風が吹くとき レイモンド・ブリッグス
- カテゴリ:小説/詩
- 2011/06/19 15:22:33
図書館で借りました。
初版が1982年でした。ということはチェルノブイリ前なんですね。
このお話は核戦争を描いたものなので、東西冷戦の緊張感の中で書かれたものなのでしょう。「絵本」を想像していたらまったく違うものでした。
これはフランスの「バンド・デシネ」のようなコマ割のマンガです。
イギリスにもこういう形態のものがあったんだと知りました。
コマが小さくふきだしも小さいので読むのにはちょっと大変です。
しかし、素朴な夫婦の日常がつづられているのは映画と変わりません。
丸顔の平凡な夫婦が被曝していく中でどんどんやつれ、
変化していくのが、動画よりも強烈かもしれません。
先に動画を見ているのでなんともいえないのですが、
この夫婦は最後まで政府が救援隊を送って自分たちを助けてくれる、
と信じていたように思います。
動画でのコメントでは「ダメだと解ってるが、あえて元気付けようとしている」
という解釈の人もいましたが、絵本ではそうではないと感じます。
村上春樹氏のスピーチに「自ら地獄の蓋を開けてしまった」というような部分が
ありましたが、まさに今現実にこれらが進行中の日本を思うと
ただ、罪深く愚かしい事態になっているということを実感するだけで精一杯です。
今回の原発事故で農家を廃業することにしたいわき市の方のブログです。
農家の婿のブログ
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くやしい胸のうちが伝わってきます。そして行政の無責任な対応も…。