NHKスペシャル ホットスポット最後の楽園
- カテゴリ:テレビ
- 2011/06/27 13:31:24
最終回の舞台は日本。
「地表面積のわずか3%に満たない地域に、絶滅の恐れのある、珍しい哺乳類、鳥類、両生類の75%が集中している場所があります。ホットスポットと呼ばれる場所の数々です。」
こういった自然番組は大好きなので毎回楽しみにしていたのですが
3月以降見る気がしなくなり、昨日最終回をなんとか見ることができました。
でも、辛かったです。
番組が始まった当初「ホットスポット」という言葉がこんなに皮肉に聞こえるときがくるとは思いませんでした。
サルの生息地の北限である東北地方、マングローブの北限である沖縄。
日本でしか見ることのできない「樹氷」、ブナの強靭でしなやかな特性が
豪雪地帯でも森をつくっていったこと。国土の73%が山地であり、
世界一の暖流「黒潮」と「親潮」のおかげで多様な生物が育まれている。
世界の爬虫類のうち7割ほどが日本にいること。
亜寒帯から亜熱帯までの気候がこの列島に存在している奇跡。
先日小笠原の世界遺産になりました。
明るいニュースです。
でも、映像が美しければ美しいほど辛くなります。
この美しい自然が、今、汚されている。
こんな豊かな恵みの海を汚染している。
ブナの森で木の実をほおばるニホンザル、温泉に入るスノーモンキー。
これらの風景が今後どうなるのか…。
原発事故のおかげで日本全土が「ホットスポット」になる日も遠くないのかもしれません。
そのときは「日本人」が絶滅危惧種となってしまうのかもしれません。
縄文の昔から自然と調和して生きてきた日本人。
山や川や海からの恵みで豊かに生きてきたはずなのに、
今やその豊かな自然ほど、汚染がひどくなっています。
緑豊かな場所ほど線量が高い「ホットスポット」となってしまっています。
路地物の野菜は汚染度が高く、天然の魚ほど危険になり、
四季に応じて楽しんだ食文化は破壊されつつあります。
汚染されたすべてのものの影響は長く続くでしょうし、
目に見えないかたちでの世代を超えた影響を考えると暗澹とした気分になります。
ああ、大好きな番組でこのような気分になっちゃうなんて悲しいです。
不条理な現実が日毎にパワーアップしてきてます。
なんとか打ち勝つ方法が欲しいです。
僕は進化したニュータイプが貪欲なオールドタイプを退けるように心から祈っています。
しかし、そこでは動物たちは汚染など何も知らずに、地を歩き、大空を幸せそうに飛んでいます。
今日も庭ですずめが地面におりて無邪気に草や実をつついていました。
見てて涙がこぼれそうになるのです。
鑑賞用ではなく、自然環境の復興の力になるよう役立って欲しい。
人間の手で汚してしまった自然を、再び人間の手で蘇らせるために。
本当、こういう映像とかって、力を貰えますね!
自然って、すごいなー!と、想う。