モンスターハンター 勇気の証明~三章-17
- カテゴリ:自作小説
- 2011/08/02 10:23:59
【思い、空回り】
アイルー荷車~通称ネコタクで、ユッカ達はあっという間にキャンプへとたどり着いた。
救急班のアイルー達が、瀕死のミランダとランマルに生命の粉塵を振りかけた。
それでようやく彼女達の命は取りとめたものの、ランマルはともかく、ミランダは、いっこうに目を覚ます気配はなかった。
ネコタクでユクモ村に強制送還される道すがら、ユッカは、黙り込んでいる兄を睨んだ。
『――どうして昨日は、わたしを勝手に置いて行ったの? ひどいよ! わたしだって、ハンターなのにっ!』
『わりい……』
珍しく、グロムは殊勝だった。傾きかけた月の光が、兄の顔を照らしている。隣にいたミーラルが、黙って肘で彼をつついた。理由はちゃんと話せ、ということだろう。
『なによ、なにかあるの?』
八つ当たり気味に、ユッカは声を尖らせる。さっきまでの、命にかかわる恐ろしい体験のせいで、気持ちがささくれだっていた。
八つ当たりはよくないとわかっていても、誰かを責めないと止まりそうにない。ユッカの隣で横たわるミランダと、さっきからひと言も口をきこうとしないランマルを思えば、なおさら切ない。
(わたしのせいで、ミランダさんは、あの時逃げられなかったんだ。わたしを逃がそうとして、それで無理に戦って…)
『…お前がさ、正直ハンターに向いてるとは思ってなかったんだ』
ぽつりと、グロムは呟いた。まるでいたずらが見つかった時のように、苦笑いしている。
『お前って血とか苦手だし。父ちゃんと母ちゃんだって、お前のこと大事に育ててるだろ。嫁入り前の娘がやけどしないように、て、饅頭の窯には絶対近づけないくらいだし』
『…それとこれとは別でしょ?』
ユッカが視線でとがめると、グロムはちょっとむっとした。
『わかってねえな。お前が傷ついたら、俺が母ちゃんに殺され…、いや、みんな、心配するじゃねえか』
『だから、それは、わたしだけじゃないでしょ! じゃあミーラルさんはどうなのよ!』
『ミーラルは見ての通り、鋼のように頑丈だから。おまけにすぐ手が出る凶暴女…いて!』
がつん、とミーラルがグロムの脇をこづいた。彼女の肘当てがグロムの鎧とぶつかって、固い音を立てる。頭を殴らなかったのは、ユッカの前だからだろう。
『ユッカちゃん。あんまり、グロムを責めないであげて。…今回のことは、私も共犯みたいなものだから…』
ミーラルは、きゅっと唇を噛むと、深くその場で頭を下げた。
『ごめんね。ユッカちゃん。ジンオウガを刺激してしまったのは、私達なの』
『えっ――?!』
びくっとして、ユッカはグロムとミーラルを見た。自分の隣で、ぴくっとランマルが反応したのがわかったが、それも気にならないくらいだった。
『どういうこと?』
『…これ』
グロムが、もじもじしながら、自分の荷物から小瓶をいくつか取り出して見せた。月の青白い光でも、黄金色の蜜が入っているとわかる。ユッカは目を見張った。
『ハチミツ…? もしかして、ロイヤルハニー?』
グロムは小さくうなずいた。
『俺が先に行って、集めておこうと思ったんだ。ハチミツはアオアシラも好物だから、遭遇したら、危ないからさ』
『でも、六個しかない…達成には、七つ必要なはずでしょ?』
『…最後のひとつは、ユッカちゃんに採らせてあげようと思ったんだって。このバ…、あ、いや、…ごめん』
ミーラルも気まずそうに黙りこむ。ユッカは、置かれた六つの小瓶を穴があくほど見つめた。グロムは小さくなってうつむいている。ミーラルが、話を引き継いだ。
『…私達はユッカちゃんよりスタミナもついてるから、走るのも早い。だから、半日もしないうちに、ハチの巣がある場所までたどり着けたんだ』
グロムがユッカの代わりに仕事をすることを、ミーラルも最初、さんざん責めたという。ちゃんと本人に言ってからすべきだ、と。
しかし口論の途中で、ふたりは水辺を徘徊するジンオウガを見てしまったのだ。
『あんな奴相手に、俺達だってユッカを守りきれる自信はねえし。だからせめて、居場所がわかるように、ペイントボールでマーキングしておこうと思ったんだ』
そうすれば、敵に接近される危険も減る。相手がどこにいるかわかれば、ハチミツ採集もある程度安全に行えると考えたのだ。
『けれどグロムったら、すっかり腰が引けてボールを外しまくったんだ…』
噂に聞く凶暴な相手に、場数を踏んでいるグロムも、無意識にびびっていたらしい。最後の一個も見事に外し、ミーラルを呆れさせた。
『ついでに敵もこっちに気づいてね。村の被害もあるし、野放しにはできないから、ここで倒してしまおうと思ったんだ…』
『ユッカには、悪いと思ったけど…。お前に死なれたら、俺も困るしよ』
グロムはがりがりと頭を掻いた。
俺も未プレイ時は、どこが面白いんかなと疑問しきりでした。流行りものだからって、面白いわけないだろうというのが持論なので。ティルズや、ポケモンも興味ないですし(笑)
でも人気あるやつは、やはり何かしら優れた点があるものなんですね。
モンハンは、俺にフィットしたゲームでした。この世界に引き込んでくださったイカズチさんには、失われた創作意欲の復活もふくめ、感謝ひとしおです。あとで何かお礼させてくださいw
ゲーム内のあれこれに、説明つけるのは楽しいですね。
注意すべきは、書く方は楽しいけど、読む方は意外と退屈だってことなんですが^^;
スキルの解説は、難しいですよね~。俺も、あまり突っ込んだことは書かないことにしています。
一番悩むのが、モドリ玉。
wikiにも、「超常現象」って書いてるし…。なんでワープできるんでしょうね、あれ?w
最初はアドホックと言う『他のプレイヤーと一緒に狩りができる』と言う機能に目を見張り、気が付くとすっかりはまってしまいました。
そして意外に良く練られている設定。
これを目にしてコミックやノベルを読んでいると無名のハンターにも生活があり、ドラマがあると気が付きました。
それを知るとストーリーを書いてみたいと思うようになり、今まで二次作品を書かなかった私ものめり込んで書いている現状です。
またゲームである以上、現実と照らし合わせると矛盾点が出て来ますよね。
これに『屁理屈』を付けるのも、また楽しい。
通貨のレートとか、アイルー荷車とか。
書いていませんが『スキル』
これも効果を発動するには『体の特殊なツボを刺激して筋力が上がる』とか『ポイントが一定量に達すると霊的な加護が受けられる』とか考えてみたりしています。
でも『装弾数が増える』はどうしよう……。
いえいえ、そんなに恐縮なさらずに^^
ウィザードリィってご存知ですか?
ほぼ、あれに近い自由度の高さですね。
萌えキャラもストーリーもないのに、どこが面白いの?って俺も思っていたんですが、思った以上に居心地のいい世界で驚きました。モンスターとの戦いがとても楽しいんですよ。
ああでもない、こうでもないと知恵を巡らせて、苦労して狩りをするところが魅力かなあ。
アクションなので、なおさら苦手意識を持つかもしれませんが、ちょっとだまされたと思ってやってみてください、と、俺もおすすめしたいです。もちろん、ご無理にとは申しませんが(^v^)
俺も、緊張すると面白いくらいに外しますよ。上位相手だと、まったく笑えないですが^^;
クルぺッコの足の間をぽーい、ティガレックスが首をひねってぽーい、なんて。すり抜けるすり抜ける。
そんでまた、ボール外したあとの隙がでかいから、敵のかっこうの的になるんですよね…。
こやし玉も同様です。やっぱり、焦りがそのまま出てしまうんでしょうね。
外しまくってボールが尽きた悲しみといったら…。それで敵を見失ったこともたくさんありました…。
グロムなら、きっとここは、外しまくるだろうなと思って書きました。イメージとずれてなかったようで安心ですw
ネコタクとは、アイルーが引っ張るただの荷車ですww
かなり乱暴な運転で、下ろす時も、プレイヤーを地面に放り投げます(イカズチさんの1章でも、グロムが放り投げられてましたねw)
それでも、ネコ好きなら一度は乗ってみたいかも?^^
ゲーム内で力尽きれば、いつでも乗れますがw
今回は、ユッカがお嬢さん育ちなことが分かった回となりました。
平和な村で暮らしているので、のんびりした村人が多いな~という印象があったので。
これが、もっと野性的な狩猟民族の村だったりすると、子供の育て方とか、性格が変わってくるんだろうなと思います。豊かさと、そうでない違いでしょうか。
生き物に対する倫理観も、育ちに現れますね。
昔は、今より人や動物の生死が身近だったので、例えば、正月に鶏をしめてごちそうにするとか、そんなことが当たり前でした。
ウサギは食べるためにみんな飼育していたんだ、とか。親父に聞かされた時はちょっとショックでしたね。
でも、それだけ現代は恵まれた環境だってことです。自分が手を汚さずに、食べ物を手に入れられることとかですね。
今回の狩りで、ユッカは生きるってことの現実を知ったと思います。
ミランダさんは、また次の回で語られます^^;
俺も検索して、そんなゲームがあると知りましたw
…うう、すみません、どうダジャレているのか、よくわからんです…^^;
烈火のごとく…烈火…うーん??
もうしわけない…俺の頭の中の検索語にはひっかかりませんでしたぁ…orz
RPGってあんましストーリーないですよね~~~
私は、公式設定のキャラネームだと思っていたんです。
変なコメントして、申し訳ないです。
そうか~~公式にも名前が決まっていないんですね。
人物関係もないのか・・・・・
乙女ゲームには、そういうのはないだろうな~~~
走りながらペイントするか、武器出しで攻撃するかを悩んでるうちに尻尾ビッタンされたりします。
HR6の今でも。
あながちグロムの事を笑えんなぁ。
なのでクエストには常時30個以上ペイントボールを持っていきます。
どんだけノーコンなんだよ……。
…の、乗りたい♪ (*´ ω `*)
なるほど、置いてけぼりはこういう理由でしたか~。
グロム君、意外とユッカに甘かったのね。www
結構妹思いなところもあったんですねぇ。饅頭屋押し付けるダメ兄だと思ってたけど。
やっぱりお兄ちゃんなんですねぇ。 (^m^*)
でもまぷこさんが言うとおり、甘やかしは良くないと思いまっす!www
何でユッカの性格がああなのか、育ちのせいだって良く分かる回になってると思いますよ。
なるほど、今時の子っぱく設定したんですねぇ。
最近の親って、女の子をめちゃめちゃ甘やかすらしいですねぇ。
それこそ着せ替え人形扱いしてる親も居るっていうし。
何だか良く分かんない世の中になったもんです…。 (´・ω・`)
それにしてもミランダさんが心配です~。
何で目ぇ覚まさないのか、気になります。
れっ‐か〔‐クワ〕【烈火】
激しい勢いで燃える火。「―のごとく怒る」
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そのゲームの事は知らなかったので、オークションのあるショッピングサイトで探してみました。
『SD戦国武将列 伝烈火のごとく天下を盗れ!』というファミコンのソフトがそれでしょうか?
YAH○○オークションに出てました。(あと3時間で入札終了ですって)
ん、まあそうなんですよ。だからこの後、猛烈に…。あ、続きはあとで^^;
まあ、それだけ大事にされてるってことですね。不器用な兄心?
親も親で、そういうふうにユッカを育ててきてるんで、だから、「ガーグァ狩れないよ~;;」という心理に陥ったわけです。ある意味、イマドキの子供なんですよ。
烈火のごとくってゲームの名前ですか?古いゲームご存知ですね!(^m^)w
それだと、思惑通りにいったとしても、ユッカちゃん、きっと怒るよ。
烈火のごとく。(←ダジャレです)