福島原発事故における被ばく対策の問題-現況を憂う
- カテゴリ:ニュース
- 2011/06/23 11:33:45
配信日:2011-06-21
西尾正道:独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター
院長(放射線治療科)
http://ryumurakami.jmm.co.jp/dynamic/report/report22_2741.html
●はじめに
2011年3月11日は日本の歴史上で忘れられない日付となった。大地震とそれによる津波被害だけでも未曾有の事態であるが、福島原子力発電所の全電源喪失による事態により原発の「安全神話」は崩壊し、今なお震災復興や事故対策の目途が立たない状況が続いている。関係者は全力で対応しているが、情報開示不足や指揮の不手際や事故収拾に向けた不適切な対応もあり、今後の健康被害が憂慮されている。
原発事故による放射性物質の飛散が続く中、地域住民は通常のバックグランド以上の被ばくを余儀なくされて生活している。私は事故直後に風評被害を避けるために、3月14日に『緊急被ばくの事態への対応は冷静に』と題する雑文を短期収束を前提に書いて配信させて頂いた。しかし事故の全容が明らかになり、放射性物質の飛散が長期的に続くとなれば、全く別の対応が必要となる。6月5日現在の情報をもと、原発事故を通して見えてきた【放射線】を取り巻く社会的対応や健康被害について私見を述べる。
●原発事故で判明した「放射線」に関する社会の無理解
原爆被ばく国であり本来は最も「放射線」に対して知識を持っているはずの日本人の原発事故への対応は、なお混迷している。
事実の隠蔽と会社存続に固辞して画策する東京電力、文系技官が中心で正確な知識を持ち合わせていない行政、指導力と緊張感を欠如した政府首脳、政争の具に利用しようとする政治家達、今まで原発の安全神話を作り上げてきた御用学者や業界人、こうした原子力村の人々の姿を見れば、日本に明るい未来を感じることはできない。なんとも悲しい現実である。
多くの報道機関からも取材を受けたが、社会部などの担当者の知識が乏しいため、5分でおわる電話取材でも30分となる。これでは詳細な情報や真実は国民には伝わらない。本当の使命は真実を伝えることなのだが、パニックとなりかねないことは決して報道しないジャーナリストや報道機関。本当にこれでいいのだろうか。しかし現実の超深刻な原発事故の収拾には、多くの犠牲を払っても実現しなければならない。
●作業員に対する被ばく対応の問題
この2カ月余りの経過を報道で知る限り、住民や原発事故の収拾に携わる作業員の健康被害について極めて問題がある。事故発生後、早々と作業員の緊急時被ばく線量の年間限度値を100mSvから250mSvに上げたが、この姿勢はご都合主義そのものである。250mSvは遺伝的影響は別として、臨床症状は呈しないと言われる線量である。「ただちに健康被害は出ない」上限値である。しかし作業員の健康被害を考慮すれば、やはり法律を順守した対応が求められる。そのための法律なのである。
また作業員への衣食住の環境は極めて劣悪であり、人間扱いとは思えない。誰が被ばく管理や健康管理を担当して指揮しているのか、そのデタラメさは目に余るものがある。
ボリュームあるので続きはリンク先へ
250msv/yの上限を超える作業員が続々と出る影で、
検査もされていない契約会社の社員たちが大勢いるはず。
谷口プロジェクトが「造血管細胞の採取」を要請した時も
「被曝限度は超えないよう管理するので、造血管細胞採取は必要ない」
と細野氏は言っていました。それがこのていたらくです。
レポートにもありますが、実際は防護しない防護服を着たままの雑魚寝や
汚染された部屋での食事等、作業員の被曝対策は完全に無視されているようです。
毎日のようにトラブル続きの汚染水の処理。
在日米軍が危機感を持っている4号炉の崩壊。
なんの目処も立ってない工程表。
「低線量被ばくの健康被害のデータは乏しく、定説と言い切れる結論はないが、『わからないから安全だ』ではなく、『わからないから危険だ』として対応すべきなのである。」
この未曾有の人災に対しては「最悪を想定して」対応してほしいと切に願います。
PS.今日はもんじゅの落下物取り除き作業の日、何事も起きませんように…。
★monjukun もんじゅ君
そう、そこポイント!さすがげんき君わかってるねー。シュジュツは無事済んだけど原子炉傷ついてました、もうやめます、が理想的だよね。 RT @genkikun_bot そっか!わかった! いよいよ明日引き抜き手術だね、もんじゅくん!ガンバって使えない程度に治るとイイね!
民法が騒ぎ出した頃に、ある日突然NHKが触れなくなって、全TV局が通常放送を始めてぞっとしました。
その後当然のように年間限度値が上げられて・・・直ちには影響ない、直ちには影響ないって。
作業員の方がどうなったのかというのは気になりつつも知らなかったんですが、
そんなひどい状況なんですね。。。
しかも非正規の方も当然いらっしゃるわけですよね。。。腸が煮えくり返る。
ご存じかと思いますが失礼します。
ttp://www.youtube.com/watch?v=-oRhCV70BQo
ttp://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-03-01_14946/
今こそ一致団結して原発事故を乗り切らなければ
本当に日本は手遅れになってしまうよ。
メルトダウンよりもメルトスルーよりも悪い。
今の状況は最悪な事態らしいから。
ブログへのコメントありがとうございました!
報道したテレビ局と その先生の謝罪を改めてしてほしいです。
受験生は今後 どの大学を選ぶかでなくどの教授が どういう発言や意見を持ってるか調べて大学を検討すべきだと思いました。また 医学の分野でも報道の分野でも どういう人材がそこで活躍してるか もっと敏感に、私たちも調べないといけないな・・・と反省してます。
福島原発、もんじゅ、常陽・・・子供たちの未来が心配です。
国民の認識も甘すぎる感がありますよね。(政府に洗脳されているのでしょうけど)
>社会部などの担当者の知識が乏しいため
分かります、これ。
「大手新聞社のエリート記者」様の無知無教養ぶりが暴露されたと思います。
この言葉が現在の、中央政府や東電などの基本姿勢でしょう。