚を死体に投入してしまっていた
それらは生きている僕を死体で確かめているかのようだった

ずっと眺めているうちに僕にある考えが浮かんだ
『目の前の死体に僕である印をなんか残せたら』
僕は自分のズボンの後ろポケットから財布を取り出し
その中に入れている免許書を引き抜きそれを開いた
ライトで照らした免許書で僕の目に一番に入ったのは顔写真だ
「顔か」
目の前の死体が僕の顔に似てるといいと単純に思ってしまった
けれど死体は顔の前に体格が僕と全然違っていた
僕は他の死体を捜して海岸を移動した
何体かの死体があったが性別や身体つきがちがっていた
僕が諦めかけて海岸の一番端まで来た時だ
身長も体格も僕に似た死体を見つけた
僕その死体の持ち物を調べてからズボンの後ろポケットにわずかな現金と僕の免許書の入った財布を入れボタンをした
遺体を海に戻した僕は発見が遅くなる事を祈った
そして僕は急いでその場を立ち去った

#日記広場:自作小説

アバター
2011/05/08 12:53
そうですね
現実には難しいと言うか不可能でしょうね
でも歯医者に歯型が無く遺留品をすり替えることができれば
と、考えるしだいです
アバター
2011/05/08 00:39
水死体は、服を着ていない事があるそうです ^^;
水流に もまれて 死後硬直がとけ、関節が緩むので、服が脱げて流されるのだとか ^^;;

検死作業には歯医者さんも駆り出されるそうですね。
DNA鑑定までされると、入れ替わりは難しいかもしれませんよ。
アバター
2011/05/05 20:34
乾燥した遺体の指紋はいつまでも残るそうです
ちょと話の筋書きを変えました
アバター
2011/05/05 12:16
この度は災害に遭われてお亡くなりなった方々のご冥福をお祈りします
これは作文の練習であり書かれている内容は事実とはまったく関係ありません
作文の登場人物のしている事は犯罪です



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