続「四角いむらさき」
- カテゴリ:小説/詩
- 2009/04/27 19:58:39
続きを書くのが遅くなってしまいました。
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=12603&aid=2698654
↑最初の記事です。
さて、まみちゃんの書いた紫の四角、その続きです。
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「クレパスは、そうかんたんに消えへんねんからね!」
次の日、私は母親に叱られた。私たちの描いた絵は
そこらの道一帯にあまりにも広くひろがっていたから。
母親は、近所にあやまりに行った。
その絵は、雨が降ってもなかなか消えず、私はむらさきの四角を
見るたび、まみちゃんの姿を思い出した。その四角は、しゃがんでいる
まみちゃんだった。---もっと仲良くしたらよかった、と、それを見るたび
私は自分の子供っぽい心を自覚させられた。
ある日、母親がむかいのおじさんに
「すみません、この絵、なかなか消えなくて」
とあやまっていると、そのおじさんが
「この絵、気に入ってるんや」と褒めてくれた。
私はびっくりして、嬉しかった。
おじさんは画家だった。でも、ふだんは冗談ばかり言っているような
人だったので、母親はまたその言葉も冗談なのだと思ったようで
笑った。おじさんも笑いながら、
「いや、ほんまにそう思うてるんです」といった。
私は隣にいてだまって聞いていた。
「とくにこの絵、おっちゃん気に入ってんねん」
そう言って私の顔を見て指差したのは、まみちゃんのむらさきの絵---
私は何かを見抜かれたような気がした。
見えないことが、こんなにも正しく伝わる、というのを知ったのは
この時だったと思う。
私は、はずかしいような、でも当然でホッとしたような気持になった。
すこしも言葉をしゃべらない、まみちゃんの絵。しかも道路の上の。
物事が伝わるときには言葉ではないことを知った。
目で見える形や、言葉だけに何かを求めて安心したくなるとき、
私はまみちゃんの絵を思い出す。
伝わるときには、言葉がなくても伝わる。心せよ。
:::
言葉は、伝えるためにある。
だけど、思いを伝える方法は言葉だけじゃないんだよね。
あたしは、言葉のない場所から生み出される愛情を知ってる。
どんなに甘い囁きがかつてあったとしても、それは結局、全て
失われてしまった。ひとときの余韻だけを残して。
なのに、ひとはなぜ言葉を欲しがるんだろう
かなわなかった約束が、どうしてこんなにも痛いんだろう
季節がめぐるたび、置き去りにされたあの頃の自分とふと出会う。
目を閉じて、通り過ぎるのを待つ。
ひたすら。
子供達(3歳と0歳)みてると 全力で相手にぶつかっていきます!
何を求めているか どうして 言葉が少なくてもわかるのか このお話しで理解できました。
赤ちゃんは鳴き声で全てを伝えてきたり
ちょっと今いろいろ考えちゃった(ノ◡◝)ペチ
まみちゃんの孤独。。伝わったのかな、さすが絵描き
まみちゃんの立場に立ったこともあれば、すっかり忘れて反対側にたったこともあったなぁ…。
心せよ。
簡単なようであって、難しいです〜(= =;)ね。
伝わる時は言葉じゃなくても伝わるのですね。
伝えたいことって、言葉じゃなくても伝わるかもしれませんが、
案外、伝えたくない時ほど言葉じゃなくても伝わってしまうものかもしれませんね。
ホント、心しときます・・・。