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無名沼での出来事 6


無名沼では朝を迎えようとしていました
人間女性の遺体はすでに自己融解を始めていました
その横では河童のキュウリッパが変態生物ゴキカンデルを手に握ったままウトウトとしていました
沼の周りではカラスが騒いでしきりに鳴き声をあげ始めました
ゴキカンデルが最初に目を覚まし、キュウリッパの手の中で言いました
「お前、ちょと臭いな」
続いてキュリッパが目を覚ました
「君が臭いのでは」
キュウリッパとゴキカンデルは異様な臭いに気付き会話を始めました
「もう放してくれ。遺体が腐りだしたぞ。もう食えへん」
「ほんとうだ。変な臭いがしてる」
「俺が食う前にバクテリアがもう食い始めた」
「腐りだしたんだね」
「死後硬直もしてガチガチだしますます臭くなるぞ。それよりも早く俺を放せ」
ゴキカンデルを地面に置いたキュリッパは手を広げてゴキカンデルを自由にしてやりました
「この遺体どうしよう」
「そんなもん知るか。放って置けばそのうちに土にかえるだろ。俺はこれで消えるぜ。お前のせいで女を食いそこねた。まぁ女なんか腐るほどいるから次ぎの女を探せばいいだけのことだけど、最近はピチピチの女は少ない。ばぁばぁばっかりだ。その女をカラスが狙ってるぞ。気をつけな」
ゴキカンデルはあっと言う間に飛んで消えてしまいました
残されたキュウリッパは遺体をどうしていいのか分からず悩んでしまいました

そこへ一匹の虫妖怪が飛んで来ました
「ぶんぶんハエが飛ぶ。死体の周りに、ぶんぶんハエが飛ぶ。おはよう動物妖怪のカッパ君」
「おはよう。虫妖怪のフンスイバエ君」
「死体の臭いがしたから飛んできた」
「良く分かったね。だいぶ臭くなってきたからな、この遺体」
「ほんと、いい臭い。この臭い好きだよ」
「えぇ、この臭いが好きなの?」
「うん、我々ハエ族に繁栄を約束させる臭いだよ」
「この臭いがいいなんて君はどんな鼻してるんだよ」
「こんな鼻だよ」
フンスイバエは得意そうに自分の短い触角をグルグリ動かしました
「フンスイバエ君の鼻は変わってるね。鼻とは思えないね」
「そんなことより、その遺体に卵を入れなきゃ。うじ虫をわかせないと。それが虫妖怪ハエ族の仕事なんだ」
「妖怪にそんな仕事があるとは知らなかったよ」
「卵はすぐかえりうじ虫になるよ。うじうじ動くうじ虫の大群が死体の内臓を食べるのさ」
「おぉ、ぞぉぞぉぞぉだね。げぇげぇげぇよりすごい」
キュリッパは背中に寒いものが走るのを感じました
こんなちっちゃな妖怪でも人間に恐怖と救われない気持ちを与えることができるんだと感心してしまいました

#日記広場:自作小説




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