気分はマイナス 1
- カテゴリ:自作小説
- 2009/05/10 15:39:08
京都のはずれに数件の飲み屋さんが集まる一画がある。
はずれは落ち武者が農民の竹やりで暗殺された昔話の残るところの近くだ。
夜には人の気配は消え、闇のなか車のライトと店の灯りが足元を照らす。
「ここでいいです」
「料金は680円です。ありがとうございました」
車を降りた利弘は、いつも飲みに来る店のあるビルの前に立っていた。
はずれに店があるため、お客はタクシーを利用することが多い。
利弘は仕事の終わりがけに、ママからメールをもらっていた。
「お疲れ様! 元気? よかったら飲みに来て」
ただそれだけの内容のメールである。
利弘には特別な内容にそれが思えた。
「お疲れ様」
女性から聞いたことのない言葉。利弘はなにかに癒された感じになった。
利弘の心に
「ママに会いにいかなければ」
決心に似た気持ちがうまれた。
利弘は店のあるビルに入り階段を上る。
はずれの昔のビルなのでエレベーターはない。
利弘の目指す店、スナックキャラメルはビルの二階にある。
店のママの名前は百雪(もゆき)。
百雪ママにもうすぐ会えると思うと利弘の心は軽かった。
利弘は店のドアをいきよいよく開けたと同時に百雪ママの声がした。
「いらしゃい」
コンビニで聞くいらしゃいませとは違う。機械的なあの響きとは違う。
大人の女性を感じさせる色があると利弘は感じた。
「としちゃん久しぶり。元気だった?」
「なんとか元気にしています」
利弘は元気であるのにわざと前になんとかをつけ応えた。
店は八人ぐらいが並んで座れるカウンターと六人ぐらいが囲めるテーブルがある。
店は開店したところでママは昨日閉店時に洗い残したグラスをかたずけながら、利弘がカウンターへ座るのを見守っていた。
利弘がカウンターの入り口側に座りかけときママが
「もっとこっちにいらしゃい」
と手招きして云ったのでママの前の席に座り直した。
ママと利弘はカウンターをはさんで向かい合うかたちになる。
利弘はママが前に居ることで少し緊張していた。
百雪ママは年の頃四十歳前後、髪は肩までのセミロング。近所では評判の美人ママである。
「ちょとまってね。これかたずけるから」
ママはグラスを拭き後ろの棚に並べた。
利弘はその様子に懐かしいものを思い出していた。子供の頃、母が食事の後かたずけをしている。テレビを見ながらなにげなく頭に残した映像である。
「何する。そうボトル残っていたわね」
ママはそう云って後ろのボトルの並んでいる棚を捜しはじめた。
その棚にはいろいろの種類の飲みかけのお酒の瓶が種類別に並べてあった。瓶には白色マジックでお客の名前が書かれていた。
奥の方から利弘と書かれた四角のウイスキーのボトルを見つけ
「これね。まだ半分残ってる」
と云ってカウンターの上にボトル、その前にはコースターを置いた。
「何で飲む。水割りそれともソーダ割り?」
「ソーダ割りでお願いします」
「ハイボールね。レモンは入れる?」
「お願いします」
利弘の注文を聞くとママはカウンターの中で製氷機、冷蔵庫の前を動き棚からグラスを取り出しカウターに氷、炭酸ソーダ、コースターの上にグラスとすばやく並べた。
「最初は薄目がいいね」
そう云いながらグラスに氷を入れるママ。
利弘はただママの動きを見ていた。何も言わず。
「ハーイどうぞ」
「どうも頂きます」
利弘はグラスを手にした。氷の冷たさが手のひらに感じられる。
グラスの中では炭酸の小さな泡が、氷にそって上へ上へと無数に湧き出ていた。

























自作小説倶楽部 12月月例下欄に ワンポイントアドバイスをのっけて置きました
役に立つかどうかは判りませんが その道のブロのウンチク本から エッセンスを パクっています 笑
書き出しました。
応援までして頂き感謝。
ワクワク・・・・利弘さん・・いよいよですねぇ~
緊張感が伝わってきます^^
楽しみだなぁ~^^v
練習の叩き台にしたいと思います。
またお気ずきの点がありましたらアドバイスよろしく。
私の書き方でよければ色々アドバイスさせてください。
ゴキブンさんの書き方は私の書き方とよく似ています。
私の場合「」のセリフと文章の間に必ず間を空けます。
それによって見やすくなるんじゃないかなと思ってそうしました。
雰囲気やクラブとしての風景がしっかりしているので
溶け込むのが早くなります。
文章表現も難しくなくて読みやすいと思います。
世代的には30代に入ってからの人が読むとしっくりくるタイプだと思います。
私は20代になったばかりですが
クラブ勤務なので分かるのですが
まだバーやクラブなどにいったことにない人には
まだ難しいのではないでしょうか・・・?
と、なんだかズレにズレていますね^^;
とにかく、今の時点では私は文句なしです^^;