【女王様と槍使い】

村長クエスト★３にもなると、出てくるボスキャラもかなり手ごわくなってくる。
クマやイノシシなどは、突進や爪の振り回しで済んでいたが、そうもいかなくなってきた。

極寒の地に住むウサギ、ウルクスス。腹の甲羅で氷の上を勢いよく滑る様子から、ウサペンとあだ名をつけた。滑走する姿がペンギンに似ているからである。

密林でハーレムを作る黄色いトカゲは、襟状になっている袋状のトサカから、袋トカゲと命名。名前がややこしくて覚えられないからである。
（ちなみにロアルドロスのこと）

前回の記事で倒せないと嘆いていた、石頭の竜、ボルボロス。沼でごろごろしている様子が、うちの犬とそっくりで笑えた。

これら３体のモンスターは、いずれも何かこっちに投げてくる奴らである。
ウサペンも袋トカゲもボルボさんも、状態異常の氷だの水ブレスだの、ダルマになる泥だので俺を苦しめた。

しかし、俺もただ手をこまねいていたわけじゃない。

避けるだけではダメだ。もっとガードを活用せねば。

そこで俺は、ランスに着目した。

ランスは、手にした盾でかなりの攻撃をガードできる。
しかも大剣より攻撃の隙が少ない。
ガードしながら攻撃・接近できるのも良い。まさにボス戦の花形なのだ。

最初は、縦方向にしかない攻撃範囲に慣れるのが大変だった。（薙ぎ払いもあるけど）
武器をしまうのも遅く、ステップ移動も使いづらい。

しかし、慣れてくると優秀な攻撃性能を発揮する。
狙い澄まして、ズバッと一突き。突進攻撃が連続ヒットすると良い感じで削れる。
溜め攻撃はクリティカルヒットを狙える。これが決まって、ボスがノックダウンされる様子は快感だ。

ランス使いに目覚めた俺は、大剣よりも薬を消費することなく、上記の三体を制覇した。
そして、ランクアップのためのボス戦が俺の元にもたらされた。

その名も、渓流の女王リオレイア。初めての空飛ぶドラゴン戦である。

防具はヴァイクシリーズ、槍はスパイラルランスを装備。
薬と肉もありったけ持ち、見失った時のために千里眼薬も携帯していく。
もちろん、HP上昇の効果がある温泉と、補助効果のあるドリンクも忘れない。

万全の準備を整えて、いざ渓流へ乗り込む。
滝の奥にある洞窟では、数頭のジャギィが、巣にある卵を狙っているところだった。

いっただっきまー…ああん？
突如巻き起った風に、ジャギィ達が一斉に振り返る。
天井に空いた穴から羽ばたきつつ降りて来たのは、双眸に怒りをたたえた一頭の雌のドラゴンだった。
下郎が！　わらわの卵に何するものぞ！　去ねい！
ゴオーッ。女王の怒りの吐息が、下賤なトカゲたちを焼き尽くした。

…というようなムービーが流れ、いよいよ俺の戦いの番が来た。
ペイントボールを選択し、いざ、おともと共に突撃を開始する。

その前に、結果から先に述べることにする。

３回やり直しした。

初戦は、途中までかなり追いつめることができたのだが、毒攻撃で苦しめられ、解毒薬が切れたところで力尽きた。

２戦目は、しょっぱなからシッポや足で転がされ、洞窟の中を出ることなく瞬殺。ふがいないことこの上ない。

そして、今度こその３戦目である。
できる準備は最大限やろうと、俺は焼き魚や薬草まで持って出発した。

めくるめく第３戦目。大体だが、敵の動向もつかめてきた。
ランスは動きが鈍いので、確実に攻撃を当てなければならない。

口に火を溜めたあと、炎のブレスが来ることに気づく。
他のモンスターにも共通しているが、このブレス中が無防備だ。
それと、竜族は腹が弱点である。攻撃中も腹の下にいると安全なのだ。

それまではなるべく回避に専念し、炎を吐く予備動作を見つけたら走って行って懐にもぐりこむ。
腹の下に入ったら、ひたすら槍を繰り出す。この繰り返しで、からくも俺は勝利できた。

何度も毒攻撃で死にそうになり、炎が背中に燃え移ってゴロゴロ転がりまくった苦労が、走馬灯のようによみがえる。

こんなに苦労した敵だけど、また次も戦いたくなるから不思議だ。

現在、プレイ時間は４４時間を経過。女王との再戦も間近である。
それまで女王よ、しばしの休息を。