Nicotto Town



日本の「原子力村」の実情を世界に伝える

河野太郎ブログ ごまめの歯ぎしりより
http://www.taro.org/2011/05/post-1015.php
2011年05月27・28日
5月26日から27日にベルギーのブリュッセルで開催されているClimate Parliamentに出席。

EU各国やインド、台湾などアジアから合計60人以上の国会議員、それに加えてEU議会議員やEU委員会メンバー、そして欧米、アジアの研究者、産業界からも多数が出席。この会議は台湾の支援で開催されているためか、中国の参加はないが、インドからは最大の8人の議員団が参加。

日本からは僕と川口順子参議院議員の野党2人だけ。産業界からの参加もなし。日本は影が薄い。
アジアに関しては、金曜日の朝一番に僕が福島後の日本のエネルギー戦略に関して話をすることと、東アジアを結ぶスーパーグリッドが大きな議題になっている。

またアフリカを中心に、発展途上国にいかに再生可能エネルギーを広げていくか、そのための資金をどうするかということが特に議題として取り上げられ、それに関するセッションもある。

EUからの参加が多いため、高圧直流線で結ぶスーパーグリッドの議論が盛んだ。
現在、オフショアの風力発電の世界シェアは、イギリスが52%でトップ、次いでデンマーク23%、ベルギー、ドイツ、フィンランドと続く。もっとも岸から遠いのものは海岸線から50km離れていて、平均すると深さ40mのところに建てられている。

イギリス、北海、ドイツ、ベルギー、ノルウェーなどのオフショア風力発電をスーパーグリッドで結び、アルプスの水力発電やイベリア半島の風力発電、そしてサハラ砂漠の太陽光発電を繋ぎ、川や運河、鉄道の線路などを利用してスーパーグリッドでロンドンからミュンヘンまでを繋ぐ大規模なスーパーグリッド構想が現実に採算性の議論に入っている。建設に6年、40年の耐用年数という想定で、ROEの試算が公開された。

インドネシアの地熱、中国とオーストラリアの砂漠を利用した太陽光などを繋ぎ、オーストラリア、インドネシア、インドシナ半島、中国、朝鮮半島、日本を結ぶスーパーグリッド構想を検討すべきだという提言も出された。

通信回線と同じようにアジアにもスーパーグリッドを引き回すという構想だ。

この他に太陽熱発電と薄膜太陽光も専門家からプレゼンテーションされる。太陽熱発電は蓄電効率が太陽光と比べて高いことが評価され、薄膜太陽光発電はコストが2014年までに現在の4分の1以下に下がると予測されている。

再生可能エネルギーの問題点ばかりを「有識者」が指摘する日本と現実に再生可能エネルギーの可能性を極めて具体的に突き詰めている海外との格差を肌で感じた会議初日になった。

Climate Parliamentの2日目。朝9時から2日目最初のプレゼンテーション。

プレゼンのテーマは、福島後の日本のエネルギーの選択だが、やはり事故につながった日本の「原子力村」について、詳しく説明をしなければならない。

核燃料サイクルという日本の政策のどこがどうつじつまが合わなくなってきたか、「原子力村」というみんなが利権に関わっている構造の中で政策がどうゆがみ、安全がどう空洞化してきたか、総括原価方式や地域独占という日本独特の業界構造、そして、これからどこに行くのか。

政治、官僚、学会、メディアが電力とどうつながってきたか、それぞれがどう利権に関わってきたか、日本の「原子力村」の現実は、外国の議員にとっては驚きだったようだ。

スイスの議員から、スイスでも同様の利権構造が存在するという話がでた。スイスでは、議会の決定を住民投票でひっくり返したそうだ。

日本に住んだことのあるイギリス人のジャーナリストが、なぜ、地域独占の電力会社があんなにコマーシャルを出すのか不思議に思っていたが、その謎が解けたと笑っていた。

コストに利益を載せて電力料金を決める総括原価方式の説明では会場から笑いが出た。いかに再生可能エネルギーのコストを下げるか、資本コストを削減するかという議論がグループセッションで行われている中で、コストがいくらかかっても利益を載せて料金で回収できるこのようなシステムがあることにびっくりすると同時に、これでは日本の再生可能エネルギーは進展しないねとみんな同情的だった。

原子炉の新規立地を今後やめれば、2050年までに日本の原子力はフェードアウトし、そこを省エネと再生可能エネルギーで埋めながら、足りない部分が出れば天然ガスという今後のシナリオを説明して終了。

質問はかなり活発で、セッション後、バルト諸国やインドなど、これから原子力に力を入れるぞという国の議員をはじめ、大勢のメンバーから声をかけられる。結局、延々と夜十時まで、夕食を食べながら、エネルギーの議論が続いた。

以上

世界の潮流からあきらかに外れている日本。
福島の事故は日本一国の問題ではなく、汚染が今後も広がり続けると
犯罪国家として糾弾されるようになるのではと心配になります。

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2011/05/30 01:21
スーパーグリッド おもしろそうですね
小さい自治体が 自前の発電設備を作った というのも いいけど
太陽光と風力で
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2011/05/28 20:59
日本の電力料金の決め方はおかしいですね。
コストダウンの努力をせず、無駄なお金を使ってしまいます。
まあ、原発の安全性に関わる部分のコストダウンのやり過ぎは問題で、
今回はその問題が顕在化したのだとは思いますが。
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2011/05/28 15:13
先日のG8の管首相の自然エネルギー20%拡大・普及するって・・・言葉だけ?
この会議に野党議員2名って・・・周囲の他国の議員は、その首相の姿勢に『?』でしょうねw
発言と行動が伴わないと、支持率上がんないですからw

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2011/05/28 15:07
本当に、、バカ丸出しですなぁ〜(^^;)

この際海外から思いっきり圧力をかけてくれ〜〜



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