Nicotto Town


濃すぎる毒入り日記


スイス旅行の喜怒哀楽「楽」編

 ようやく、スイス旅行の話も最後の「楽」編に至りました。「楽」については、最初に、スイスランド楽しかったぁ!と書いたことに尽きると思います。
 旅行は「行楽」という言葉の通り、どっかに行って楽しむことが基本です。ただ、「たのしみ」の内容・方法は、人それぞれですから、法や人倫に触れるものでない限りは、個々の楽しみに優劣はないと思います。
 それと、これも字の如くですが、「らくちん」に旅するということも、旅のポイントだと思っています。

 
この「たのしみ」と「らくちん」という二つの観点から、スイスランドと今回の僕の旅行を振り返ると、大したトラブルやてんてこ舞いもなく、ゆったりと出来たので、満点に近いものだったと思いますし、この満点はスイスランドという観光産業にも当てはまると思います。

 スイスランドをすごいなぁと思うのは、富士山より高い山をはじめ眺めのいい多くの数千mの山に立派な展望施設があること。そんなとこで、ビールや美味しいもの食べたり、ゆっくり寛いだり、そもそも、難行苦行もなく1時間程度でそこまで運んでくれる乗り物があるって、日本では考えられません。
 
これは、日本では霊峰信仰とか観光立国でなかったとかある中で、スイスでは誰も登ろうともしなかった高い山が観光資源と気付いたときから(日本が明治維新の頃!)、誰でも簡単に楽しくという正にディズニーなコンセプトで、山を観光施設に開発したからです。リギ山という世界で初めて登山鉄道が開通したところで、ヴィクトリア女王が輿で登る写真を見ました。日本では龍馬が江戸で千葉道場門下の頃に、女王様の泊まれるホテルがあるって、普通にありえないことですから。

 
このラクチンぶりのもう一つは、観光客(ゲスト)こそが主役というスタンスにも支えられていて、メジャーな登山列車やレストランでは、東西の主要言語が並べて表示され、ピクトグラムも充実(別にスイス人は文盲ではないのに)しているので、誰でも迷わずに移動や食事が出来ます。
 そして、メジャーな観光地では観光客の方が圧倒的に多いので、パリでも東京でもNYでもいいのですが、他人の街に「溶け込んだ気分」でなく、自分の家で食事をしているような・・・はオーバーだけど、日本の温泉地で浴衣・下駄でぶらつくような感覚で過ごせます。
 
そうそう、スイス人自体も、ハイジのオンジのような偏屈さんに出会うこともなく、とにかく親切で温かいので、うーんキャスト教育も万全という感じです。

 
あ、それと、教会とかお城とか史跡に殆ど行かなかったので、いつもは分厚い「旅のしおり」を作る手間もなかったので、個人的にすっごい楽でした。
 旅ヲタ・歴史ヲタ・薀蓄ヲタなので、それでもリサーチするんですけどねw「おおブレネリ♪のブレネリって誰?」とか「ヘルヴェニアって何?」とか「ウィリアム・テルとハプスブルグ家の意外な関係」とか「宗教改革とスイス銀行のつながり」とか。
 冗談抜きで、日本人のパックツアーの人が気がつくと、周囲で僕の話に頷いてるんで、1フラン取りたいくらいですw
 
でも、逆に1フラン払いたくなったのが、ある関西からの団体さん。高い山の展望台で添乗員さんに、「この山は●m、あの山は●m」「たっかいねんなー」「いずれも富士山より高いんですよ」「すっご!高すぎやん、ちょっぴし負けてや、円高やし」wwwええなぁ、この人らはwww

 
と他人様のネタで〆るのも何ですが、おあとがよろしいようで(了) 

PS:
 日本同様に、ドルとユーロの浴びせ倒しで、フラン高に苦しんでいたスイスが、一定レートを超えるユーロ安には無制限に為替介入を行うと宣言し実施しました。その効果たるや、一夜にして、日本円も含め主要通貨に対する過剰なフラン高が10%くらい下がったのです。
 永世中立なるも不当な侵略には全身全霊をもって闘うというスイス1,500年の国是は、マネーウォーズにおいても勝利に導いたわけです。
 っていうか、僕が旅行したときがMAXフラン高だったけど、そこからだと、15%以上安い・・・いいワインが何本買えたよ・・・時計買えたし・・・スイス銀行とは取引しませんw(ってしてないよね、最初からwいわゆるスイス銀行的なビルの豪華さを覗こうとして、警備員に一瞥されてビビっただけだよねw)

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2011/09/12 21:12
Olivierさん へ

絶対数が違うので、海外の日本人が減ったというよりは、中国人・インド人が急増しているということなのでしょう。それと、英語もロクに話せないとか、ナイフキコキコでスープズルズルなんてマナー知らずも今は昔なのでしょう。極東のヘンテコさんではなく、一つの国の旅行者として扱われるようになったのかもしれないですね。

ただ、日本人が欧州人旅行者ではなく、米国人あるいは中国人・インド人の側の人だなぁと思うのは、訪問地のことを全然勉強してない点でしょう。まぁ、欧州人は、大きくいえば同じ文化・歴史の世界にいるということで、勉強せずとも知っているだけかもしれませんが。

僕も、Olivierさんの昔のブログのアウシュビッツの話を読んで、とても興味を持たされました。
中欧・東欧では、ポーランドは足を運んでいない数少ない国の一つです。
学生の頃に、ドイツのニュールンベルグを訪れたときに、ナチスが戦勝の暁には党大会会場とすべく建造したコロッセオそっくりの場所が少し郊外にあるのですが、そこにタクシーで行ったときは運転手さんも観光案内所の人もビックリしていました。「なにしにいくんだ」「なんで日本人のオマエが」みたいなことを言っていました。
よく知らないからこそ行くべき場所。よく知らずに行くべきでない場所。色々あるもののですよね。
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2011/09/12 21:01
たぬ休さん へ

スイス人の多くはプロテスタントで、宗教革命当時はカルヴァンとツヴィングリというルターと並ぶ旗手を産んだ土地でもあり、勤労や蓄財を尊ぶ国民性はあるのだと思います。
金融都市チューリッヒには、俗にスイス銀行の名で知られるプライベート・バンクの立派な建物が並んでいるのですが、その地下には莫大な金の延べ棒が保管されているそうで、「銀座より地価が高いんだねぇ」と感心したものです。

現在のスイスの産業は、金融、精密機械(時計含む)、化学、そして観光ですが、何れも資源を要さず、国民の知恵・手先・技術・自然を活かしている点が、日本との違いでしょうか。どちらが正解というわけでもないけれど、持続可能性がスイスにはありそうですね。
ちなみに、日本でいう戦国時代から江戸中期までは、↑のような産業は世界のどこにも存在しないので、スイスの一番の輸出品は傭兵だったそうです。欧州の戦場の最前線で敵味方が対決したら、どっちもスイス人だったということもあったそうです。

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2011/09/12 20:54
ペー子さん へ

いつか行ってみたい場所があるのは いいことですよ。
スイスは、遠いけれど、怖くもないので、お金を貯めて是非行ってみて下さい。

ブレネリについては、結論を言えば、謎のゴールには辿りつけませんでした。
分かっているのは、以下の点です。
・ ブレネリは、ベロニカの愛称。
・ ベロニカという名前の少女は、19世紀の終わりから20世紀半ばまでスイスの硬貨のモデルとなっていた少女の名前でもある。
・ 「おおブレネリ」の原曲は、19世紀にスイスで生まれて、1910年にスイス人により歌詞がつき、その歌は第1次世界大戦で兵士の間で広まった。(どこの国の兵士?)
・ 第1次世界大戦後に、「おおブレネリ」は米国に渡り、ガールスカウト等で広く歌われるようになった。
・ 日本には、第2次世界大戦後に米国経由で伝わり、「おおブレネリあなたのおうちはどこ♪私のおうちはスイスランドよ」以外はオリジナルな歌詞がつくられた。

たぶん、スイスを擬人化したものとしてベロニカちゃんという少女が用いられていて、コインと歌のブレネリちゃんは同一モデル由来でしょう。
それと、戦線が膠着していた第一次世界大戦中の欧州では、同盟国側・連合国側をとわず色々な歌が戦場で歌い継がれていたので、おおブレネリもその一つであったとは十分考えられます。

英語やドイツ語の歌詞は、直訳では今一つ意味が分からないのですが、何か寓意があるのかもしれません。

いろいろ検索して、5人くらいの方が、この謎を解こうとしていました。
どうもスイスでは今ではあまり歌われていない説もあり、すごいビックリなラストには至らず残念でした。
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2011/09/09 00:46
仰るようにメジャーな観光地の案内板等は、主要言語が並んで記載されていますね。
英語・スペイン語・ドイツ語・フランス語・・・。
以前はそこに必ずと言っていいほど日本語が入っていたんですよね。
それを見るたびに(日本人が世界に認知されているようで)嬉しかったものです。
それがいつの頃からか、見かけなくなりました。スイスランドでは如何でしたか?
どこもかしこも日本人観光客でごった返していた・・今は昔となりにけり、です。

20年ほど前から海外旅行が爆発的に安くなりましたが、
それ以前は「一回100万円」。母曰く、それが常識(?)だったとか。
そう言えばクイズ番組(『アップダウンクイズ』『アタック21』etc)の副賞も海外旅行でしたね。
キャッチフレーズは『憧れの◯◯にご招待!』。今では幻のセリフです。

それでも私は依然海外に憧れます。
新鮮な感動が、簡単に得られるからかもしれません。
今回でっちさんの旅行記を読んでいるだけでも、時には笑い、時には考え込みました。
そんな刺激が私にはたまりません!(^^)
楽しく読ませて頂きました。感謝・感謝です!

追記、
関西に移り住んでから、ツアーに参加する機会が増えました。
関西の方って、ホント面白い!
サービス精神旺盛で、自分が楽しむ以上に周りを楽しませようとします。
10日くらいのツアーに参加すると、2日目には気安く話し始め、3~4日もすると旧知の仲に。
帰国直前にはアドレスの交換が随所で見られ、時には「次の旅行も一緒しようね」と約束しています。

風邪など引いたときは・・・ありがたいですよ~。
様々な風邪薬・栄養剤・冷えピタ・シップが集まってきます。
次の日にはほぼ全員から、「風邪大丈夫か~?無理したらあかんで~」とご挨拶。(^^)
東京や名古屋でもツアー参加経験はありますが、
関西ツアーは断然あったかくって面白くって、大好きです!



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2011/09/08 21:45
スイス人ってがめついイメージだったんですが、意外とサービス精神旺盛なんですね。
(がめついというのは先の大戦後、交戦したこともないのに賠償をふっかけてきた話から。)

山ばかりで何もないと思っていたらかの国の今はなかった。
発想を切り替えることで大成功するあたり、山の葉っぱを料亭に売って家建てた四国のおばあさんたちを連想させたりもします。

仕方ないこととはいえ、旅行前に宣言してくれていたら懐事情が大分違っていたんですね。
国内旅行では考えなくていい話ですから、海外旅行はその算段だけでも大変そう。
まあ、そういったことも含めての楽しみなんでしょうけど。
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2011/09/08 13:03
”他人様のネタ”で吹きましたけどwwwむしろ負けてやりたいw
いいなぁ~、そういう人と旅行したいwどこ行ってもその調子で、さぞや愉快愉快だろうw(っていきなり本題ズレw)

スイスワールド、行ってみたくなりましたw
なんか敷居高いイメージあったけど、でっち旅ログ読んで、勝手に親近感?湧いてますけどw
って、かってにディズニーの想像を繰り広げる単純な人。
しばらくは旅ログ×妄想×写真=でスイス妄想観光楽しみますwww
(多分一生そのまま)

昨日の日経一面に追伸内容の記事載ってような・・・大事なことは記憶が薄いw
しかしMAXフラン高で旅してきて、帰国後一か月で15%安・・・私なら、恨みつらみ妬み?吐きまくりますwお得大好き主婦ですからww
あぁ楽しかった、の最後の最後にこの〆ってば、ちーと切なさが残りますねw

あ、ブレネリって結局誰だったんですか??ww
あーーーー、あとマルモリ歌いたい気分書いてないじゃんっ!!!!待ってましたよww(執念の女ペー子よりw)



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