召喚族―――…
それは、『召喚魔法』と言う魔法で呼び出される獣、『召喚獣』と呼ばれるものを操り、戦う種族。
それは、ただ普通の人間に見える、けど数億人中の一人に宿る不思議な力、『魔力』を持つ人がはいるギルドのようなもの。
その中でも身内を一人亡くした、恨みを持った人間だけが選ばれるらしい。

そして―――…
その者たちが集う場所、『召喚族の里』。
里の学校で様々な魔法を学び、力を付け、一人でも生きていけるような立派な『召喚師』、もしくは『魔術師』に育てられる。


その中でも、ごく稀に現れる『符術師』。
符を使い、獣を呼び出すまた別の召喚魔法とも言え、ありとあらゆるもの自由自在に操れる者――…



塑羅「符術師…か」
そのような文が書いてあった本を学校の図書室――普段は入室禁止されてる部屋なのだが――に、置いてあった物を偶然手に取り読んでいた。
塑羅はその次のページをめくるが、そこに書かれた文字は掠れてよく読めなかった。
塑羅「字が掠れてる…とても読めたような本じゃないわね」
パタンと本を閉じ、元置いて有った場所に戻す。
それから辺りを見渡し、特に気になるような本が無いとため息をつく。
塑羅「それにしても埃っぽいわね。周りの本の大体は字が掠れて読めないし、よく訳わからない物だったり…」
…それもそのはず。
その部屋に置かれる本は字が掠れた物、誰も読まなくなった本をしまってある所。
その中にも開くと危ないような本が（鍵が掛っているため簡単には開けられないが）置いて有り、入室禁止とされている部屋だった。
玲「ねえ塑羅ー…」
何時からそこに居たのか、部屋の入り口から顔を覗かせて呼んだ。
塑羅「何よ」
玲「いや…此処入室禁止だから入ったら駄目なんじゃ…」
塑羅「何で？」
玲「だってだって駄目だって言ってたじゃん」
塑羅「らしくない…いつもの貴方なら規則とか守らず普通に入ってくるじゃない」
さらっと小馬鹿にすると玲はまた不安げな表情で言う。
玲「だ、だってアレ出るって聞いたから…」
塑羅（あぁ、それでか）
この部屋は実は言うと棚で隠されてて誰も分からない状態だのだが、それをいとも簡単に玲が見つけてしまい、大ババ様に言ったらしい。
その時に大ババ様は「お主が嫌いなアレが出るぞ」と脅していたのを塑羅は聞いていた。

ちなみに玲の言う「アレ」とは幽霊の事。
本人曰く「向こう側が見えるほど透けてて剣で斬れないなんてこの世に存在するべきものじゃない」と言う。
それが嫌で玲はずっと塑羅が出てくるのを待っていたらしい。

塑羅「大丈夫だって。私が入っても何もないでしょ？」
玲「でもでも私が入ったら出るかもしれないじゃーん」
そういうと「そんな都合よく出るものか」と塑羅は思った。
塑羅「もう…傍に来たら良いでしょうが」
玲「うー…」
やっぱり怖いのか、怯えつつも少しずつ部屋に入る。
塑羅「あ、そうそう言うの忘れてたけど―――…」


ドサドサーッ


塑羅「そこの本の山気を付け…って遅かったか」
わざとらしく言うと崩れた本の山を元に戻し始める。
全て元の場所に戻し終わるとしゃがみ、後頭部を抑えて蹲ってる玲に話しかける。
塑羅「大丈夫？」
玲「角が…本の角が…！」
後頭部を抑えて痛がっていた。どうやら山が崩れる時本の角が後頭部に偶然あたってしまったらしい。
その割には結構な衝撃だったらしいが。
塑羅「その様子だと大丈夫そうね。で、要件は？」
玲「え？」
涙目になりつつも顔をあげて聞き返す。
塑羅「要件。無かったらわざわざこんなところ来ないでしょ」
同じ事を繰り返す。塑羅は用が無いとわざわざ怖いと言うこんなところまで来ないと思っているらしい。
玲「あぁ…えーっと…」
後頭部を抑えつつ考える。
本の角の衝撃でうっかり忘れたそうだ。
塑羅「…もう一度本の角で打ってみる？」
玲「あああ嫌々大ババ様呼んでたから教室に戻るようにって言いに来たんだけどこの在り様…」
早口でベラベラ喋り終わると塑羅は立ち上がる。
塑羅「そ。じゃあ戻らないとまた小言言われるから行こうか」
玲「何でいつもこんな目に会うのよー…」
まだ痛いのか、それとも不幸な目に会うのがムカついてきたのかぼそりと言った。
根に持つ玲に「五月蠅いわね」と一言で済ますと、二人は図書室を出、教室に戻ったのだった。


～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～続く
よし、ネタ思いついたからとりあえず更新((

本の角は痛いよな＾p＾　←経験者((
「後頭部打ったんなら少し記憶無いんじゃね(΄◍◞◟◍`)」って突っ込みは無しって方向で((蹴

続きは今日か明日かそれか明後日か。
そうじゃなかったら後は知らね((ﾏﾃｲ

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