Nicotto Town


アニメ日記


Colorful

原恵一 監督作品です
子供向けではないという意味ではないですが、
これはむしろ親に見てほしいような内容かもしれませんね。
なかなか良かったです。
イジメ、自殺、援交、不倫、受験など題材が非常に重いですが
かなり真面目に作られています。
メッセージ性は強いと感じました。
リアルすぎるくらいの描写がいいですね。


概要
既に死後の世界で過去に重大な罪を犯した為死んだ言われる主人公「ボク」
幸運にも人生をやり直せるチャンスを手に入れましたと機会をもらう
人の体に入り一定期間過ごしている間(ホームステイ中)に
自分の犯した罪を見つけられれば生き返ることが出来ると説明する
人生再チャレンジのガイド役「プラプラ」

ホームステイ先は「小林真」の体、病院で死ぬ直後に入れ替わる。
しかし「小林真」の記憶はなく戸惑う主人公
生き返ったと喜ぶ家族だが主人公には見覚えの無い顔ぶれ

共に暮すことになる家族だがいろいろ問題あり
「プラプラ」から家族構成を教えてもらいます
兄は成績優秀で出来の悪い弟「小林真」を疎んじている
母親は不倫、だが今はしていない様子
父親は優しい性格だがその為残業も多くいつも疲れ果てている、母親の事とか知らない様子
父方の祖母は既に他界
入院の理由は自殺
気にかけていた後輩の女の子の援交と母親の不倫現場の目撃
その翌日に薬物による自殺を図ったとプラプラに教えられます。
そして友達が一人もいなかったことも伝えられます。

それ以外の情報はほとんど与えられず限られた日々を過ごします

感想と解釈(ネタばれ)
元々自分ではない他人という意識からか家族に対しても第三者的に接してしまうんですよね
事前に知らされていた母親の過ち、嫌悪に満ちた主人公の母親への苛立ちと態度
息子が生き返り本当に喜ぶ母親、レトルトだった食事から手作りの食事に変えます。
しかし息子は食事を口にせず、スナック菓子を食べ続けます。
毎日食事を口にしないのはなぜか分からず困惑する母親
次第に自分に対して嫌悪を向けられているのではと疑念
話もしてもらえないなど徐々に疑念が確信に変わったとき
母親はどんな気持ちで日々過ごしていたのか
母親の犯した過ちが息子に知られたときの母親の気持ち
生きてさえいればいいと思っていた息子が自分の行動が原因で自殺したのではないかと思う気持ち
母親の精神はかなり追い詰められていたと思います。

それでもかかさず毎日食事を作り続けます。

ご飯しか口にしない息子の隣ですすり泣く母親
灯油缶をこぼしてしまった時はもう限界って感じでつらかったですね。


母親の描写がすさまじいです。
もう胸がきりきりと痛くなってきます。


真は早乙女との出会で大きく変わってきます。
買い物に行ったり進路の話や玉電の跡地めぐり等
友人とのごくありふれた楽しい日々が描かれます
最初は気晴らしだったかもしれませんが
この頃から真もボクも関係なく楽しむことを実感したと思います。
そしてそれはかけがえの無い友人が出来たことでもあるんですよね


家族四人集まり食事前に進路の話が出ます。
真の為に色々な高校のパンフを集め見学もして高校を紹介する母親
それは真の好きな美術課がある高校
兄が医大の受験を諦めたのはこの高校の為かと母を追求する真
真のやりたいことが出来ると高校を選んだのは兄でした
真の自殺後から残業をしないようになり一緒に食卓にいるようになった父親
塾の合間に食卓には必ずいるようになった兄
真は最初に聞いていた(真の生前の時の)家族とは違う一面をその時に感じたと思います。


そんな中、真は友人の行く高校を選択します。
兄はそんな真に苛立ち家族がどれだけ真の事を思っているかと叱責します
泣きながら初めて出来た友達と一緒に過ごしたいと訴えます
自分の意思を気持ちを家族に対しぶつけたのはこれが初めてなのでしょう。


そして真が初めて食事を口にするところを恐る恐る見ている母親
真が食事を口にした後涙する母親
この食卓のシーンが一番心に残りました

母親の犯した過ちは決して許されるものではないけど
真を大切に思っている事はいつの日か分かってもらえると信じたいですね


父親と釣りや玉電などの場面も良かったですね

食事の際ハンバーグをこねている母親の手
そしてベッドでのシーツを掴む母親の手それらを連想し
真が手作りの食事を口にしない描写や
援交の相手が父親か他人なのかライターひとつで表現したり
かなり作りこまれていると思いました。


人はきれいな部分も醜い部分もあり一色ではなく色々な色がある
タイトルでもあるメッセージも十分感じました。
家族、友人の大事さを改めて感謝できるいい作品だと思います。
原作も読んでみたくなりました。


声優が最初違和感ありましたがこれはこれでよかったと思います
声優っぽくないほうが向いてますね、ただ演技はもう少しでした。
テンポが若干遅く感じましたが描写など行間読むにはまぁありかなと思いました




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