モンスターハンター 勇気の証明~三章0-9
- カテゴリ:自作小説
- 2011/07/26 22:30:12
【覚悟・承前】
「そのヘビィボウガンは、ミランダさんの友なんですか?」
「ああ。いろいろ試したけど、あたしには一番合ってる」
まるで相棒を見るように、ミランダは傍らに置いた青い銃を撫でた。
「こいつはメテオリトって言ってね。前に火山で発掘したものさ。古代文明の遺産でね。強化すれば、もっと強い武器になるよ」
「…もう弾丸調合の素材も底をついてるニャ。なのに、貴重な拡散弾を撃つなんて。ナルガと戦えなくなったらどうするつもりニャ」
「えっ、わたしを助けるために、そこまで…?」
ぶつぶつとランマルが文句をたれる。ユッカは驚いてミランダを見た。
ミランダは、まるでランマルの小言など聞こえなかったかのように、水筒の水を飲んだ。
「あれくらいの弾じゃなきゃ、奴は追い払えなかった。…ナルガには、まだ奴の弱点の電撃弾が残ってる。気にしないでいいよ」
「…ごめんなさい…そんなに大切な弾を、わたしなんかのために…」
「なんか、って言うんじゃないよ」
肩を落としたユッカに、ミランダは初めて、柔らかな笑みを見せた。
「クエは何度でもやり直せるが、人の命はそうもいかない。もう考えるのはやめな」
「でもっ…!」
「もういいって」
食い下がろうとしたユッカに、ミランダは苦笑した。そして片腕を枕に、ごろりとその場に横になる。
「あんたがくよくよしても、過ぎたことはどうにもならない。明日は早く起きて、あんたの兄さん達をさがさないと。さ、もうおやすみ」
「ミランダさん…」
ミランダはもう答えなかった。さっさと目を閉じて、寝に入る。ランマルが何か言いたげにユッカを見ていたけれど、彼もまた黙ってころりと横になった。
「……」
パチパチとたき火の炎が音を立てて揺らめいている。ユッカは一人膝を抱えて、じっと燃える火を見つめていた。
ポンポンと肩を柔らかいもので叩かれた気がして、ユッカは目を覚ました。いつの間にか眠ってしまったらしい。地面の上に横向きになっていた体が、あちこち痛い。
「…起きるニャ」
小さな声が頭の上で聞こえた。寝ぼけまなこを懸命にこじ開けて見上げると、ランマルが頭の傍に立っていた。雪のような白い彼の毛皮は、満月の光を浴びて青白く輝いている。
「なに…?」
「…黙ってついてくるニャ」
とてちてと、ランマルは歩き出した。
(なんなの、急に?)
猫の真剣な顔にユッカは不安になった。でも、ランマルが数歩先で振り向き、こちらを待っているので、やむをえずここはついて行くことにした。寝息を立てているミランダを起こさぬよう、そうっと立ち上がる。
ランマルは先に立って歩いた。ミランダのいる野営地から数百メートル離れたところで、またユッカを振り返った。
「早く登るニャ」
「え、ここを?」
ランマルが示した崖は、あまり大きくはない。せいぜい、一階の天井までの高さだ。段差がいくつかついており、これならユッカでも登れそうだ。
「先に行くニャよ」
むっつりとランマルは言うと、軽やかにジャンプして近場の岩に飛び移った。そこを足場に、上へと飛び上がる。
「なんなの、もう…」
こっちはおなかがすいてフラフラなのに。ユッカは唇を尖らせかけたが、ランマルがどこへ案内するか気になったので、しぶしぶ従う。
同じ足場を登り、上の岩へ懸垂の要領で体を持ち上げる。
「うんしょっ」
ユッカが崖の上によじ登ると、さらさらと涼やかな葉ずれの音が耳を打った。
「あ…。こんなところに竹林なんてあったんだ」
巡らせた首が、ある一点で止まる。竹の根元に大きく顔を出した、とんがり帽子のようなそれは…。
「あ! 特産タケノコ! おいしそう~!」
ぐううっ、と、おなかが食事をせかした。あれを一本焼いて食べたら、空腹も収まりそうだ。
とっさにタケノコに駆け寄ろうとしたユッカは、傍らの白猫に気づいてはっと足を止めた。
「あっ、もしかして、ランマル…このために連れて来てくれたの?」
「…ユッカの腹の音がうるさくて寝られないんだニャ。ボクの安眠のためニャ」
「えへへ」
くすりとユッカは、仏頂面でそっぽを向くランマルを見て笑った。イライラとしっぽを揺らして、ランマルは「早く掘れニャ」と言った。
「…ありがと」
小さく礼を言って、ユッカはさっそくタケノコを掘りだした。
「おいしかった~」
野営時の備えとして、塩はポーチに常備してある。火を起こして皮ごと焼いたタケノコは、ほっくりしてクセもなく、適度なしゃっきりした歯ごたえがとてもおいしかった。
男の子みたいに両手で持ってかぶりつき、ユッカはあっという間にたいらげた。
「本当にありがとう。これで、明日も大丈夫よ。お兄ちゃん達を探せるわ」
ユッカは微笑んだ。でも、ランマルはにこりともしなかった。
「…ボクはごめんだニャ」
「え…?」
ランマルの青い瞳が、炎を受けて輝いている。縦に細まった虹彩が冷やかにユッカを見つめた。
ランマルは立ち上がると、野営地とは反対方向を指し示した。
「お前はもう帰れニャ」
ね、そうなんですよ。そういう展開ってひとりよがり^^;
あのエヴァだって、いやだいやだと言いながら、ちゃんと第一話で搭乗してますしね、シンジ君w
旦那さんが編集さんの役割なんですね。いいなあ、意見を言ってくれる人って^^
話の深みって、加減が難しいですよね。語るべきところは語れって、よく言いますけど。
要は、「読者が読みたい所だけ書け」ということですね。これが難しかったりしますが。
テンポよく進めば問題ないかと。
書いた分の労力…わかる!www
自分ではかなり気に入ってる部分でも、人には「ふーん」で終わられたり。
時間かけて推敲しても、結局いらないとカットせざるをえなかったり…。
でも、そこは厳しく切り捨てる覚悟というか、気持ちがないと、だらだらして終わるんですよね^^;
モンハンって、ボスやザコの弱点属性が、はっきり目に見えない仕様なんですよ。
攻略サイト見て、「あ、これが弱いのか」って知るという。
なので、ゲーム内の情報だけあてにしてると、俺みたいになります^^;
減龍弾は龍に良く効くって言ってたじゃないか~!orz とww
モンハンのスタッフさん達、相当苦労して開発したそうです。
最初は、こんなにヒットするとは思わなくて、とにかく自分達の作りたいゲームを作った感じで。
2作目はすごいプレッシャーだったそうですよ(雑誌ダヴィンチの記事に書いてましたw)
ネットのモンハンは荒れていますが、それでも、名作は名作ですね。
俺も始めたばかりで、データとかは詳しくなくて。
ベテランハンターのイカズチさん、これからも頼りにしてますw
「あまり効かない」って意味だったんですね。
「属性なしよりは、まだマシ」って意味かと思ってました^^;
これまでは、△の属性でもごり押しで勝てましたが、これからはそうもいきませんね。
ご教授ありがとうございました~!(^∇^)
いえ、先読み結構ですよ~。普通の読み方だと思います。
お話、これからどうなるか…。もちろん、お伝えしたプロットと大筋は変わりませんが、キャラが結構自由に動いているので、彼らの動きに任せようと思います。
私もよく旦那にシーンをバッサバサ切られますよ~。www
薄っぺらくなりそうで心配だけど、そりゃ~もう、切り方が容赦ないですよ。
まあ、長くてもどうせ流し読みしかしなくなるだろうから、いいですけどね…。^^;
でも書いた分の労力が…。ちょっと悲しい…。www
さすがゲーム、武器も効果のあるものと無いものがあるんですね~。
属性攻撃とかって、攻略本持ってないと細かく覚えてられないですよねぇ。
チームの仕事とはいえ、作ってる側のゲームメーカーさんも大変でしょうね、あれだけ設定細かいと。
さすがプロ。
それにしても、さすがにモンハン歴長いだけあってイカズチさん詳しいですねぇ。
頼りになりますね~。^^
効果の欄に『◎>o>△>xの順で効果が出ます。』とあります。
これは『◎(よく効く)>o(効く)>△(あまり効かない)>x(まったく効かない)』の意味です。
厳密に言うとジンオウガは超帯電状態時の頭にしか龍属性効果はありません。
それもあまり効かない効果です。
弱点の氷武器を使う事をお勧めします。
そうだったのですか。
ミランダにも何か曰くがありそうですね。
余計な先読み、失礼致しました。
あっ、お読みになっていたんですか!ありがとうございます~!^^
登場人物は、俺の中ではちゃんとゲームに沿った設定で作っているんですよ。
MHP3で、キャラメイキングするときに、顔や髪型を選べるんですが、その設定でユッカやミランダの顔も決まってます。
たとえば、ユッカの髪型は、№1のやつ…とか。
ゲームお持ちなら、番号指示してキャラお見せできるんですけどね~。残念^^;
特産たけのこ、食べたいですよねww
俺はMHP3から始めたんですが、チュートリアルで教官が、採取の指導をするじゃないですか。
タケノコ採って来い!って^^
あれ、教官の晩飯になるらしくて…なんかうらやましいと思ったものですwww
こうやって、ハンター達が山野のグルメを取って来て流通させているんでしょうね。
ボウガンって扱い難しいですよね。俺ですら、まだ使いこなしてません^^;
オープニングの女ハンターかっこいいですよね~。あの子がちょっと影響されてます。
ハンターとして大成せず…。うん、俺もきっとそうです。とても達人にはなれそうもない^^;
でね、その諦めと自覚が、実はミランダにも…。なんでメテオリトなのか、そこで語られます。
登場人物のアバが見たいですぅ~~~~
どんな人たちなんだろ。
実際ゲーム内ではたけのこ食べられないですもんね^_^;
なんかたけのこ取りに行きたくなりました
(だから、気になるのそこか??)
きっと、これからたけのこ狩りに行ってくると思いますw
ボウガン使いの女性ハンターってかっこいいですよね
なんか「ミランダ」さんみたいに「面倒見いい系」の人が多い気がします
へっぽこハンターを見ると放っておけないのか・・・良く助けてもらいました~
(トライの時、よくヴォル・ショットを持った女性ハンターさんに助けられてました)
自分は結局ハンターとしては大成しませんでしたけど(MHP3になってもいまだへっぽこ)
だからこそ いまはヘタレなユッカが今後どう成長するかがとても楽しみです
http://www.mhp3wiki.info/index.php?%E3%83%9C%E3%82%B9%E5%BC%B1%E7%82%B9%E6%97%A9%E8%A6%8B%E8%A1%A8
△が憎い…^^;
ええ~、そうだったんですか?!
攻略サイトの表で、△マークがついていたから、少しは効果あると思ってました!
今までずっと、属性なしの弾丸より効果あると思って使ってた俺って…orz
ご指摘とアドバイスありがとうございます。さっそく直しますね^^;
メテオリトにした理由はですね…実はミランダって、まだハンターランク4くらいだったりして…。
上位じゃないんですよ、実は。ってのを、後で書こうかと思ってたんですが。
やっぱ、凄腕じゃないとだめですかねえ?^^;
しかし…そうかあ、減龍弾効かないのか…。効果があまり目に見えないだけに、効いてるのかと思ってた、ほんとに…ショックだ(^∇^;)
蒼雪さん、ジンオウガに滅龍弾は効きません。
ナルガクルガにも効果はイマイチ。
龍属性の武器は属性弱点のモンスターには効果が絶大ですが、効かないモンスターに対しては基本攻撃力が低く、あまり役にたたないのです。
所持数が少ない事でなら拡散弾追加スキルを発動させ、LV3拡散弾にすれば如何でしょう?
ただし、拡散弾や滅龍弾など所持数の少ない弾は、素材を持ち込み現地調合するのが基本です。
LV3拡散弾ならシンドイワシの所持数が10ですから、無理が無いかと。
またメテオリトは集会所4までクリアすれば作成可能なヘヴィボウガンです。
なにか理由が有れば別ですが、ミランダクラスのハンターならミーティアまで強化しているのが自然ではないでしょうか?
当初はこの突き放す役をミランダがするはずだったんですが、飴と鞭が逆になってしまいました。
まあ、ここまで冷たいのは、ランマルのバックボーンがそうさせるんですが…。
それと、おっしゃる理由もそうなんですが、「かわいそうだから~>∇<」と言いわけを引っ張ると、読み手がイライラしますよね。話も長くなってしまうし。
なので、突き飛ばし役が責めないとならないわけです。ユッカの甘えも、あとちょっとで終わります^^;
やっぱり『かわいそうで殺せない』っていうのは『ハンターとして』難しいって思ってるんだろうな。