Nicotto Town


濃すぎる毒入り日記


裁判傍聴のススメ

 裁判員裁判導入議論の頃から、裁判の傍聴って面白いよねという本やブログが色々出てきて、テレビドラマや人気ブロガーも登場しています。
 
黒ウォッチャーを自負する僕ですから、こうした流行以前より、傍聴はたまにしていました。案外とクジ運がよいので、相当の倍率を突破して、宮崎勤事件とか光市母子殺害事件のヤマ場を観れたりとメジャーな傍聴もありますが、今回は、とても面白かった傍聴例を書きます。
 
むろん、裁判の大半は、事件すらマスコミでは報じられませんが、事件は無名でも内容的には多いに面白い(人はそれをマヌケと呼ぶw)な裁判や、公判での被告人や証人、検察官、弁護人、裁判官、さらには傍聴者といった登場人物のキャラや台詞がトンデモな面白さの場合もあるので、裁判傍聴の面白さは、裁判の数だけあるともいえます。しかし、裁判は平日開催なので、有休まで取って傍聴する身としては(阿曽山大噴火先生が羨ましいw)、新聞やニュースのベタ記事からマヌケ事件をピックアップすることになります。

 で、今回の裁判は、そんなベタ記事に惹きこまれた「オレオレ詐欺事件」です。
  事件は、新潟出身の仲間数人でオレオレ詐欺を行うも、被害者(老婆)にアッサリ見破られ、犯人が金を受け取りに行くと、そこには警察官がいて逮捕されたものですが、犯人達は何十万円もするオレオレ詐欺マニュアル(闇社会のPアイテム!)購入を断念し、自分達でマニュアルをつくり、犯人達の中で唯一の会社員経験者(唯一の背広所有者w)を現金受取役にするなど、トホホ感が伝わってきました。
 東京地裁の小さな部屋で行われた公判は、傍聴者も数名で、検察官の起訴状朗読の後、被告人の親族数人が情状酌量を求め、弁護人(おそらく国選)が簡単な弁護をして、終了。次回は判決という簡単なものでした。
 検察官は、この犯行が如何に計画的・組織的なものかを懸命に訴えます。そうでないと実刑にならない(なにせ、↑の罠以外、全ての電話が相手にもされず、実質被害額はゼロなのですから)。これに対する弁護人の論法が笑いました。それは、計画性・組織性を否定するため、被告人が如何に行き当たりバッタリで稚拙な電話をしていたかという話だったのです。そうは言いませんでしたが、田舎のアブレ者が上京しても職もなく、仲間割れもしながら、デタラメなオレオレ詐欺をしていたという要旨です。被告人をマヌケ呼ばわりだし、しかも、国選でやる気もないのか、被告人の名前を忘れたり、「あ・・・何だっけ、まあいいです」と弁護の一部を止めたりと、この公演もとい公判でのベスト・アクターでしたね。劇団出身の脇役が、妙に味のある演技をしちゃった感じ。
 そして、被告人の家族も、厄介者が家を出てせいせいだったのに、いい迷惑といったオーラが出ていました。被告人の一人は、何度も氏名を変えていた(戸籍を売ったり買ったりしていたのでしょう)のですが、その事実を知っていたかと検察官に問われても、「家を出たあとのことは何も知りません」と心底吐き捨ててましたし。

 閉廷後、傍聴者達が弁護人のところに集まっていきました。そう、傍聴人は僕以外は全て被告人の身内だったのですw「先生、どうなるんでしょう?」と一応は心配そうな親族に対し「いやぁ、まぁ、執行猶予かなぁ。あ、でも、●さんだっけ、●さんは実刑かも。まぁ、判決待ちですね」と何の気持ちも篭っていない弁護人コメントを、彼らとエレベーターも一緒になって、しっかり聴いた僕でした。

  裁判所の入口フロアーには、その日の公判一覧があるのですが、マニアはお目当ての公判後は、ここで他に面白そうなものを物色して、一日を満喫するのです。この日は、何人かも察せられない変な名前の外人の覚醒剤取締法違反事件(いわゆるヤクの売人だ)とヤクザが絡んでいそうなビルの抵当権を巡る民事裁判を観ました。
  最近はこういうウォッチャーが多いので、公判日や開催される法廷を教えてくれる部署の人も親切で、こちらから確認しなくても「それ抽選になりそうですよ」とか教えてくれます。ビギナーの頃に「他にこの日は“面白い”裁判ありますか?」と尋ねたときは、プププと笑いながら「“面白い”裁判というものは存じませんし、ありませんからね、そういうのは」と言いつつも、「●時から強姦致傷事件、●時から詐欺事件があります」と教えてくれたりするので、司法の庶民化は徹底されているようです。

 
 どうしてもヒマだぁって平日があったら、全国の主な市にある裁判所を訪問してはいかがでしょうか?事前に“面白い裁判”を確かめておくと、より確実です。料金無料で、割安で結構美味しい食堂(民事の原告・被告が背中合わせだったり、東京地裁だと有名なライターさんがいたりもします(デビュー当時の江川詔子さんと相席でカレーを食べたことがあり、気さくに話してくれましたよ)もありますので、ぜひぜひお勧めです。

#日記広場:勉強

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2011/09/02 21:45
Olivierさんへ、

例示の事件が、陰惨な事件として世に知られたものじゃないですか、確か一方は少年犯罪として世間で議論にもなったはず。

こういう陰惨な事件だけでなく、性犯罪や殺人・傷害は傍聴対象として僕はあんまり選びません。なんというか、目的は明らかだし、被告の顔も怖いし、傍聴の客層もよくないw
事件そのものは、ご意見の通り、メディアで伝わる内容の方が深いし広いし正確です。

僕の傍聴ってのは、事件の中核ではなく、どうでもいい部分のディテールを味わうものです。
不謹慎の誹りは免れませんが、光市母子殺害事件で、死刑廃止専門の弁護士が、母親がレイプされる場面を絵で再現し始めて、傍聴していたご家族の頬を涙が伝うんだけど、その脇で、僕はその絵に釘付けですよ。
画用紙にマジックで描かれた、その絵が「いつもそれから」か「桜塚やっくん」の描く絵にそっくりなタッチなんですから!被告や弁護士の非道に怒ったり泣いたりは、裁判所に行かなくてもできるわけで、裁判を傍聴したからこそ気付く何かを見つけたいんですよね(黒いぞ)

あと、お友達の弁護士さん、刑事を扱っているんですかね。それとも、民事で離婚とか相続とかが専門?
けっこう、笑顔で出来る仕事もあるんですけどね、弁護士。僕の友人達は楽しそうですw
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2011/09/02 21:36
ペー子さんへ、

さいきん性格悪くなってない?

裁判傍聴は「高尚」とは正反対の「下世話」の極みですよ。
他人の揉め事や困りごとを、ニヤニヤと見物するってのは、マトモな大人のすることじゃないw

まぁ、そういうことでなく、並みのドラマよりずっと楽しめる「人間喜劇」を見出すということでいうと、「高尚」とは言わないけど、「黒い戯れ」くらいにはなるかもなw

裁判所の職員さんにもたぶん守秘義務があるとは思うけど、職種にもよるけど、絶対に面白ネタは知っているはずだって。連日色々な公演やっている劇場で働いているんだからさ。

なんとか一日でも平日に時間が出来たら、裁判は傍聴するといいよ。
当たり外れはあるけど、何か他では味わえない世界だから。
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2011/09/02 21:30
ヴィオラさんへ、

女子高生に強姦事件の裁判傍聴って・・・今ならセクハラというかフツーに避妊じゃないや非難されて然りな教育ではないかとw
しかし、お母様の受け止めを思うと、あんがい正解な教育なのかも

弁護士だけじゃなくって、法曹家って、あんな難しい試験をパスするだけあって、マトモな人の方が少ないですよw
裁判官なんて、一握りの権力志向と真に優れた人以外は、学歴からは信じられないような数年に一度は日本中をド田舎込みで転勤していきます。
弁護士も、リッチなのは大企業を顧客にして、独立している人だけ。最近の法科大学院卒のインチキ連中なんて、半分は無職ですから。
そして、今回法務大臣になった人のように、「犯人を死刑にしても、あなたの殺された息子さんは生き返らないんですよ。それでも死刑にしたいですか」って息子を殺されたお母さんに言い放った人だったりします。

僕自身は、性犯罪事件はみないですね。
光市母子殺害事件のように、罪状に強姦が含まれていたのはあるけど。

ただ、先週かな、全裸で下着泥棒していたオッサンで、同姓同名のJALのパイロットの身分を騙っていたというのが受けて、ちょっと興味がわきましたがw
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2011/09/02 00:07
『事実は小説よりも奇なり』って言いますからね。
ドキュメンタリー大好き人間の私ですから、この手の傍聴にも興味はあります。
でも、未経験です。
★1988年(2月)名古屋アベック殺人事件
 調べ物をしていて、たまたま見つけた事件。
 中日新聞が事件の全容を詳細に報道していたので・・、余りにリアルな記述に衝撃を受けましたっけ。
★1994年(9月~10月)木曽川・長良川連続リンチ殺人事件
 実は、当時大学生の従兄弟の友人も被害にあいました。
 木刀でボコボコに殴られた上、煙草の火を押し付けられること50箇所以上。
 幸運にも従兄弟は短期留学中で、被害を免れた次第。帰国すると友人が入院中でゾッとしたそうです。

 その他もろもろ・・。(*_*;

最近はネットのお陰で、家にいながらにして裁判の内容が詳しく分かります。
サラリと読んだだけでも個々の事件が脳裏から離れず・・・どうやら私は「切り替え」が下手なようです。
因みに、弁護士の友人が言っていましたっけ。
「相談にのるだけでも気が滅入る!だって、どれも「問題」でしょ?嬉しい案件じゃないんだから。
 も~夜は飲むしかないわよね!」だそうで・・・弁護士も大変なお仕事です~。^^;


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2011/09/01 21:51
高尚な休日をお過ごしのようでw
休暇届は「傍聴」って書くんですか?w
なんだか、傍聴された裁判は、マヌケ通り越して、あまりに憐れ(>_<)
痛過ぎますね。でも、助演の方、最高ですねwペー子妄想劇場開演しちゃいましたよw
しかしまぁ、そういうとこ行くと、「ペー子の知らない世界」が広がってるんだろうなぁ~。知りたいなぁ~,知りたいなl~。
ペー子さんは平日はいっくら暇でも外出厳禁のお留守番係なので、それこそ裁判員制度で選ばれるか、身内が裁かれる!?かしない限り傍聴はできませんな。残念(>_<)
しっかし、おもしろい裁判ありますか?ってそらー聞いちゃいけませんよーwさすがのペー子もそんなすごいことは言えそうにありませんw友達が裁判所で働いているらしいのですが、そんな面白い話聞いたことないなぁ~。あ、白い視点では面白みがないのかww(え?深い意味はないですよw)
あ、そうそう、義姉が裁判員に選ばれた、とちょっと困惑していた様子だったので、このブログ読ませてあげたいですwww
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2011/09/01 16:43
母が高校の時、校外学習で裁判見学したそうですが、その時の事件は、強姦。
「被告もさ、ただでさえ裁判になってイヤなのに、
 その上女子高生何十人にじろじろ見られるなんて、もう二度としないって思うわよねー」

被告の名前忘れたりするんですね、弁護士でも。



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