Nicotto Town ニコッとタウン

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うさぎとかぼちゃ (かぼちゃ男の涙)


かぼちゃ男はすでに熟していました
食べごろになってしまっていたのです
青かった顔もすっかりかぼちゃらしい色になっていました
そろそろ子孫を残す儀式を行う時期です
体には花粉が溜まり、動くと花粉がヒラヒラと飛ぶのでした
メスのかぼちゃ女がいないこの島では、かぼちゃ男にとってうさぎ女が唯一欲望を掻き立てる生き物でした

「あぁ、うさぎ女さんがやって来る」
かぼちゃ男がうれしそうにそう叫びました
うさぎ男は突然の叫び声にびっくりしました
うさぎ男は耳を澄ましながら、あたりをきょろきょろ見渡しました
でも、なんの気配も感じられませんでした
「かぼちゃ男さん。よくわかりますね」
「風の匂いだべ。うさぎ女さんの匂いがする」
かぼちゃ男は匂いに敏感だったのです
しばらくして、山の林から一匹の普通ウサギが畑の様子を用心深く眺めている姿が見えました
その姿は前足を曲げて立ち、花をピクピクさせながら匂いと音と視線で辺りの気配を探るポウズでした
いつもと変わらないことが分かると、畑にピョンピョン跳ねてやって来て山の林を振り返り、また前足を曲げ立ちました
見張り役のウサギが仲間に安全と合図を送ったのです
山の林からウサギが一斉に飛び出して来ました
その数はすごい数でした
イナゴの大群が畑を襲うように、ぴょんぴょん跳ねながらサギの大群が畑に向かって来るのでした
その後をゆっくりと歩いて来るうさぎ女の姿が現れました
かぼちゃ男は鼻息を荒くして、うさぎ女をじっと見つめていました
鼻からは花粉が時々飛び出しました
横に居るうさぎ男のことはすっかり忘れ、ただうさぎ女を見つめながら視線を外さず追うのでした
うさぎ女がかぼちゃ男の横に居るうさぎ男を見つけました
うさぎ女はその場に立ち止まるとうさぎ男に手を振りました
かぼちゃ男はいつもと違ううさぎ女のしぐさに面食らいぼおっとしてしまいました
うさぎ男は違いました
それが捜していたうさぎ女だと分かり、同じように答えるように手を振ったのです
うさぎ女がそれを見て微笑み、そしてこちらの方に駆け出して来ました
普通ならうさぎ男の元へやって来ると思うのですが、かぼちゃ男は何を勘違いしたのか、うさぎ女が自分の方へ走って来ると思い込んでしまいました
かぼちゃ男は鼻から花粉をいっぱい出しながら両手を上げ、うさぎ女を抱きかかえる姿勢を取ってしまったのです
『もう少しでうさぎ女さんを抱ける。夢のようだ』
かぼちゃ男は真剣にそう思いました
いや、そう思っていました
うさぎ女がうさぎ男に飛びつくまでは
かぼちゃ男は真っ青になってしまいました
自分の元へ来ると思っていたうさぎ女が、うれしそうにうさぎ男に飛びつき抱き合ってるのです
かぼちゃ男は目まいがして倒れそうになりました
今までにこんなに落胆したことがなかったのです
目からかってに熱いものが流れそうになりました
大声で泣き叫びたい気持ちで溢れました
かぼちゃ男は肩を落とし下を向いてその場を去りました
うさぎ女とうさぎ男はそんなかぼちゃ男の姿に気が付きませんでした

#日記広場:自作小説

アバター
2011/09/23 00:31
はいありますね
好かれてるっていう思い込み怖いです
アバター
2011/09/23 00:21
かぼちゃ男さんかわいそうなんだけど、ウケルw
こういう展開って人間でもありそだよねぇww



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