ガンダムX、15周年
- カテゴリ:アニメ
- 2011/07/10 05:51:34
今年で『機動新世紀ガンダムX』が15周年ですね~。残念ながら『G』や『W』のように15周年企画はないわけですが、はてさて、『ガンダムX』とはどんなお話だったのでしょうか。
実はこの『X』、ガンダム作品の中でも評価が低いです。大ヒットだった『W』の後という損なタイミングで放送され、アニメの出来も盛り上がりに欠ける印象でした。最後は打ち切りで終わっています。
(『ファースト』も放送当初は世間に受け入れられなくて、打ち切りだったんですよ)
残念ながら『X』がイマイチ面白くなかったことは否定できません。
『X』批判はさまざま。
――「何故、今さらニュータイプなのか?」
さて、ここで「ニュータイプ」の概念についてです。
ニュータイプ(新人類)という思想は、その提唱者によれば次のようなものでした。
人類は宇宙に進出することで(地球にいた時よりも)進化し、よりわかりあえるだろう。
ところが、この思想の根本をザビ家がすげかえ、利用したのです。
人類は宇宙に進出することで進化した。つまり宇宙に住む我々(スペースノイド)は、未だ地球に住む人々(アースノイド)よりも新しく、宇宙に適合した人類のエリートである。ならば、我々スペースノイドがアースノイドどもに支配されるいわれはない。
簡潔にすると、こんな感じですね。当時アースノイドから植民地支配されていたスペースノイドは、この思想によって、自分たちが「人類のエリート」であると信じ、戦争に加わったのです。
これ、第二次世界大戦でヒトラーが「アーリア人こそ人類のエリート」と言い広めたのと似てるんですよね(だからギレンは「ヒトラーの尻尾」なんてふうに揶揄されたのです)。
また、このニュータイプ思想が背景となっている作品は、「ニュータイプ」=「直感力や認識能力が優れている」=「脳波で兵器を遠隔操作できる」でもあります。作品中のニュータイプは全員、兵器を遠隔操作できる超能力者だったため、戦争では道具として使われる場面も多々ありました。
(提唱者のニュータイプ思想なら、ニュータイプは「わかりあえる」はずなので、戦争などせずに済むのが本当の意味でのニュータイプでしょうけど)
とりあえず要点だけまとめると、こうです。
人類は宇宙に進出することで、今よりも優れた人類に進化する。
しかし、ガンダムでは当たり前になっていたこの思想に一石を投じたのが、『ガンダムX』だったのです。
『X』でも当初はニュータイプ思想が信じられていました。
ところが(ネタバレになりますが)、主人公たちは最後に次の答えに行き着きます。
人類が宇宙に進出したところで、人類そのものが変わることはない。
それまで私、ニュータイプ思想って嫌いだったんですよ。人間の優劣に基準作って、作品で活躍するのはニュータイプの超人ばっかり……しかし『X』はそれを否定してくれました。
このテーマのためには、主人公がニュータイプであってはいけません。だから主人公のガロードはニュータイプ能力を何ひとつ持たないのでしょう。
『X』では上記のような超能力者も登場しますが、それは皆、あくまで普通の超能力者に過ぎません(普通の超能力者、というのも妙な表現ですが)。ただ、ニュータイプ思想と無理やり関連付け、「ニュータイプ」と呼ばれているだけなのです。
フロスト兄弟が「脳波で兵器を遠隔操作できない」ため、ニュータイプの劣化版扱いされたことも、これに関連しています。しかし、「脳波で兵器を遠隔操作できる」だけがニュータイプの基準ではないでしょう。
ヒロインが「地球生まれのニュータイプ」という、ニュータイプの思想から外れた特異な存在であったことも、『X』のテーマを踏まえているからです。普通の超能力者なら、アースノイドにもいるとしても不思議はありません。
『X』の世界では、ニュータイプ思想そのものが曖昧で脆弱なこともあり、ニュータイプという言葉だけがひとり歩きしていました(おそらく意図的なものだったと思います)。
人類は海を渡り、空を飛び、宇宙にも手が届くようになりましたが、人類そのものは何か変わったでしょうか? 昔から何も変わっていませんよね。いがみあって、愛しあって、戦争したり国を作ったりして。
『X』のテーマはそこにある、と私は思っています。
15周年の機会に、レンタル等でご覧になってはどうでしょうか? あえてネタバレしましたが、テーマを踏まえておくと、なかなか興味深い作品ですよ。
ガンオタになっちゃうと、大事なモノを色々なくしてしまうです、たぶん。
かくいう私も……うわなにをするやめ
ガンダムのイラストが入った名刺入れも付録についてるね!!!!!
ん???
ガンダムとガンダムXの違いとかが
全くわかんない私ですwwwwwwwwアゥ
修正しときましたb