名前を消した男 23
- カテゴリ:自作小説
- 2011/05/05 22:34:57
県道44号線に戻った僕は田野畑村に続くトンネルに入った
トンネルの出口が向こうに見えていた
重い足を引きずるように歩いた
『これが成功すれば僕は津波によって死んだことになる。そして僕の名前がこの世から消え僕も消えることができる』
僕は心でそう思った
僕は疲れていた
僕をいま動かしてるのは憎しみだけだった
すべてを失わせ、僕をどん底に落とし込んだあの女への憎しみだけだった
もしも地震が起こっていなかったら今頃こんなことはしていないはずだ
僕はリュクの重みで背中に拳銃を持っていることを思い出した
『なんで拳銃なんか持っているんだろう』
僕はちょと不思議な気がした
あまりにも現実が僕の感覚を超えて進みすぎている
現実と僕の意識の差は大きすぎた
『みんな夢ではないのか』
ありふれた言葉が僕の頭に浮かんだ
僕が現実を受け入れるには自分の意識を変えるしかなかった
トンネルの出口にたどり着いた
県道は海に向かってカーブしていて田野畑村の様子は、ここからでは山に遮られて見ることができなかった
『ここも津波にすべてやられているだろう』
僕には簡単に想像ができた
今まで見てきたのと同じ現実がそこにあるだけだ
違うのは津波に遭った人々がそこに居ることだろう
過去を捨てた僕と津波ですべてが無くなった人々
僕には何か共通するものがありそうな気がした
けれど僕を知られることは許されない
『僕は僕でないのだ』
自分にそう何度も言い聞かせた
僕は時計を見た
時計は朝の4時になっていた
『旅人になりきるのだ』
僕はホテルへの道を急いだ

























けれど自分だけだと他の人が羨ましく見えるものです
僕は苛酷な現実のなかどんな夢をみるのでしょう
過酷と苛酷ではちょと違うような気がします
拳銃持ったら車の運転と同じで人間性が変わるでしょうね
持ったことないから分からないのが本音です
もし持ってたら撃ってみたい人、沢山います(冗談でぇ~す)
つき付けられるのでしょうね。。。
つい持ってきた拳銃。
使う時まで 僕は、心を正常に保てるのでしょうか?