気分はマイナス 2
- カテゴリ:自作小説
- 2009/05/12 00:06:09
利弘はグラスを口に当て頭を後ろに少し倒し、ハイボールがのどに流れ込むようにグラスを持ち上げた。
泡の混じった琥珀色の液体が口の中につぎつぎと流れ込む。
利弘の、のど仏がおいしそうな音をたてて動く。
「まあ、おいしそう。わたしも頂こうかしら」
百雪ママはそう云いながら後ろを振り返り、グラスを手にしカウンターの上に置いた。
「はい、いいですよ」
利弘は氷だけになったグラスを差し出しながらつぶやいた。
「としちゃん、いっきね。だいじょうぶ」
やさしくほほえみながら百雪ママが尋ねた。
「はい、だいじょうぶです」
利弘は恥ずかしそうに少し照れながら応えた。
百雪ママは新しく水割りとハイボールのお代わりを作り、水割りのグラスを手にして
「乾杯しましょ」
と、云いながらハイボールのグラスを利弘の前に置いた。
利弘はそのグラスを持ち上げた。
「としちゃん、乾杯!」
「乾杯!」
二人のグラスがコチンと音を響かせた。
「仕事のほうどう。忙しい?」
「ひまです」
「世の中、不景気だもんね」
百雪ママが水割りのグラスを見つめる。
少しの会話のない間をついてママが尋ねた。
「メール届いた?」
「届きました」
利弘は短く応えた。本当はうれしくてママに会いに来たけれどもそんな素振を見せないようにしていた。
ママが携帯を見せながら利弘に話しかけた。
「私の携帯、今日つぶれたの」
利弘の視線はピンク色のかわいいママ携帯にくぎづけになった。
「ほら、携帯の電池あるでしょ。それを今日なにげなく外してみたの。そしたら元に戻してもつかなくなったの」
利弘はママの話を聞いていなかった。
頭のなかには、この携帯には何人の男のメールアドレスが登録されていてママは男達とどんなメールをやりとりしているのか。知りたい。そんな軽い嫉妬の混じった考えが浮かんでいた。
百雪ママは、あまりにも利弘が携帯を見つめつづけているのに気がつき、携帯を突然裸の体を見られたような感じで手で覆って云った。
「あら、恥ずかしい」
利弘は視線をピンクの携帯からそらすようにしてママの顔を見上げた。
百雪ママは利弘がこちらを見るのを待ってたかのように目を合わした。
利弘と百雪ママの視線が一瞬合った。
あわてて利弘は飲みかけのグラスを見てグラスを握っていた手を顔のほうへ近づけ残りを飲み干した。小さくなった氷が利弘の口の中で噛み砕ける音がした。
その様子を見ながら百雪ママは話を続けた。
「それでこの携帯を買ったお店に行って新しい携帯に取り替えてもらったの。中のお客様のデーターが消えたらどうしょうと思ったけど、それは大丈夫みたいで線でつないでデーターだけ移し変えて大変だったわ」
「へー。そんなことがあるんですね」
「そう、あるの」
利弘は百雪ママのお客のデーターがみんな消え自分のだけ残ればいいと思った。同時にママの携帯もかと思った。

























まだ書きかけで今修正しながら書き足しています。
利ちゃん・・ファイト~~~
いい感じになってきたね^^v