日本復興の鍵 受け身力 呉善花
- カテゴリ:小説/詩
- 2011/09/08 13:21:24
私の韓国への認識に目を開かせてくれた呉善花さんの新刊本が5月に出ていました。
震災後の本だったので、どんなことが書かれているかと思ったのですが、
内容は彼女が日本文化に触れて様々に感じて、そのルーツとなる日本的精神の
ありかたを模索してきたその考察を書いたものです。
まえがきに、原稿を仕上げ読み直していたときに震災が起きた、とあるので
震災後に新たに書かれたものではありませんでした。
しかし、彼女は非常に深く日本文化を愛しており、そこかしこに日本の独自性を
見せてくれるので、久しぶりにホッとしました。
ドナルド・キーン氏もそうですが、海外の方の目を通して初めて知るということも多く、
こういった方々の本を読むと、日本文化の良いところが浮き彫りになって
逆に海外とはこうも認識が違うのか!と唖然とすることもしばしばです。
その筆頭が震災時の略奪がなかったこと、ですね。
これを言うと日本にも略奪はあったという方がいますが、基本海外の略奪は
軍隊が鎮圧するような大規模なものです。
日本であったのは、窃盗、空き巣、引ったくりというようなもの。
また、津波で流された金庫が持ち主に返されたりすることも
海外からすれば、信じられないことのようです。
そして、自然への認識の仕方…日本人は自然と自分を一体化している。
その視点は、遠く石器時代、縄文時代に育まれ原始的なアニミズムとなった。
さらに、大陸から新しい技術や文化が流入してくれば本来消えてゆく運命の
それらが、現代人にまで引継がれている、それはなぜなのか?
島国である日本には大陸から様々な文化が流入してきても、
それらをゆっくりと消化吸収し自らのものとする時間的余裕があった。
その際に今までのものを否定するのではなく、融合という形をとった。
仏教も「日本仏教」となり、政治の律令制等もお手本は大陸にありながら
日本に向かないと思った科挙制度や宦官は採用しなかった。
ともすれば「いいとこ取りのツギハギ」と見られがちだが、
実はそれこそが日本の独自性の表出である。
漢字を使いつつオリジナルのひらがなカタカナを作ってしまう。
そして世界に類を見ない、表音文字と表意文字の両方を使うようになった。
日本人は「ただしく生きる」ことよりも「美しく生きる」ことに重きを置く。
悪人と言われるよりも卑怯者と言われるほうが屈辱だ。
そういった日本独特の美意識というべきものをすくい出して見せてくれます。
数年前に話題になった「文明の衝突」でも、日本は一国で「日本文明圏」を作っている
という表現がありました。
中華文明圏に属しているように見えながら、世界のどこともつながっていない、と。
著者の呉善花氏は現在は日本に帰化しており、日本人です。
彼女は縄文文化の精神性が日本文化の最古層に横たわっているといい、
その上に農耕アジア的な精神性が重なり、さらに明治以後
西欧の近代的な精神性が重なるという多層構造をもっていると…。
ここでもキーワードは縄文ですよ!
彼女の著作はほとんど読んでいるので、かなり重複する部分もありましたが
ちょっと元気が出た気がします。
儒教の影響なんでしょうかね。「首から下を使う仕事は卑しい」という考え方のようですね。
故に手を使う仕事「職人」なんて最下層のグループになってしまうんですね。
韓国には「老舗」といわれるものがないそうです。親も「こんな仕事」と思っているので
継がせたいとも思わず、もっとえらい仕事について欲しいと思うようです。
えらい仕事って政治家とか、実業家とかそ-ゆーのみたいです。
職業差別が韓国と日本の大きな違いの一つだと思います。
日本だと、儲からないけれど、コツコツと真面目に仕事をするの
を尊び、また誇りに思うことが多いと思います。
職人が自分の仕事に誇りを持っていたりします。
ところが、韓国だと儲からない仕事をやっているのは、
ダメな人間だとみなされるようです。
なので、職人の地位も低いですね。
「スカートの風」というのが処女作だったと思います。
反日教育を受けた彼女が来日し、日韓のはざまで揺れているのがリアルで私的にはおもしろかったです。
なにかオススメがあったら、ぜひ教えてください!
縄文関連でもいいです。
ドナルド・キーン氏は何冊か読みました。
最近は松岡正剛氏がお気に入りになってます。
渡辺京二氏の「逝きし世の面影」は面白くて貪り読みました。
ブログに書きたいんですけど、長くなりすぎちゃうのでなかなかできません。
いちじき 保守反韓オヤジのペットで、スカートの中がどうこう言ってたオバハンっすよね
日本に帰化するほど好きなら 創氏改名して日本名なのりゃいいじゃないっすか
ハンパっすね 反韓半日なんちゃってw
その如何にもな文化論 渡部オヤジとかが言ってんのとクリソツっすよ
こういうとこに ドナルド・キーンさん引き合いに出すのは よくないんじゃないっすかね
なんというか 日本に帰化した外国人という以外 共通点ないっすよ
葉月さんは時間もあって読書家なら 偏ったジャンル以外のものも読んだ方がいいっすね
ゆっくりできるようになったら読んでみます。
否定するのではなく、融合するっていいですね。
免疫学者の多田さんが100年インタビューで
「長い闇の向こう側に希望が見えます。寛容の世界が広がっています」
と言った言葉を思い出します。
日本のいいところ、、政治にも発揮して欲しいですね。