虫族 2
- カテゴリ:自作小説
- 2011/09/10 12:22:44
ニコット諸島の本島、エロイロ島には空港があった
「ゴミ虫さんの妹さんが、空港に私達を迎に来てくれるようになってるからね」
コミコがニコット諸島を眼下に見ながらそういった
「へぇ~。ゴミ虫さんには妹がいるのか。ところでゴミ虫さんは何人家族なんだい」
「良く分からないけど、5人ぐらいじゃないのかな」
「そうか。良く分からないのか」
教授は飛行機の機内でもずっと目をつむりウトウトしていた
「まもなく到着します」の機内放送でようやく目を開けコミコと会話を始めた
エロイロ島から虫族の住む虫島までは連絡船に乗らなければならい
連絡船はニコット諸島の主な島々を一日に二回、一回りしていた
本島のエロイロ島にはリゾートホテルやマンションが立ち並び、一大リーゾト地を成していた
このエロイロ島に人々が押し寄せるようになったのは、最近のことだ
それまでこの島の存在を知る人は少なく、島は本土防衛のための軍事基地として利用され、空港は防衛軍の飛行場として軍用機が行き来していた
基地が移転したために、透き通るエメラルドグリーンの海や温泉が湧きでる山がある自然の恵み豊かなこの島に観光開発の嵐が起こった
日本のハワイ、エロイロ島として本土はもちろん他の国からも訪れる人が増え続けていた
「虫島にも温泉あるのかな?」
教授はエロイロ島にバケーションに来た他の飛行機の客達を羨みながら、コミコにそうたずねた
「あるみたいですよ。エロイロ島とはちょと泉質が違って若返りに効能があるみたいです」
「おう、それはいい。若返ってがんばるか」
「何をがんばるのですか?教授」
「えろいろがんばります」
「まぁ、教授ったら。昨夜は燃えさして頂きましたよ」
「あぁ、昨夜は疲れました。年を感るね」
教授が大きなあくびをした
『間もなく飛行場に着陸します。シートベルトは閉めたままお座りになった状態でお待ちください』
機内のアナウンスが流れる
教授は少し緊張していた
飛行機の窓の景色が地上に近づいていることを映しだしていた
海面がどんどん近づいて来て、それはやがて陸になり草や木々が生えている様子が手にとるように分かる
「落ちてる」
教授が小さくつぶやく
「落ちてるなんて、ただ高度を下げてるだけです」
窓から滑走路が見え、飛行機が滑走路を走る様子が分かった
やがてその速度は見る見る落ちていく
「無事に落ちたみたいだな」
「無事に着陸したの」
教授の安心した様子を見ながら、コミコはあきれてそういった
コミコは空港に迎えに来てくれているゴミ虫の妹の姿を想像していた
























