Nicotto Town ニコッとタウン

スマホ版あります♪



パン狩り黒狐 2


軍用トラックの荷台には幌が被せてあったので、外の様子は幌についた窓から覗かなければ分からなかった
アメリカ兵の運転は荒っぽく、おまけに道はデコボコなので下手をすると荷台に投げ出されそうになった
トラックの荷台には木で作られたベンチが荷台の端の両側にあり、なんとか座って幌用の支柱を掴んでいると荷台に転がることはなかった
軍用トラックが止まりエンジン音が消え、アメリカ兵がドアを開けて降り、そしてドアを閉める音が聞こえた
運転手の靴音が私の背中を通り過ぎトラックの後ろへ行き止った
後ろの幌が捲くられ、アメリカ兵がそこから顔を出し、なまった日本語で私達に言った
「着きました。降りて」
「グッド」
なまった英語で同乗していた警察官が答えた
「監視員さん降りましょうか」
警察官が日本語でそう私に言った
「分かりました」
私が答えて鞄を抱えながら立った時には、警察官はもうトラックの後ろへ行き出入り口の幌を巻き上げていた
そこから見える街は、欲望によって撒き散らかされた男達の体液と、女から出る性病に犯された体液が混ざり合った臭いがするような気がした
男達の欲望によって増殖を続ける細菌
『この街の女達は細菌のために自分を犠牲にしている』
私は心でそう思ったが口には出さなかった
「さぁ、早く降りて」
警察官が私をせかすよに言葉をかけたので、私は目の前の現実の臭いの無い街に戻っていた
トラックの荷台は高く胸の高さぐらいあったが、私は一機にそこから飛び降りた
街の人々が遠巻きにして我々の行動を見ているが、街娼達の姿はそこには無かった
パンパン狩りだと分かった娼婦達は店に隠れている
警察官もトラックから飛び降りてMPの指示を待っていた
「レッツゴー」
MPがトラックの前の店を指差しそう叫んだ
警官達がMPの指示に従いその店に入って行く
私は連れ出されて来る娼婦が性病かどうかかを判断するように言われていたが外見で判断できる訳が無い
私はただ店の前に立ち様子を見ているだけだった

#日記広場:自作小説




月別アーカイブ

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010

2009


Copyright © 2026 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.