恐るべき講師(2)
- カテゴリ:日記
- 2011/06/27 22:22:45
「ところで先生(おじさんが先生になってしまった)、どうして私達の名前を知ってるんですか?」
「君らは何時も一緒に居るよね。食堂とか図書館とか、そこで本当に話題が尽きないなと思うぐらい良く喋る。その会話の中で何度も名前を呼び合って、シカモ、よく目立つから、近くにいたら直ぐに覚えてしまう。というわけだ。」
「ついでに、良い機会だから、人前で大きな声で名前を呼び合うのは慎んだ方が良い。」
そう言われると返す言葉のない3人。
そうこうしているうちに、住宅街の中のとある一軒家、コロニアル風というかジョージアンタイプというか、こぢんまりとしたおしゃれな洋館だ。
喫茶店のようにも見えるが、明らかに個人の家。ここが先生の家だ。
「さあどうぞ。」裏のガレージに車を止めて、正面の門を開けると木々の間のアプローチを通り正面玄関へ。
「あのォ、喫茶店というのは?」「ここが最高の喫茶店だよ。どうぞお入り。」玄関を開けると吹き抜けのホール、階段の手すりがおしゃれ。高い天井を思わずみあげたら、ぶら下がったシャンデリアは黒い鉄製で、階段と通路の手すりとマッチングしてセンスが良い。
案内されるままに居間に入ると20畳ぐらい有るのかな?暖炉があって天井まで7メートルの吹き抜け。白い壁に天窓があるから明るい。
奥の食堂テーブルの所に先生の奥様が笑って出迎えてくれた。
大きなソファーもあったけど、お茶を飲むにはというので、6人掛けの食堂テーブルの方に座る。静かにジャズが流れている。聞き慣れた音。JBLのスピーカー。何時も聞いている私の家と同じ。アンプはマッキントッシュ。お部屋の雰囲気にぴったりだ。
奥の白い格子の出窓からは庭の木々が良い景色になっている。
奥様が銀のポットで出してくれた紅茶は「マリアージュ」のフレーバーティ。ケーキも美味しい。
今まで行ったどんな喫茶店より良いに決まっている。先生の言ったことが良くわかった。
良い人と知り合いになれた。
その奥の出窓からはお庭の木立が、その細い枝が揺れてると思ったら、小鳥にしては大きな鳥が止まって何かをついばんでいる。「あの鳥は?」「あれはヒヨドリだね。ここは元々山だったから、今でもいろんな鳥が庭にやってくるんだよ。」落ち着いた部屋で、美味しいお茶を飲んで、自然に触れることも出来る。ここでは、時間がゆっくりと流れて行く。
先生はワインが好きだというので見せてもらったワインセラーは、なんと言うことだ、私が今使っているのとオンナジだ。
そこにやって来たネコはヒマラヤンだ。家の『クレオ』とそっくり。同じ種族だから似ていて当然なのだが、それにしてもよく似ている。動きがスローなのは年齢が17歳とのことだった。
年にしては見事な毛並みなので聞いてみると、「パー子」と呼ばれるそのネコの双子の片割れの子供はグランドチャンピオンになって、諏訪のブリーダーに飼われているとのことだが、家の「クレオ」はグランドチャンピオンの子供で諏訪のブリーダーからやって来た。
と言う事は、この「パー子」は多分「クレオ」の大叔母さんなんだ。世の中狭いね。
何か先生がスゴク身近な人に思えてきた。
リエとエリカは先生の奥様が作った人形に興味があって、奥様と一生懸命話している。この奥様は人形作家なんだ。
私と先生との会話は車の話に。知識がいっぱいで情熱的だけど穏やかな口調で、何か父のイメージが浮かぶ。
「ほほう、お父さんはポルシェにのってるのかい。いいもの見せてあげる。」そう言われたので先生の後についていくと裏のガレージ。シャッターを開けると、そこには「ポルシェだァ。」今の997とは違うクラシックな面影を残すシルエット。
「これってかなり前のじゃないですか?」一緒についてきたリエが横から口を挟む。
「964ですね。後期型の。」私が幼いころよく父に乗せてもらっていた思い出の車だったので、後から得た知識でよく知っている。
「おう、スゴイね。よほどのマニアでないと分からないんだが、大したもんだ。」先生はそう言いながら満面の笑みを浮かべている。
「乗ってみたい。」というより早く先生の方から、「近いうちに乗ってみようか。」と聞いてきたので、話は早かった。それで、今度の土曜日にまたお邪魔することになった。
居間に戻ると、奥様が「今度はコーヒーはいかが。」と、美味しいコーヒーを出してくれた。
つづく
早く読まなくては( ̄Д ̄)ノ
一気に書くつもりでしたけど
忙しくなってひと休みしました。
もう少しお待ちください。
あいんさん。。。
先生とお話していると驚きの連続です。
でも、スゴク安らぐんです。
何十年か後に歳をとってこういう人と一緒に居られたらいいだろうなと
本当に思いました。
知識が豊富で、いろんなことを教えてくれます。
またお会いするのが楽しみです。
ますます面白い展開にww
世の中も狭いし・・・(*≧▽≦)bb
先生も奥様も、何だか映画を見てるように思い浮かぶよ。
内容もいいし、でもやっぱれいさんの文才にはいつも驚かされるにゃ^^;
つづきが楽しみー♪
う~ん,コロニアルな洋館・・・あの家かな・・・。
だとするともろご近所だ・・・。
というか,毎日のように出歩く界隈・・・。
ポルシェ964はガレージの中でしょうから見られないでしょうが,何となくあの家・・・と確信したりして・・・。
まさにドリ~ム物語。。。。
まさに紳士と形容するのが相応しいと・・・
車にお茶に音楽。すばらしい方とお知り合いになれましたね^^
JBL&マックの組み合わせは聞いたことがないので興味がありますねw